KCSES / 神戸女学院大学英語英文学会

  1. トップページ
  2. 神戸女学院大学英語英文学会

神戸女学院大学英文学会(Kobe College Society of English Studies)は本学英文学科卒業生および大学院英文学専攻修了生の学術研究とさらなる発展に向けて、年次大会を年1回開催して、卒業生で若き研究者による研究発表(英米文学と英語学)をしていただき、同時に、日本を代表する研究者を外部よりお迎えして特別講演をしていただき(たとえば、2007年度は平田オリザ氏、2011年度は金水敏氏に来ていただき)在学生の向学心をさらに推進することをめざしています。また、年1回発行のニューズレターを通じて、会員の活動、英文学科の現状などを会員のみなさまにお伝えしています。

2017年度(11月24日)

第42回神戸女学院大学英語英文学会(KCSES)大会報告

英文学科長 溝口 薫

今年度も例年同様11月の最終金曜日に英文学科主催の第42回英語英文学会(KCSES)を開催した。本学会は、英文学科卒業生、大学院生、大学院修了生の研究発表の場として約40年前、本学科に大学院修士課程が設けられた折にほぼ同時に設立されたが、以来変わらず在学生も会員としており、学部学生が授業以外に学問的関心を自主的に発展させることができる大切な機会となっている。今年度の学会準備担当は、言語・コミュニケーションコースで、大会の目玉である特別講演には、大阪大学大学院、言語文化研究科言語文化専攻准教授の越智正男先生をお迎えし、『日本語の「移動」現象に見る文法の不思議』という題目の大変興味深いお話を伺った。

「が」、「を」、「の」という格助詞の使い方は一見曖昧であるが、母語話者は直感的に使い分けている。越智先生は、その直感的使い分けについて、いくつかの例文の妥当性を参加者にどう思うかを尋ねられながら、格助詞の奇妙なふるまいの背後にある一定の言語規則性について明らかにされ、そののち、それを生成文法理論による仮設ルールを用いて一括して説明できること、またそのルールが、日本語という言語に限らず英語にも適用できる、普遍的なものであることを示された。身近な事例を用いつつ、生成文法理論の可能性について、言語学を専門としない参加者にもわかり易くご紹介下さり、一同、言語学の貴重な知見のみならず、その学問特有の面白さに触れることができた幸福な時間を過ごした。

学会前半部には、本学大学院研究科において研鑽を積みそれぞれ2016年度に博士号を取得した2名の意欲的な研究発表を聴いた。発表者とタイトルは以下のとおりである。佐藤エリ氏、「想像の世界から現実へ ― G.H. Lewesの議論を通して Adam Bedeを読む」ならびに、高雅妃氏、“The Study of the Relationship between the Psychological Distance and Deixis in Japanese and Korean”。一人は19世紀イギリス作家論、そしてもう一人は日韓言語比較と、分野が異なる研究を聴くことができるのも英米文化文学コース、そして言語コミュニケーションコースなどのある本学科の学会ならでは、である。在学生の皆さんには、ぜひ4年間のキャンパスでの学びの方向、あるいは、大学卒業後の進路について考える機会として、さらなる積極的な参加をお勧めしたい。