70周年記念誌
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055心の対話が私の人生を膨らませる。大学・大学院と6年間女学院で学び、臨床心理士の資格を取得。現在は、子どもと向き合うスクールカウンセラーをはじめ、心理相談室、精神科クリニックなど複数の施設でカウンセリングを行っています。カウンセリングと言うと、なにかを指導したり、治療したりといったイメージがあるかもしれません。でも実際はそういったものだけではなく、クライアントの生い立ちから今の境遇といった「生きざま」を聴かせてもらい、その特徴や考え方の傾向を「一緒に」見出していくことが仕事の本質だと言えるでしょう。それはクライアントとカウンセラーの両者がお互いに影響を受け合いながら、共に道を模索し、進めていくもの。ですから、はじめに想定していたゴールとは全く違う方向へと展開することもありますし、同じクライアントでもカウンセラーが違えば全く違うゴールになることもあります。言ってみれば、個人と個人の「相互作用」によって成り立つものなのです。カウンセリングでは、ひょっとしたら家族や友人よりも深く個人的な話を聴かせてもらうことになります。クライアントから教わることばかりの濃密な時間。こんな貴重な体験ができる職業は他にはない! と感謝の毎日です。 

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