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2014年度コンサート記録

2014年12月13日
子どものためのクリスマス・コンサート〜オルガンと歌で綴るクリスマスの物語〜

 12月13日(土)11時から本学講堂で「子どものためのクリスマス・コンサート〜オルガンと歌で綴るクリスマスの物語〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第41回)を開催しました(60分、来場者529名)。

 「子どものためのクリスマス・コンサート」でオルガンを 中心に据えるのは今回が初めてです。「クリスマスとは何か」「なぜクリスマスをお祝いするようになったのか」と問いかけて、その始まりのお話をイラストで示しながら、オルガンを中心に歌とヴァイオリンとチェロも加わって、クリスマスにふさわしい音楽と共に進める形で構成しました(企画、構成、台本作成・津上智実)。

 出演は日本を代表するオルガニスト松居直美(聖徳大学教授、本学音楽学部非常勤講師)を中心に、本学卒業生の菊本恭子(ヴァイオリン)・小林真奈美(同)・黒田育世(チェロ)・鬼一薫(ソプラノ、司会)の助演を得ました。第二専攻としてオルガンを学んでいる学部3年の見野綾子(中オルガン)とオーディションで選ばれたナレーション役の山田りさ(打楽器専攻3年生)も加わりました。

 全体は第1部「オルガンのミニ講座」(13分)、第2部「クリスマスの物語」(42分)、第3部「クリスマスの歌を歌おう」(5分)の三部仕立です。 開幕はD.ブクステフーデ〈第1旋法によるマニフィカト〉BuxWV203(大オルガン・松居)。挨拶に続いて、オルガンの構造と各種のパイプをイラストと模型で紹介しました。

 メインの第2部は「クリスマスの物語」。本公演のためにイラストレーターの大鹿智子が書き下ろした絵を舞台スクリーンに映写し、女学院にふさわしいドイツ・バロックの名曲を集めて、お話と音楽が交互に進むように組み合わせました。 野原の羊飼いの場面ではJ.H.シュメルツァー〈ソナタ・パストレッラ〉(中オルガン・見野)、天使が現れる場面ではJ.S.バッハ〈高き天より我は来たり〉BWV738(大オルガン・松居)、天使のお告げの場面では同〈甘き喜びに包まれ〉BWV729(同)、歓びの歌としてH.シュッツ《クリスマス・オラトリオ》より第1インテルメッツォ〈恐れることはない〉を2階バルコニーから(大オルガン・松居、弦三部、ソプラノ)、ベツレヘムに向う羊飼いの場面ではバッハ〈いざ来ませ、異邦人の救い主よ〉BWV659(大オルガン・松居)、幼子イエスの場面ではP.ベーデッカー〈イエスは生まれたまいぬ〉(中オルガン・見野、チェロ、ソプラノ)、三博士の来訪の場面ではバッハ〈神よ、汝の慈しみによりて〉BWV600(大オルガン・松居)、三博士が帰っていく場面ではバッハ〈パストレッラ〉BWV590の3(同)と進み、ブクステフーデの〈神はそれほどこの世を愛してくださった〉BuxWV5(同)で締め括りました。

 第3部では大オルガンの伴奏で讃美歌106番〈荒野の果てに〉と112番〈諸人こぞりて〉を会場の全員で歌い、オルガンの後奏に耳を傾けて終演となりました。 終演後には中オルガン、グランドピアノ、ヴァイオリンの楽器体験と大オルガンの見学会を実施し、とりわけ見学会には長蛇の列ができました。

 何度もアンサンブルの練習を重ねてくれた出演者のお蔭で、音楽的に充実した演奏会となったことを記して感謝します。

(津上智実・記)


2014年10月13日
子どものためのスペシャルコンサート〜トロンボーンの魅力〜

 「子どものためのスペシャル・コンサート〜トロンボーンの魅力」(子どものためのコンサート・シリーズ第40回)を10月13日(土)に本学講堂で開催しました(11時と15時の2回公演、各60分、来場者計311名)。

 本シリーズ初の金管楽器が主役のコンサートで、出演は音楽学部の卒業生を中心とする「ベルカント・トロンボーンBell Canto Trombone(歌うトロンボーン5人組)」(トロンボーン/鶴房采花、藤井美波、吉田梨絵、小南友里加、バス・トロンボーン/田村佳子)とピアノ(松尾璃奈)とお話(祐成麻奈未)の7人です。

 オープニングは、出演者でミュージック・クリエィション専攻卒業生の吉田梨絵が書き下ろした〈ベルカント・ファンファーレ〉で、後方や2階など会場のあちこちから奏者が登場して掛け合いを繰り広げた後、舞台に5人が勢揃いしました。挨拶に続いて、J.S.バッハ《マタイ受難曲》のコラール〈我、汝がみもとにとどまらん〉とJ.ハイドンのオラトリオ《天地創造》から〈大いなる偉業がなしとげた〉を4重奏で演奏し、「神様の楽器」と呼ばれたトロンボーンの歴史に思いを馳せてもらいました。楽器の構造の特徴としてスライドを、またストレート・ミュートやワウワウ・ミュートを紹介した上で、G.ロッシーニ〈二匹の猫の愉快な二重唱〉を演奏し、ミュートの効果を実感してもらいました。

 ここでトロンボーン・ファミリーの紹介です。アルト、テナーバス、バスと三種類のトロンボーンが舞台に勢揃いして、大きさを較べた上で、音を聞き較べました。これら3種の楽器による3重奏で〈紅葉〉〈小さい秋みつけた〉〈赤とんぼ〉の3曲をつないだ吉田梨絵編曲《秋の歌メドレー》を演奏した後、会場の子どもたちにも一緒に〈もみじ〉を歌ってもらいました。

 甘く優しい歌を歌うのが得意なトロンボーンの魅力を発揮する曲として、サン=サーンス〈カヴァティーナ〉を独奏で演奏した後、ガラッと雰囲気を変えて、ジャズの名曲として知られるL.ウッド作曲〈サムバディ・ストール・マイ・ギャル〉を3重奏で、G.プッチーニのオペラ《トゥーランドット》からカラフのアリア〈誰も寝てはならぬ〉を2重奏で演奏しました。

 カラフルなプラスチック製のピーボーンとスライド・ホイッスルを紹介し、色違いのピーボーン5本とスライド・ホイッスルとピアノで〈おもちゃのチャチャチャ〉を演奏しました。最後は、J.アグレル〈ゴスペルタイム〉を四重奏にドラムを加えた編成で演奏して締め括りました。

 今回のコンサートではトロンボーンについて、「神様の楽器」と呼ばれていたこと、ミュートを使っていろいろな音色を出せること、伸びやかによく歌う魅力的な楽器であること、教会でもオーケストラでもジャズでも活躍する楽器であることなどを伝え、演奏ではソロからデュオ、トリオ、クァルテット、クインテットまでさまざまな組合せでいろいろなジャンルの曲を演奏しました。

 終演後には、楽器体験コーナー(ピーボーン、ピアノ、中型と大型のパイプ・オルガン、フルート)に、初めての試みとしてスライド・ホイッスルを作る工作コーナーを加えたところ、大変好評でした。

(津上智実・記)

2014年9月27日
音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ

 9月27日(土)9時半から16時まで第5回「音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ」を本学音楽館ホールで開催しました(参加は学生13名、学外者4名、子ども21名)。

 これは英国ギルドホール音楽院で培われて来たクリエイティブ・ミュージックの優れたプログラムに学ぶ形で、2007年から08年、12年、13年と実施してきたもので、今回が5回目です。

 同校リーダーシップ修士課程修了の若い音楽家2名(ポルトガル出身の声楽家テレーザ・カンポスとオランダ出身の作曲家ヒール・ビュッシェ)を日本に招聘し(最初の3日間は本学卒業生で同リーダーシップ修士課程修了の東瑛子もリーダーとして参加)、9月24日から4日間、学生対象の「音楽作りワークショップ特別研修」を行い、その仕上げとして最終日に近隣の子どもたちの参加を得て実施しました。

 この研修は「3大学(本学音楽学部、東京音楽大学、昭和音楽大学)連携」プロジェクトの一環で、誰もが持っているクリエイティブな力を音楽によって引き出し、共に音楽を生み出していくために必要な視点と方法を学んで、実践力を身につけることを目的とするものです。

 当日は、アイスブレイク、数字遊び(123から好きな数字を選び、1を選んだ人は床に坐り、2は膝立、3は立つという形で並んで、それを皆で123・1・12・1・123といったリズムとして読み上げていく)でリズム作りをする、3グループに分かれて「なぜ世界はこんなに美しいのだろう Why is the world so beautiful?」という問いかけに答える形で歌詞作りをするといったステップを経ながら、学生と子どもたちがアイディアを出し合って自分たちのフレーズやリズムを作り上げていきました。それらを組み合わせて、最後にお迎えの保護者を前に15分ほどの作品発表を行ない、大きな拍手をもらいました。

 大学院文学研究科通訳コースの院生3名が、指導の奥村キャサリン先生、中村昌宏先生と逐次通訳でサポートしてくれたことを記して感謝します。

(津上智実・記)

2014年7月5日
子どものための七夕コンサート〜音楽で恋の魔法をかけよう〜

 「子どものためのコンサート・シリーズ」第39回「子どものための七夕コンサート〜音楽で恋の魔法をかけよう〜」を7月5日(土)に本学講堂で開催しました(第1部、11時開演、第2部、15時開演、来場者数・第1部、416名/第2部、215名、計631名)。

 出演は「音楽によるアウトリーチ(実習)」履修生と賛助出演の学生合わせて10名です(ピアノ・今川裕美、上田美幸、中川真帆、三木理花絵、声楽・城井礼衣子、寺脇優子、フルート・岩井香那、岡亜梨沙、喜多望有、田中佑奈、パイプ・オルガン・山内愛、打楽器・山田りさ、お話・益田多夏)。

 今回の七夕コンサートのテーマは「音楽で恋の魔法をかけよう」です。七夕の物語にちなんで、恋にまつわる音楽を中心に選び、織姫様と彦星様が出会えるように、音楽の力で呼び寄せようという構成で進めました。 開幕は、アルディーティ作曲〈口づけ〉。フルート2本、ピアノ、グロッケン、トーン・チャイムとソプラノ2名で、好きな人を思う気持ちを華やかに演奏しました。

 次は、ピアノ演奏で3曲。まずは独奏でプロコフィエフ作曲《ロミオとジュリエット》組曲より第6番。演奏に先立って場面を説明し、情景を思い浮かべながら聴いてもらいました。  続いて2台ピアノの演奏で2曲。エルガー作曲〈愛の挨拶〉は作曲者が婚約者に捧げた曲で、美しい旋律を2台のピアノが呼び交すように歌います。一方、ミヨー作曲《スカラムーシュ》の第三楽章〈ブラジルの女〉は、弾けるようなサンバのリズムが楽しい陽気な曲で、ピアニスト2人が熱演しました。  以上、3曲のピアノ演奏を振り返って、「同じ楽器でも、曲によって様々な気持ちを表わすことができる」ことを子どもたちに伝えました。

 ここで、ロジャース作曲〈ドレミのうた〉を題材に、会場の子どもたちとアクティビティを行ないました。全員で一度歌った後、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの音の札を持った出演者が舞台前に登場。音には1つ1つ名前がついていることを説明し、音の階段になっていることを確かめました。次に階段をジャンプしながら、「ド・ミ・ミー・ミ・ソ・ソー」を一緒に歌ってから、リズムに移ります。会場を2つに分けて、それぞれが担当するリズムを練習します。「ソードーラーファーミードーレー」のメロディーに乗せて、両方のリズムを同時に叩いた後、音の階段、ジャンプ、リズムと続けて演奏し、皆で1つの音楽を作りました。「私たちの身体も楽器になれる」ことを感じてもらえたようで、客席にたくさんの笑顔が見られました。

 次は、フルート4本のアンサンブルでライヒャ作曲《シンフォニコ》ニ長調の第1楽章。演奏の前には、司会者がフルート奏者にインタビューする形で楽器の紹介も行ないました。 今度は、歌を続けて2曲。プッチーニのオペラ《ジャンニ・スキッキ》より〈私の大好きなお父さん〉を独唱で、ロイド・ウェバー作曲〈ピエ・イエズ〉をソプラノのデュオで演奏し、二人が奏でるハーモニーに耳を傾けてもらいました。

 モーツァルト作曲〈きらきら星変奏曲〉より、テーマと三つの変奏をピアノで演奏。色々な形に変わっていくメロディーに注意して聴いてもらいました。その上で、フランス民謡〈きらきら星〉を会場と一緒に歌ったところ、元気な歌声が天に届いたのか、織姫様と彦星様が会場に到着して、舞台左上方の壁に2人の姿が映し出されました。ここでお祝いの曲としてメンデルスゾーンの〈結婚行進曲〉をフルート4本、パイプ・オルガン、シンバルの編成(松尾璃奈編曲)で演奏。会場後方からの大きな音に子どもたちは驚いた様子でしたが、後ろを振り返って見上げながら真剣に聴いてくれました。

 最後は、下総皖一作曲〈たなばたさま〉を全員で歌いました。口を大きく開けて歌っている子どもたちを見て、終演するのが名残惜しい気持ちになりました。 終演後には、ピアノ、パイプ・オルガン、フルート、トーン・チャイム、ウィンド・チャイムの楽器体験コーナーを設け、たくさんの子どもたちが参加してくれました。

 この七夕コンサートが、私たちのアウトリーチ活動の初舞台でした。企画の準備段階で何度も壁にぶち当たりましたが、何もかも初めての私たちを、津上智実先生をはじめ、アウトリーチ要員の東瑛子さん、アウトリーチセンターのスタッフの皆さんと学生スタッフたちが支えてくれたお蔭で、笑顔で成功を収めることができました。そして客席から暖かい拍手を送って下さった観客の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

(城井礼衣子・記)

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