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2012年度コンサート記録

2012年12月15日
子どものためのクリスマス・コンサート 〜いろんな声をかさねてみよう!〜

12クリスマス12月15日(土)、本学講堂において「子どものためのクリスマス・コンサート〜いろんな声をかさねてみよう!〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第35回)を行いました(第1部11時、第2部15時半開演、各60分、来場者計688名)。

出演は「音楽によるアウトリーチ」既習生を含む7名(ピアノ・有澤弥生、金沢彩子、佐々木茉悠、声楽・南香代子、フルート・中嶋みのり、ヴァイオリン・賛助出演・東瑛子、チェロ・賛助出演・藤原克匡)。いろいろな楽器の「声」とそれらのアンサンブルを聞いて頂くと共に、会場の皆さんの声と私たちの演奏とを重ねて一体感を味わってもらうことをめざしました。

コンサートの始まりは、柔らかなトーン・チャイムの響き。音の重なりが感じられるよう、順に鳴らした後、和音として響かせました。第1曲はチャイコフスキー作曲《くるみ割り人形》より〈花のワルツ〉。ヴァイオリン、チェロ、ピアノという弦をならす楽器のグループとして演奏しました。

続いて、会場の後方からフルートが登場。「音の出る仕組みが全く違うフルートを加えて一緒に歌うとどうなるでしょうか?」と会場に問いかけた上で、J.S.バッハ作曲《管弦楽組曲 第二番》より〈バディネリ〉をヴァイオリン、チェロ、ピアノとフルートで演奏しました。

次は、いろいろな楽器が同じメロディーを奏でるトゥッティの例として、マスカーニのオペラ《カヴァレリア・ルスティカーナ》の間奏曲を、まずはヴァイオリン、チェロ、フルート、オルガン、ピアノで同じ旋律を一部演奏した上で、それに歌声をのせた〈アヴェ・マリア〉として出演者全員で演奏しました。

コンサートも中盤に入り、ここで聴衆参加のコーナーです。「声も楽器、体も楽器」と考えて、会場全体でアンサンブルをします。まずは会場を二つに分けて、歌とボディー・パーカッションを交互に行い、最後は会場全員で同じポーズを取れるようにしました。〈ジングル・ベル〉の演奏に合わせて、みんなで歌ってリズムを打って、会場が一つになりました。

次に楽器の王様と呼ばれるピアノのデュオ(2台ピアノ)で、リスト編曲によるベートーヴェン〈交響曲第9番 第4楽章〉を演奏。ピアノの誕生と発展をお話しした後、チェンバロ演奏によるJ.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集 第1巻》より〈前奏曲 第1番 ハ長調〉に続いて、ピアノ伴奏でグノー作曲〈アヴェ・マリア〉を歌い上げました。

ここで会場を4つのグループに分けて、〈かえるの歌〉を輪唱しました。1つの旋律を複数の声部が追いかけっこして歌うのがカノンであると説明して、実際に歌うことで体感してもらいました。その上で、パッヘルベル作曲〈3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノン 二長調 第1曲〉をヴァイオリン、チェロ、フルート、チェンバロで演奏しました。

コンサートの最後は、金沢彩子編曲による〈クリスマス・メドレー〉を出演者全員で演奏。〈きよしこの夜〉〈おめでとうクリスマス〉〈そりすべり〉〈赤鼻のトナカイ〉〈ジングル・ベル〉をメドレーで奏で、その中で演奏を聞いてもらう曲と、会場のお客様が一緒に歌うシーンとを作りました。最後に出演メンバーを紹介して、客席から暖かい拍手を頂きました。

コンサート終了後、恒例の楽器体験コーナーを設け、パイプ・オルガン、ピアノ、ヴァイオリン、フルート、パーカッション(トーン・チャイムとウィンド・チャイム)の体験コーナーを実施しました。お客様からうれしいお声掛けも頂きました。これも、津上智実先生、澤内崇先生による丁寧なご指導、アウトリーチ・センターのスタッフの皆様や、当日コンサートを一緒に作り上げてくれた学生スタッフの皆様のお力添えのお蔭と、出演者一同、感謝しています。

(南香代子・記)

2012年10月20日
第3回「音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ」

12ワークショップ10月20日(土)10時から16時まで、第3回「音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ」を音楽館ホールで開催し、音楽学部生27名(1年生6名、2年生6名、3年生11名、4年生4名)と近隣の子どもたち(小学校3年生から6年生まで)39名が一緒に音楽作りに取り組みました。

この催しは、東京音楽大学、昭和音楽大学との三大学連携の一環として、10月16日からの5日間、本学で「音楽作りワークショップ研修」を実施し、その最終日に学生の学びの仕上げとして組んだものです。指導役には、英国ギルドホール音楽院リーダーシップ修士の3名(チェロ奏者の英国人タラ・フランクスと打楽器奏者のガーナ人イシュマエル・アフラ・サッキーが来日し、ヴァイオリン奏者でアウトリーチ要員の東瑛子と協力)が当たりました。

当日はアイスブレーキング等の全体ワークの後、打楽器、歌、管楽器、弦楽器を中心とする四グループに分かれて、英語の「風の歌 」(No one can guess, nobody knows, where the wind comes from, where the wind goes)を主要素材に、学生と子どもたちがアイディアを出し合って音楽作りをしました。それを互いに聴き合った後、講師のリードで様々に組み合わせて展開していきました。最後に保護者を客席に迎えて、今日の成果を披露し、アフラの指導でブギ・ダンスを会場一杯に繰り広げると、盛んな拍手が起こりました。

ここで、リアル・タイム・ヴィデオによるリフレクションが神戸芸術工科大学の曽和具之准教授によって行なわれました。朝からの活動を撮影して6分ほどのフィルムにまとめたもので、上映後、会場から大きな歓声が沸き起こりました。

その後、グループ・ディスカッションによる学生の振り返りを行ない、子どもの自由な発想に対する驚きや、皆で音楽を作り上げる楽しさについての新鮮な印象等が表明されました。参加者全員の意見をバランスよく取り入れるにはどうしたらよいかといった、今後の課題に繋がる質問も多数出て、充実した時間となりました。

津上智実(アウトリーチ・センター長)

2012年7月7日
子どものための七夕コンサート 〜音で心をつなげよう〜

12七夕「子どものためのコンサート・シリーズ」第34回「子どものための七夕コンサート 〜音で心をつなげよう〜」を7月7日(土)、本学講堂で開催しました(第1部 11時開演、第二部 15時半開演、来場者数・第1部 443名/第二部 198名、計641名)。

出演者は「音楽によるアウトリーチ(実習)」履修の4回生11名(ピアノ・熊谷瑞季、大谷梨恵、祐成麻奈未、声楽・初田朋美、松田彩起子、米澤典子、大谷梨恵、フルート・濱悠理子、チェロ・湯浅亜佑美、トロンボーン・藤井美波、鶴房采花、ミュージッククリエーション・吉田梨絵、トランペット・祐成麻奈未)。

今回の七夕コンサートでは、織姫様と彦星様をイメージして、デュオでの演奏を中心にプログラムを考えました。一緒に演奏する人と、心を一つにして音楽を作ることの楽しさやすばらしさがお客様にも伝わればと願って、「音で心をつなげよう」をテーマとし、ソロでの演奏は行わずに、2人、3人、または全員での演奏という編成で全プログラムを組みました。

オープニングは全員演奏による宮川彬良作曲、吉田梨絵編曲〈ゆうがたクインテット〉。たくさんの楽器(トロンボーン三本、トランペット、フルート、チェロ、ピアノ)と元気いっぱいの歌(4名)による華やかな幕開けです。次は、ゆったりとした二曲です。メンデルスゾーン作曲、シュテックメスト編曲〈「歌の翼に」による幻想曲〉をフルートとピアノで、サン・サーンスの組曲《動物の謝肉祭》より〈白鳥〉をチェロとピアノで演奏。それぞれの楽器について特徴や奏法を紹介したり、〈白鳥〉の曲目紹介で星座の話しをする際、舞台左上方の壁にプロジェクターで白鳥座の画像を映し出したり、子どもたちの興味を引く工夫をしました。

ここで、がらっと雰囲気を変えてピアノ連弾によるブラームス〈ハンガリー舞曲 第五番〉。音の強弱や緩急の変化をたっぷりとつけて、「織姫様と彦星様のように仲が良くて息ぴったり」の演奏をお届けしました。次は、これまでに出て来た3つの楽器、フルートとチェロとピアノによるトリオで、ジャン・バティスト・フォーレ作曲、岩船雅一編曲〈棕櫚の枝(枝の主日のアンセム)〉。管楽器・弦楽器・鍵盤楽器という楽器の違いを分かりやすく説明した上で、「3つの全然違う楽器ですが、一緒に演奏すると相性はばっちりで、厚みのある音楽になります」と聞き所を子どもたちに伝えます。演奏者も息の合ったアンサンブルをめざして、暗譜で演奏しました。

続いては、ロッシーニ作曲〈猫の愉快な二重唱〉。猫耳を付けた2人が、1人は舞台上、1人は客席の後方から登場して、2匹の猫ちゃんがお互いを探しているというお話し仕立ての解釈で演奏。客席の間を通ってお客様の近くで歌うことで、子どもたちも迫力を感じてくれたことと思います。猫ちゃんたちも無事に会うことが出来て、ハッピーエンド。

ここで、「子どものためのコンサート・シリーズ」が第34回を迎え、来場者数2万人を達成したことを発表。記念すべき2万人目のお友達には花束、前後10名のお友達には本校音楽学部オリジナル・グッズのボトルとメモ帳をプレゼントしました。さらに、コンサートに来てくれた子どもたち全員に、記念として学生がデザインしたオリジナル・シールをプレゼントするとアナウンス。

一方、第2部ではこの部分でワークショップの作品発表を行いました。これは今回が初めての試みで、「10名程度」の募集に対して5倍以上の応募を頂いたので、止むなく抽選で参加するお友達を決めたとお話して、外れた子どもたちへの心遣いとしました。第2部が始まる前に、子ども13人と学生4人が集まって作った作品は「天の川の七夕」。たなばたさまの旋律のモチーフ(ドファソラ)をトーン・チャイムで鳴らしたり、トライ・アングルを使ったり、声や体を使った振り付けを考えて表現したり、様々な発想を織り込んだ作品となりました。ジャンベを拳骨で力一杯叩いて痛そうにしている低学年の男の子や、トーン・チャイムを鳴らすタイミングを真剣な顔で量っている女の子など、皆一生懸命に演奏してくれました。

続いて、第1部・第2部ともに、会場全体でアクティビティを行いました。まず会場を(椅子の手摺に貼ったテープの色別に)春夏秋冬の4つのチームに分けて、ピンク、緑、黄色、青のドレスを着た出演者が各グループをリーダーとして率います。グループ毎に季節にちなんだ言葉や、その言葉から思い浮かぶ擬音語などを子どもたちから募り、それをグループ・リーダーが八小節のリズムにまとめます。例えば、夏なら「せ〜みミンミン せみミンミンッ♪」といった具合です。最後に春夏秋冬と繋げて、全員で一つの作品とすることで、会場に一体感が生まれました。子どもたちはもちろん、大人も一緒になって楽しんで参加してくれたのが印象的でした。

会場全体が盛り上がった後は、プッチーニのオペラ《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ〉。本来は男の人が1人で歌うアリアですが、今回はトロンボーン・デュオの特別バージョン(編曲・山口景子)です。続いて、モーツァルトのオペラ《魔笛》より〈パパパの二重唱〉。これも特別に4人で歌い、パパゲーノ2人とパパゲーナ2人による楽しい愛の二重唱としました。

最後は、全員による演奏で下総皖一作曲〈たなばたさま〉。1番はピアノ伴奏、2番はトロンボーンやトランペット、フルートやチェロも入っての伴奏です(編曲・吉田梨絵)。会場の皆さんにも参加してもらって、一緒に大合唱。みんなで声を合わせて歌うことで、今回のテーマ「音で心をつなげよう」を実感してもらえたことと思います。

終演後には、ピアノ、トーン・チャイム、フルート、ウィンド・チャイムの体験コーナーにたくさんの子どもたちが並んで、次々と楽器に挑戦しました。今回はワークショップを組み入れたり、記念オリジナル・シールを作ったり、今までにない新しい試みもたくさんしました。出演者全員が舞台でのお話しを分け持ち、仕事や役割もみんなで分担して行うことで、よりよいものとすることができました。ご来場下さったたくさんのお客様をはじめ、支えてくれた学生スタッフの皆さん、アウトリーチ・センターの寺澤彩さん、三上昌子さん、藤野直さん、ワークショップを率いてくれた東瑛子さん、そして津上智実先生には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

(祐成麻奈未記)

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