70周年記念誌
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生徒の目が輝く瞬間、それが私の一生の宝物。092英語教員への夢は、大学入学時にすでに心の中にありました。今と違って女性が男性と同じように活躍できる職場は少なく、その一つが教員だったのです。英語を教えることにより関心が高まったのは、教職課程で必修だった「教科教育法」の授業を受けたときのこと。先生がいろいろな言語を混ぜた“架空の言葉”を、日本語を使わずその言葉だけを使って教えてみせてくれたのです。架空の言語なんて理解できるはずがない! かるようになったのです。「あ、これはさっきも出てきた単語だ」「こういうときに使うのか」と、わかる部分だけを想像力を働かせてつなぎ合わせるうちに、言葉のルールを自分で見つけられるんですね。実はこれは、中高部で私が学んだクルー先生のメソッドとまったく同じ原理。“まずルールを教えられて学ぶのではなく、ルールを自分で見つけていく”学習方法で、楽しみながら語学を習得することができるということをあらためて体感したのです。その喜びと楽しみを、英語教育で生徒達と分かち合いたいと教員の道を選びました。実際にたくさんの生徒と向き合ってきましたが、「自分でと思われるでしょうが、不思議と少しずつわおざわ じゅんこ1973年、文学部 英文学科卒業。卒業後、43年にわたり神戸女学院中高部の英語科教諭として勤務。2016年の定年退職後は、非常勤講師として教壇に立つ。  

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