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2011年度コンサート記録

2011年12月10日
子どものためのクリスマス・コンサート〜モーツァルトとクリスマス☆〜

<クリスマス>12月10日(土)本学講堂にて、「子どものためのクリスマス・コンサート〜モーツァルトとクリスマス☆〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第33回)を行いました(第1部11時、第2部15時半開演、来場者数計794名)。

演奏は「アンサンブルちょうちょ」の4名(声楽・谷田奈央、フルート・今井さつき、ピアノ・白坂亜紀、西村遥子)です。私たち「アンサンブルちょうちょ」は、在学中に履修した「音楽によるアウトリーチ」の授業で意気投合し、2007年に本学卒業後、グループを結成しました。これまでに保育園、幼稚園、小学校や病院、施設、プラネタリウムなどでコンサートを開催し、ファミリー向けのコンサートにも力を入れています。

今回のコンサートでは、1人の作曲家に的を絞り、その作曲家から生まれた音楽をクリスマスの曲とともに演奏することで、より身近にクラシックを感じてもらいたいと考え、モーツァルトをテーマに選びました。

コンサートは、トーン・チャイムの音色で開演します。1曲目はモーツァルトの歌劇《フィガロの結婚》より〈序曲〉。この有名な曲を歌のスキャットとフルート、2台のピアノで演奏して幕を開けました。

当日は、小さな子どもたちにも分かりやすいように、映像を使って進めました。モーツァルトに興味をもってもらえるよう、「次の曲はモーツァルトが何歳の時に作ったでしょうか?」といった質問や、楽器にまつわるクイズも随所に交えました。常にお客様の反応を意識しながら進めることで、講堂という広い場でも、観客との距離を縮めるように心がけました。

続いて、同じく《フィガロの結婚》からのアリア〈恋とはどんなものかしら〉、クリスマス曲の〈そりすべり〉〈ジングル・ベル〉と進み、歌劇《魔笛》より〈魔法のすず〉を演奏しました。この曲ではチェレスタと水笛も取り入れました。耳新しい音に子どもたちは興味津々です。この曲の有名なフレーズを、歌い方講座を交えつつ、会場のみんなで歌いました。歌って子どもたちの集中力が高まったところで、2台ピアノによる〈アイネ・クライネ・ナハトムジーク〉、声楽とフルートから始まる〈もみの木〉を演奏。

次はフルートによる〈きらきら星変奏曲〉ですが、演奏の前に、〈きらきら星〉を歌いながら音程をハンド・ジェスチャーで示すアクティビティを子どもたちとしました。シンプルな作業ですが、会場のみんながしっかりと表現してくれたので、その後の変奏曲の変化をよりよく感じることができたと思います。

その後、〈トルコ行進曲〉へと続きます。誰もが聞いたことのあるこのメロディー。今回は、左手の伴奏が刻むリズムに注目しました。このリズムに言葉をあてはめ、手拍子などを交えたアクティビティを行いました。小学生以上の第2部では、異なるリズム・パターンも取り入れて、難度をあげました。コロコロと入れ替わるリズム、どんどん速くなるスピードに、会場は大歓声でした。

次に一転して、モーツァルトの祈りの曲〈アヴェ・ヴェルム・コルプス〉をオルガンの伴奏で演奏し、厳かな雰囲気を感じてもらいました。最後は、みんなの大好きなクリスマス曲をメドレーで一緒に歌って幕を閉じました。

終演後は、お客様のうれしそうな顔や声を見聞きすることができて、改めてここでコンサートができたことに対して、感謝の気持ちで一杯になりました。何より、素晴らしいスタッフの皆さんのお蔭で演奏に集中できましたし、津上先生をはじめ先輩方のアドバイスが大きな助けとなりました。卒業後、人からアドバイスを頂けることの有り難みをひしひしと実感している中、このような機会を与えてくださったことに感謝します。この経験を糧に、これからも「アンサンブルちょうちょ」の音楽をさまざまなところに届けていきたいと思います。本当にありがとうございました。

(西村遥子・記)

2011年7月2日
子どものための七夕コンサート〜願いを音にこめて〜

<七夕>7月2日(土)、本学講堂にて「子どものための七夕コンサート〜願いを音にこめて〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第31回)を開催しました(第1部11時、第2部15時開演。来場者、計729名)。

「音楽によるアウトリーチ」履修生8名に加え、同級生の賛助出演4名の計12名が出演。東日本大震災への思いと、身近な楽器であるピアノの可能性を知ってもらいたいという思いを込めてプログラムを構成しました(声楽・藤野まり藻、井上美和、高井菜摘、ピアノ・黒川彩香、松本未来、佐藤彩子、下麻里子、ピアノ/オルガン・井上朝葵、ヴァイオリン・竹田早希、フルート・佐野里穂、お話・奥野いとし、高井菜摘)。

最初に、出演者6名がトーンチャイムを鳴らしながら客席後方から登場して開演を告げます。幕の前で、フィンランドに伝わる七夕の神話を紹介し、それが終わると共に幕が開いて、ホルスト作曲の組曲《惑星》より〈木星〉をピアノ連弾で演奏。幕が開き始めるのと同時に演奏が始まったので、会場の子どもたちも一体何が始まるんだろうと興味を示してくれました。

ピアノは「楽器の王様」とも呼ばれ、いろいろな可能性を持っていることを司会者が紹介して、プッチーニ作曲のオペラ《ラ・ボエーム》よりミミのアリア〈私の名前はミミ〉とムゼッタのアリア〈私が町を歩くとき〉を演奏しました。オペラの伴奏は本来オーケストラが担いますが、ピアノはたった一人で、何十人ものオーケストラの代わりができることを伝えました。

次に、今年が生誕200年のピアノの名手フランツ・リストを紹介し、《巡礼の年報 第2年イタリア》より〈ペトラルカのソネット104番〉を演奏しました。ピアノは、歌い手がいなくても、一人で歌える楽器であることが分かってもらえたらと思います。

続いて、子どもたちを巻き込んでのアクティビティのコーナーです。司会もアクティビティ担当にバトンタッチします。出演者4人も客席に下りて、子どもたちの中に入ります。リスト作曲〈ハンガリー狂詩曲第2番〉を題材に、ポーランドの踊りフリスカに特徴的なシンコペーションのリズムを、ボディー・パーカッションで刻んでいきます。「マンゴー、ウン、バナナ、マンゴー、ウン、バナナ、タタタタタタタタタタタタタタタタ」という言葉もつけました。「ウン」のところがシンコペーションです。こうして特徴的なリズムを体感したところで〈ハンガリー狂詩曲第2番〉の演奏に入ります。少し長い曲でしたが、子どもたちも自分たちの動いたリズムを探しながら聴いてくれていた様子でした。

ここで一転して、3月におこった東日本大震災への祈りと想いを込めて、フォーレ作曲《レクイエム》より〈ピエ・イエズ〉、バッハ作曲〈G線上のアリア〉を2曲続けて演奏しました。〈ピエ・イエズ〉はソプラノ独唱とオルガン伴奏での演奏です。子どもたちに生で聞く機会の少ないオルガンの響きを味わってもらえたことと思います。

次に、会場のお客様と一緒に下総皖一作曲〈たなばたさま〉と中村八大作曲〈上を向いて歩こう〉を歌いました。ミュージック・クリエイション専攻の学生に依頼して編曲してもらい、〈上を向いて歩こう〉はヴァイオリンとフルートも加わる編成で演奏しました。フィナーレは、スコットランド民謡の〈アメイジング・グレイス〉。曲の後半では出演者全員が舞台に上がり、一同〈アメイジング・グレイス〉を心を込めて歌いました。

私たちの学年にとって初めてのアウトリーチ活動でしたので、不安で一杯でしたが、最後まで熱心に指導して下さった津上智実先生を始め、ティーチング・アシスタント(院生)の東瑛子先輩、舞台袖や照明等のスタッフたち、そしてアウトリーチ・センターのスタッフの方々のお蔭で無事に終えることができました。改善すべき点、反省すべき点は多々残りましたが、終演後、講堂出口でお見送りをした時のお客様の楽しそうな笑顔は忘れられないものとなりました。直接私たちに「素敵でした」と言葉をかけて下さったり、「一緒に写真を撮ってほしい」と照れながら言いに来てくれたりした子もありました。

(井上朝葵、高井菜摘・記)

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