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2009年度コンサート記録

2009年12月12日
子どものためのクリスマス・コンサート〜音楽にのって世界をめぐろう!〜

クリスマス・コンサート12月12日(土)本学講堂にて「子どものためのクリスマス・コンサート〜音楽にのって世界をめぐろう!〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第27回)を開催しました(第1部・11時〜、第2部・16時〜、来場者数、計812名)。「音楽によるアウトリーチ」既修生5名と賛助出演1名が出演しました(ピアノ・井上智恵子、友田麻依加、小原友、声楽・金岡伶奈、声楽・オルガン・先間恵子、フルート・中村亜彌子)。

まずはカーテンを閉めたままで、J・S・バッハ〈プレリュードとフーガ イ短調 BWV559〉のオルガン独奏で開演。客席が静まり、もう1曲オルガン独奏で作曲者不詳〈甘き喜びのうちに〉を演奏しました。続いてアナウンスで、クリスマスが世界で一番素敵なお誕生日というお話と、特別な日に皆さんと一緒に音楽にのって世界の国々を巡ろうとのコンセプトを伝えました。

カーテンを開いて、G・フォーレ《レクイエム》より〈ピエ・イエズ〉を独唱。澄んだ声に子どもたちも耳を澄ましてくれました。そこから旅に出発です!

まず太陽の国イタリアへ。アルディーティ〈口づけ〉をソプラノのコロラトゥーラで華やかに歌って、次はフランスです。フランスの作曲家A・アダンが書いたクリスマスの歌〈オー・ホーリー・ナイト〉をお馴染みの歌詞で歌います。

次に南アメリカの国アルゼンチンへ。アルゼンチンのクリスマスは夏。アルゼンチンの情熱な踊りであるタンゴから、A・ピアソラ〈リベルタンゴ〉をフルートとピアニカとピアノのアンサンブルで演奏。舞台の照明も色が赤や青にくるくると変わって盛り上げます。

続いて北米のアメリカ合衆国へ。ディズニーの音楽からジミー・ドッド〈ミッキーマウス・マーチ〉をピアノ連弾でジャズ風に演奏。いつも聴いているリズムとはちょっと違います。ここで、趣向をかえてイントロクイズです。テーマはクリスマスの歌。小さい子どもたちの多い午前の公演では、曲の出だしの部分をピアノで演奏し、それを子どもたちが何の曲か当てるクイズとしました。午後の公演(小学生以上が対象)では、曲頭のリズムだけを手拍子で打って聞いてもらい、曲を当ててもらいました。どちらも子どもたちが元気よく手をあげてくれました。クイズで出題した曲をそのままメドレーにして〈ジングル・ベル〉〈赤鼻のトナカイ〉〈サンタが町にやってくる〉〈きよしこの夜〉を会場の皆さんと一緒に歌いました。

さて、次はロシアへ飛びます。チャイコフスキー《くるみ割り人形》より〈金平糖の精の踊り〉をピアノとチェレスタで、〈葦笛の踊り〉〈中国の踊り〉〈ロシアの踊り(トレパック)〉をピアノ連弾とフルートで演奏。最後の曲でサンタが登場して、子どもたちからも「サンタさんだ!」と声が上がります。

世界の旅も終りに近づき、サンタさんと一緒に日本に帰ります。日本の美しい四季折々の情景に思いを馳せながら、北原白秋/山田耕筰〈からたちの花〉をソプラノ独唱で演奏。会場内はふんわりとした優しい空気になります。最後に、クリスマスのプレゼントの歌を、舞台にカラフルな包みを並べながら歌いました。曲はイギリス民謡の〈クリスマスの12日〉で、歌詞を今時のものにアレンジしたので、子どもたちも興味津々。最後にプレゼントが足りなくなり、慌てたサンタさん。ここで小林亜星〈あわてんぼうのサンタクロース〉を会場の皆さんと一緒に歌いました。最後に出演者の紹介をして閉幕となりました。

終演後は、楽器体験コーナーです!今回は、ピアノ、フルート、オルガン、トーンチャイムにふれてもらいました。コンサート中に演奏された楽器を実際に体験した皆さん、とても楽しそうに参加していました。前日のゲネプロに出演者が揃わなかった等で課題は多々ありましたが、「音楽にのって世界を巡る」という企画は好評だったようです。子どもたちの「楽しかった!」という声を会場で直接聞いたり、来場者アンケートで「子どもも目をキラキラさせていました」といった言葉を頂いたりすると、多くの方と感動や嬉しさを共感することができる音楽の力を、より一層感じることができました。また、そのような体験を作り上げることができるコンサートを行うことの意義や魅力を改めて強く感じたクリスマス・コンサートでした。

(井上真理子・記)

2009年10月16日
子どものためのスペシャル・コンサート 〜パイプでド・レ・ミ!〜

スペシャル・コンサート 10月16日(土)本学講堂で「子どものためのスペシャル・コンサート〜パイプでド・レ・ミ!〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第26回)を開催しました(14時〜、来場者数226名)。今回は日本を代表するコンサート・オルガニストの井上圭子さん(本学音楽学部非常勤講師)をソリストにお招きして、パイプ・オルガンの魅力を映像とお話とすぐれた演奏でたっぷりと味わって頂くコンサートとなりました。

幕開けはムーレ《ファンファーレと合奏用組曲》より第1番〈ロンド〉。客席後方の大オルガンが華やかに鳴り響いて、お客様の目を2階の大オルガンへと惹き付けます。マイクを持ってソリストが2階バルコニーから挨拶し、今日のコンサートの主旨をお話しした後、マクダウェル〈野ばらに寄す〉とバルトーク〈ルーマニア民族舞曲〉を続けて演奏。静かな優しい音色の曲と、多彩で個性的な音色の曲との聴き比べです。

続いて、オルガン音楽の最も重要な作曲家としてJ・S・バッハ(1685〜1750)を紹介。バッハゆかりの町や教会、オルガンの映像をスクリーンに映しながら話を進めます。その上でバッハのオルガン曲〈主よ、人の望みの喜びよ BWV147〉と〈前奏曲とフーガ ト長調 BWV550〉の2曲を演奏しました。ここで、ソリストが2階の大オルガンから1階前方の舞台に下りてくる間を利用して、アシスタントの早野紗矢香さん(神戸女学院オルガニスト)がオルガンの歴史や構造についてお話しました。

2300年もの歴史を持つオルガンは、水力オルガンから始まり、昔は人力、今は電力でパイプに風を通して音を鳴らしています。その基本構造を模型で説明。パイプ、風を送るふいご、風をパイプに送る弁をコントロールする鍵盤、この3つがあって初めてオルガンから音が出ます。続いて、舞台上の小オルガン(ポジティフ・オルガン)を使ってストップ(パイプに風が送り込まれるのを止める装置)の働きとその効果(複数の音色を重ね合わせる)を確認。それを踏まえて、ソリストが舞台右横にある中オルガンでJ・S・バッハ〈フーガ ト短調〉を演奏しました。

次は、世界のオルガンの紹介です。井上圭子さんは世界各地のパイプ・オルガンを演奏してきたキャリアの持ち主で、それらのオルガンのすてきな写真をたくさんお持ちです。現存世界最古のオルガン(スイス、シオンの教会にある別名「ツバメの巣オルガン」)やバッハやモーツァルトが弾いたオルガン、101ストップを備えた巨大なオルガン(フランス、パリの聖ユスタッシュ教会)、水平トランペットのついたスペインの特徴的なオルガン(グラナダの教会)など、楽器ごとに装置やデザインが異なり、美術品のような美しさを兼ね備えたものばかりです。一個一個、オーダーメイドで作られるパイプ・オルガンは、言葉や文化、風土に違いがあるように、国によって性格が違うというお話がよく納得できました。

ここで、子どもたちの参加コーナー。オルガンに使われている本物のパイプを舞台で吹いてもらいます。曲はR・ロジャース《サウンド・オブ・ミュージック》より〈ドレミの歌〉。ドから上のレまで1人1本ずつパイプを持って、井上圭子さんの演奏に合わせて音を鳴らします。「ド・ミ・ミ、ミ・ソ・ソ、レ・ファ・ファ、ラ・シ・シ・・・」。音楽とスタッフの指示に合わせて、まずは練習、そして本番!皆、一生懸命に吹いてくれました。続いて、希望者三名に舞台右横の中オルガンの演奏体験をしてもらいました。その間にソリストは再び2階の大オルガンに戻って、《サウンド・オブ・ミュージック》より〈エーデルワイス〜私のお気に入り〜全ての山に登れ〉をメドレーで、L・ハーライン『ピノキオ』より〈星に願いを〉(青木望編曲)を演奏。最後は、ヴィエルヌ《幻想的小品集》より〈太陽への賛歌〉で華やかにコンサートを締め括りました。

コンサート終了後の楽器体験コーナーでは、舞台横の中オルガンを弾くコーナーに加えて、2階の大オルガンの見学ツアーを実施。どちらも長蛇の列ができる人気でした。お客様からは「子どもが『弾いてる人がすごい!』と何度も言っていました」「中々聞く機会がない楽器なので、とてもよい企画」「仕組みもよく分かり、親子共に楽しめた」「オルガンが弾ける企画がよかった」といった声を頂きました。

(寺澤彩・記)

2009年7月4日
子どものための七夕コンサート〜キラキラ光る音の世界へ〜

七夕コンサート 七月四日(土)、本学講堂にて「子どものための七夕コンサート 〜キラキラ光る音の世界へ〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第25回)を開催しました(第1部11時、第二部15時開演、来場者数計814名)。 「音楽によるアウトリーチ」履修生の4年生6名に加えて、賛助出演8名の計14名が出演。本シリーズ初登場のホルンをはじめとする8つの楽器を用い、これまた初登場のダンスとのコラボレーションを組み入れて、楽器のおもしろさと演奏の魅力を主眼とするプログラムを展開しました(声楽・藤野直、樋岡絵里那、井本綾華、ピアノ・岡崎典子、須山由梨、小幡文香、立川瑞貴、オルガン・須山由梨、フルート/ピッコロ・樋口藍、ホルン・大石圭奈子、ヴァイオリン・山崎清花(大阪音楽大学)、チェロ・島津瑠美、パーカッション・井坂道彦(神戸外国語大学)、舞踊・花岡麻里名、小松詩乃、企画協力・石津ひろの、木村友香)。

幕開けはG・ビゼーのオペラ《カルメン》より〈前奏曲〉。ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、フルート、ピッコロ、ホルン、ビブラフォン、シンバル、トライアングルという大きな編成のアンサンブルに編曲して演奏しました。編曲も履修生の須山由梨が教員の指導の許に行ないました。

続いて楽器紹介のコーナーです。それぞれの楽器の特徴や成り立ち、普通の演奏法とちょっとおもしろい特殊奏法を紹介。その上で、特徴のよくわかる曲を1曲ずつ演奏しました。 まず管楽器で、フルートとピッコロ、ホルンが登場。フルートは金属製なのになぜ木管楽器なのか、フルートとピッコロの違いは何かをお話して、F・J・ゴセックのオペラ《ロジーヌ》より〈ガヴォット〉を、ホルンは昔ポスト・ホルンとして使われたことを紹介して、W・A・モーツァルト〈ホルン協奏曲第1番二長調〉第1楽章を演奏。

次は弦楽器のヴァイオリンとチェロ。奏法の共通性と音域の違いを説明して、ヴァイオリンで葉加瀬太郎〈情熱大陸〉、チェロでサン・サーンスの組曲《動物の謝肉祭》より〈白鳥〉を演奏し、音色を味わってもらいました。 3番目は打楽器。ビブラフォンのペダルを踏まない場合と踏んだ場合の聴き較べ、小太鼓の連打と「シンバルまわし」を披露。会場からはオー!という声も上がり、予想以上の反応に思わず出演者からも笑顔がこぼれます。 4番目は、体そのものが楽器の声楽。よい声の出し方を話して、メンデルスゾーン〈歌の翼に〉を2重唱で演奏。 5番目はピアノ。「弦を」「打って」音を出すことを話して、4手ピアノ連弾で大野雄二〈ルパン3世のテーマ〉。 6番目はパイプ・オルガン。足鍵盤やストップについて実例を示した後、J・S・バッハのコラール〈目覚めよ、と呼ぶ声あり〉BWV645を演奏。

続いて、本シリーズ初のダンスとのコラボレーション! まず、クラシック・バレエとモダン・ダンス、コンテンポラリー・ダンスの動きの違いを簡潔に実演。そして舞踊、声楽、ピアノ、チェロの構成で履修生の石津ひろのが編曲した、まど・みちお作詞/石黒晶作曲〈つきのひかり〉を披露しました。舞踊専攻生2人が今回のために振付を行い、踊ってくれました。会場からも大きな拍手で大成功でした。

ここで一転、聴衆参加コーナーです。午前の部では「くらげ」と「わかめ」の2種のリズム、午後の部ではそれに「ほたて」のリズムを加えて3種のリズムで膝や手を打ち、リズムを交換したり重ねたりして遊びました。途中から久石譲〈崖の上のポニョ〉の音楽が加わり、曲に乗せてテンポを上げていきます。驚いたことに、お父さんたちまで本気で取り組んで下さって、予想以上の成功となりました。続いて権藤花代・林柳波作詞/下総皖一作曲〈たなばたさま〉を歌いました。フィナーレは再び全楽器のアンサンブルで、G・ビゼー作曲/中村健・須山由梨編曲《カルメン組曲》から〈間奏曲〉と〈闘牛士の歌〉を演奏し、たくさんの拍手を頂きました。

終演後は、楽器の体験コーナーです。ヴァイオリン、フルート、パイプ・オルガン、パーカッションに子どもたちは真剣な表情で取り組んでいました。 今回のコンサートでは、多彩な楽器の音色を紹介し、アンサンブルで「キラキラ光る音の世界」を楽しんでもらうことを目指しました。そのため、テンポよく進むプログラム作り(選曲、時間配分、編成)と、お客様の参加型プログラムに知恵を絞り、曲もクラシックからポピュラーまでを組み込み、楽器紹介の内容を工夫しました。また、高校時代のネットワークを生かして他大学から共演者を招いたり、舞踊を取り入れたりといった初めての試みにも挑戦しました。

今回、一つのコンサートの企画から準備、本番までの過程を初めて経験し、舞台を作ることの大変さ、難しさを実感しました。しかし、教育実習と重なって当日出演できなかった履修生二名も準備や編曲で協力してくれましたし、客席がとても温かく、リズム遊びは会場が一つになって楽しむことができました。コンサートは出演者のみでなく何十人ものスタッフの力があって形になり、また観客も一緒に作り上げるものであると感じています。

終演後、親子揃って「素敵な一時をありがとうございます!来てよかったです」とわざわざ声を掛けに来てくださった方もあり、演奏者である私たちが、改めて演奏することの楽しさや喜び、音楽のすばらしさを感じることができる機会となりました。

(藤野直、小幡典子、岡崎典子・記)

2009年4月17日
「子どもの詩コンクール」受賞作による歌曲披露コンサート

金曜日公開プログラム4月17日(金)、本学講堂にて、「子どもの詩コンクール」受賞作による歌曲披露コンサート(金曜日公開プログラム)を開催しました。

2008年11月に開催されました「子どものためのスペシャル・コンサート〜すてきだね、日本語の歌!〜」の事前企画として行われました「子どもの詩コンクール」で各部門から選出され、曲をつけて11月22日神戸新聞松方ホールで新作初演されました3曲、中学生の部優秀賞の稲田つばささん作詞《旅立ち》(作曲:石黒晶)、高校生の部優秀賞の若山沙織さん作詞《あなたの優しい涙と微笑み》(作曲:中村健)、小学生の部優秀賞および特賞の阪本歩美さん作詞《わたしのなまえ》(作曲:澤内崇)を、斉藤言子先生の歌唱で演奏しました.。 (ソプラノ:斉藤言子 本学音楽学部教授  ピアノ:石黒晶 本学音楽学部教授 ミュージック・クリエィション専攻、中村健 本学音楽学部教授 指揮、作曲専攻、澤内崇 本学音楽学部教授 作曲専攻、司会:津上智実 本学音楽学部教授 音楽学専攻 )
ご来場の皆様、ありがとうございました。


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