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2016年度コンサート記録

2016年7月2日
子どものための七夕コンサート〜音にねがいをのせて〜

 「子どものための七夕コンサート〜音にねがいをのせて〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第44回)を7月2日(土)、本学講堂で開催しました(第1部11時開演、第2部15時開演、来場者数・第1部464名/第2部141名、計605名)。

 出演はアウトリーチ履修生を中心に、声楽(荒木この美、塩見友袈、木華奈)、 ピアノ(池上夏帆、上田仁美、金丸史奈、中まゆり、森口真美)、フルート(金木志織)、ヴィオラ(増田佳子)、打楽器(前田紗希)の11名が力を合わせました。

 このコンサートでは織姫様と彦星様の一日を物語にして、影アナウンスとプロジェクターでお話の世界を表現しつつ、舞台で進行する音楽の世界との二本立てにする形で進めました。 開幕はエドワード・エルガー作曲〈愛の挨拶〉をヴィオラ、フルート、ピアノで演奏しました。挨拶の後、ポール・デュカスの〈魔法使いの弟子〉を二台ピアノで演奏。次にフルートが登場して、金色や銀色の横笛で、穴をふさがずに息を入れることで音が鳴ること、ボタン(キー)を押す場所を変えると音が変わることを紹介して、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲〈きらきら星変奏曲〉を演奏しました。 続いてはヴィオラです。ヴァイオリンと比べるとサイズが大きく、音は低く、渋くて甘い音がすることを紹介して、アントニン・ドヴォルザーク作曲〈ユーモレスク〉を演奏しました。 次はジョルジュ・ビゼー作曲《アルルの女》第二組曲より〈ファランドール〉をヴィオラ、フルート、テナードラム、トライアングル、ピアノで演奏(川上千晶編曲)。演奏に先立って、ファランドールとは笛や太鼓を使うフランスの民俗的な踊りで、皆で手をつないだり、リボンを持ったりして輪になって踊るものと紹介しました。

 ここでガラッと雰囲気を変えて、〈うみ〉を歌いながら履修生で考えたリズム遊びをしました。「オットセイ」「イルカ」「波」の3つがそれぞれのリズムやタイミングで掛け合うリズム遊びで、会場の子どもたちも声を合わせて一緒に体を動かしてくれました。午後の第2部では来場者が小学生以上なので、リズムを少し難しくしてみました。すると保護者の皆さんも真剣に参加してくれて、子どもと大人が一つになってアンサンブルすることができました。ちなみに第2部は子どもたちが全体に大人しくて、ここまではこちらが質問を投げかけてもあまり反応がありませんでしたが、このリズム遊びで一気に会場の雰囲気が明るく変わりました。

 場内が一段落したところで、クロード・ドビュッシーの〈喜びの島〉をピアノ独奏しました。子どもたちには、大好きな人・大切な人と行く島はどんな島なのだろうか、島の天気はどうだろうかといったことを想像しながら聴いてもらいました。 続いてフランツ・レハール作曲の喜歌劇《メリーウィドウ》より〈唇は語らずとも〉を演技付きでソプラノ二重唱しました。男役の出演者が燕尾服を着て演じたところ、お客様から大好評を博しました。 次にスコットランド民謡の〈アメイジング・グレイス〉をソプラノ、フルート、ピアノの編成で演奏しました。神様への感謝を表わす曲であることを演奏前に紹介して、英語と日本語の二か国語で歌いました。 締め括りとして、今まで演奏した曲を1つにまとめた〈七夕コンサート・オリジナルメドレー〉(信田亜美編曲)を声楽、フルート、ヴィオラ、二台ピアノで演奏しました。メドレーとは「ごちゃまぜ」という意味で、今日聴いたメロディーがいたるところに隠れているので、見つけながら聴いてねと会場に呼び掛けました。 最後に、下総皖一作曲〈たなばたさま〉を子どもたちと一緒に歌い、間奏では今日のテーマを復習して、最後は楽器も入って全員で演奏して終演しました。

 今年のアウトリーチ履修生は全員が熱い想いを持っていて、「音楽を通して人と人をつなぐ架け橋になりたい」という想いから「音にねがいをのせて」という副題にしましたが、それが実現できたと感じています。 終演後には恒例の楽器体験コーナーを実施し、ヴァイオリン、フルート、ピアノ、トーンチャイム、ウィンドチャイムのそれぞれに長い行列ができる人気でした。

(木華奈・記)


2016年9月24日
第7回 音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ

 9月24日(土)9時30分から16時まで、第7回「音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ」を本学音楽館ホールで開催しました。参加は学生12名、卒業生2名、学外者2名、子ども29名(小学一年生12名、二年生8名、三年生7名、四年生2名)の計45名でした。

これは英国ギルドホール音楽院で培われて来たクリエイティブ・ミュージックの優れたプログラムに学ぶ形で2007年にスタートしたもので、今回が7回目です。 同校リーダーシップ修士課程を修了後、世界で活躍する音楽家2名(アメリカ人のチェロ奏者ナターシャ・ジエラジンスキとイギリス人のフルート奏者デッタ・ダンフォード)を日本に招聘し、本学卒業生で同課程修了の東瑛子もリーダーとして参加して、9月20日から5日間、学生対象の「音楽作りワークショップ特別研修」を行い、その仕上げとして最終日に近隣の子どもたちの参加を得て実施したものです。

この研修は「三大学(本学音楽学部、東京音楽大学、昭和音楽大学)連携」に発するプロジェクトの一環で、誰もが持っているクリエイティブな力を引き出し、共に音楽を生み出していくために必要な視点と方法を学んで実践力を身につけることを目的としています。 今年のワークショップ研修は葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」を素材として、各グループがそれぞれ1枚の浮世絵からお話や情景や音を思い浮かべて旋律やリズムを構想し、組み立てていくという方法で進められました。

当日はアイスブレイクも学生たちに任されて、自分たちで考案したワークをリードして充実感を味わうことができました。次に、4グループに分かれて、各々浮世絵に基づいた歌や曲を考案しました。それらを互いに披露し合った後、4つを組み合わせて30分ほどの曲にまとめて、お迎えの保護者の前で披露しました。 保護者アンケートでは「初めて発表会を拝見して、レベルの高さに驚きました。先生方や学生たちの指導のお蔭で、1日で音楽づくりが子どもたちもできるなんてすばらしいと思いました。 子どもには生まれもって、 音で自由に表現する力があると教えられました」といった声が寄せられました。

当日は、外国人講師と日本人参加者とを結ぶべく、大学院文学研究科通訳コースの院生が逐次通訳でサポートしてくれたことを記して感謝します。

(津上智実・記)


2016年12月10日
子どものためのクリスマス・コンサート〜音楽からの贈り物〜

 「子どものためのクリスマス・コンサート〜音楽からの贈り物〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第45回)を12月10日(土)に講堂で開催しました(11時と15時半の2回公演、各60分、来場者計782名)。

 出演は「音楽によるアウトリーチ」1期生の内藤雪子(ピアノ)を中心に、北野真理子(ピアノ)、田中奈津紀(ピアノ、 同2期生)、清水裕子(声楽)、米澤明日香(声楽)の本学卒業生5名と、土井美佳(ヴァイオリン、大阪音楽大学卒業生)の計6名です。 今年のクリスマス・コンサートには3つの卒業生グループから応募があり、その中から最終的に選ばれての出演です。

  「音楽からの贈り物」と題されたコンサートは、チェレスタ独奏による〈きよしこのよる〉で静かに開幕し、まずはピアノ連弾でオッフェンバック《天国と地獄》序曲を鮮やかに演奏しました。ドイツ語のソプラノ独唱によるリスト〈愛の歌〉を挟んで、再びピアノ連弾でブラームス〈ハンガリー舞曲〉第五番を表情豊かに披露します。 ここでピアノ・クイズのコーナーとなり、「金ぴかピアノ」「キリン型ピアノ」「机型ピアノ」といろんな形のピアノがあることが画像も活用して紹介されました。 続いて、コンプトン作曲の愉快な〈チョップスティック変奏曲〉を豪快に、また軽快に奏でて満場の拍手喝采を博します。

  すると、ヴァイオリンが会場後方から登場してモンティの〈チャールダッシュ〉で客席を惹きつけます。ヴァイオリンが登場したところで、ヴァイオリンの弓は何の動物でできているかというクイズも行われました。 次は「みんなで歌いましょう」のコーナーで、マークス作曲〈赤鼻のトナカイ〉を会場の子どもたちと一緒に歌いました。 改めて演奏に戻って、アンダーソン〈タイプライター〉をみごとなピアノ連弾で披露して、子どもたちは釘付けです。 ここからはクリスマスにふさわしい曲の数々という構成で、讃美歌の〈アメイジング・グレイス〉に続いて、ロッシーニ作曲の〈猫の二重唱〉では、2匹の猫がクリスマス・プレゼントの大小で張り合った挙句に仲直りするという演出で笑いを誘いました。 アンダーソンの〈そりすべり〉がピアノ連弾で鞭も入ってきびきびと奏された後、クリスマスのお話をピアノ演奏と影絵入りで朗読して、女学院らしいコンサートとなりました。

  再び演奏に戻って、ソプラノ二重唱とヴァイオリンとピアノで〈オー・ホーリー・ナイト〉をしっとりと聞かせた後、次々に演奏者が加わって、最後は出演者全員で《クリスマス・パーティー・メドレー》を演奏するという流れで盛り上がります。メドレーでは、〈サンタが街にやって来る〉〈赤鼻のトナカイ〉〈諸人こぞりて〉〈ひいらぎかざろう〉〈もみの木〉〈ジングル・ベル〉〈ママがサンタにキッスした〉〈ウィ・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス〉の8曲が、チェレスタを交えて出演者全員のアンサンブルで次々と披露され、会場の子どもたちも手拍子で参加してコンサートを締め括りました。

 卒業後も弛みなく修練を積み重ねてきた成果が存分に発揮された聞き応えのあるコンサートでした。 終演後には恒例の楽器体験コーナーに長蛇の列ができて、子どもたちはヴァイオリンやオルガン、ピアノやトーンチャイム、そして歌に挑戦していました。 会場アンケートではお客様から「インパクトのある曲やゆったりした曲など緩急があり、大人も子どもも飽きることなくずっと楽しく過ごすことができた」「四歳の子どもが一時間集中して楽しめる内容だった」「演奏者の技術の高さと笑顔に魅了された」「連弾がすばらしかった」「出演者の皆さんが楽しそうで、こちらまで幸せな気分になった」という声が多数寄せられました。また、「案内係の人たちの対応もよかった」「学生さんたちが親切に対応してくれて感謝です。皆さんの将来が楽しみ」といったうれしい声もあったことを書き添えます。

(津上智実・記)


2017年2月25日
子どものためのスペシャル・コンサート〜室内オーケストラで聴く動物と音楽〜

「子どものためのスペシャル・コンサート〜室内オーケストラで聴く動物と音楽〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第46回)を2月25日(土)、本学講堂で開催しました(14時開演、来場者数・子ども250名、大人266名、計516名)。

 これは、2002年にスタートした「子どものためのコンサート・シリーズ」が開設15周年を迎えたのを記念して行われた「15周年記念特別コンサート」で、本シリーズ初の室内オーケストラの出演によって、サン=サーンスの組曲《動物の謝肉祭》を中心とするプログラムを謝肉祭の期間中(今年は2月23日から28日まで)に演奏するという形で企画したものです。

 このコンサートのために編成された「15周年記念スペシャル室内オーケストラ」は、本学音楽学部の教員(辻井淳)と非常勤講師(菊本恭子、蔭山晶子、小西朋子、大浦春菜)から卒業生(土井麻莉、西脇恭子)、院生(田中佑奈、岩井香那、樋口成香、山田りさ)、学部生(薮内弥侑、橋本詩織、金丸史奈、池上夏帆、前田紗希)、さらには他学部生(藤井さくら)に及ぶ多彩な顔ぶれの奏者17人によるもので、指揮はザビエル・ラック専任講師です。これに、司会とアクティビティ担当として「アンサンブルくれよん」の院生4名(樋口成香、田中佑奈、丹野桃子、和田悠加)が加わりました(敬称略、詳細は別表の出演者一覧を参照)。

 コンサートのオープニングは、ジョルジュ・ビゼー作曲のオペラ《カルメン》から間奏曲です。弦楽5部とピッコロ、フルート、コール・アングレ、クラリネット、ファゴット、ピアノの編成(ザビエル・ラック編曲)で演奏しました。

 司会の2名(丹野桃子、和田悠加)が登場して演奏会の趣旨を簡潔に述べた後、演奏楽器の紹介を行いました。楽器名を呼ばれた奏者が次々に立ち上がって楽器を高く掲げ、最後に指揮者が紹介されると会場から笑いとどよめきが起こりました。

 謝肉祭がどんな行事かを分かりやすく説明してから、組曲《動物の謝肉祭》を楽しく聴くためのヒントとして、いろいろな曲のメロディーが隠れていることを、実演を交えて説明しました。まず、(1)オッフェンバックのオペレッタ《天国と地獄》序曲を、普通の速いテンポとゆっくりの(組曲中の〈亀〉の)テンポの2種類で聴き比べ、次に、(2)メンデルスゾーンのオペラ《真夏の夜の夢》のスケルツォを、まずはオリジナルのフルート、続いて(組曲中の〈象〉の)コントラバスの演奏で聴き比べ、最後に、(3)サン=サーンスの《死の舞踏》とフランス民謡〈キラキラ星〉の2つを演奏して、この二つが同じ曲の中で出てくることを伝えました。

その上で、「動物たちをどんな音で、どんなリズムや動きで表現しているのか、考えながら聴いてみましょう」と呼び掛けて演奏に移りました。  前半のメイン曲はカミーユ・サン=サーンス作曲の組曲《動物の謝肉祭》で、これをナレーションと折紙の映像つきで上演しました。折紙制作は、立石浩一氏(本学文学部英文学科教授、日本折紙学会評議員)です。

〈序奏と百獣の王ライオン〉から〈おんどりとめんどり〉〈ロバ〉〈かめ〉〈ぞう〉〈カンガルー〉〈水族館〉〈耳の長い登場人物〉と進み、〈森の奥のカッコウ〉ではクラリネットが客席に下りて通路を歩きながら演奏しました。フルートの活躍する〈鳥のかご〉に続いて、〈ピアニスト〉ではピアノの二人(大浦春菜、西脇恭子)の下手振りに指揮者がずっこけるほど。硬質の〈化石〉、優雅な〈白鳥〉に続いて、華やかな〈終曲〉を迎えました。

 15分間の休憩を挟んで、後半はセルゲイ・プロコフィエフ作曲の組曲《ピーターと狼》をヘルムート・シュミディンガー編曲版で演奏しました。楽器編成は《動物の謝肉祭》と同じで(ピアノは1台、演奏は金丸史奈)、こちらもナレーションと折紙の映像つきです。

 最後は「みんなで歌いましょう」のコーナーで、ドイツ民謡《山の音楽家》(水田詩仙訳詞、ザビエル・ラック編曲)を会場の皆さんと一緒に歌いました。その後、首からメダルを下げた会場の子どもたちが舞台に上がって、出演者1人1人に花束を渡して終演となりました。  終演後は恒例の楽器体験のコーナーです。舞台上ではコンサート・グランド・ピアノとシロフォン、舞台下ではヴァイオリン、総務部前でチェロ、ソール・チャペルでフルートと分かれて子どもたちが行列を作り、順番が来ると学生のサポートを受けながら嬉しそうに音出しに取り組んでいました。

 会場アンケートでは、「動物の雰囲気が曲に出ていて楽しかった」「いろんな楽器の音色が動物の声や様子に聴こえておもしろかった」「折紙とのコラボがよかった」「いろいろな動物が登場し、それを折紙でも表現してあったので目からも楽しめた」「子ども向けによく工夫されている企画」といった声が寄せられました。  今回は15周年記念ということで、事前に『「子どものためのコンサート・シリーズ」開設15周年記念「子どものためのコンサート」リーフレット集』を編纂・印刷して、当日会場で来場者に配布しました(少し残部がありますので、希望の方はアウトリーチ・センターまでお知らせ下さい)。

 なお、当日はベイ・コミュニケーションズの取材が入り、「ベイコム地元ニュース」で3月4日から6日までの3日間に11回の放映(放映エリアは西宮市、伊丹市、尼崎市、宝塚市、川西市、および神戸市北区の1部)が行われたことを付記します。

(津上智実・記)


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