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2013年度コンサート記録

2014年12月14日
子どものためのクリスマス・コンサート〜聴いて歌って動いて感じよう♪〜

12七夕 12月14日(土)本学講堂において「子どものためのクリスマス・コンサート〜聴いて歌って動いて感じよう♪〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第38回)を行いました(第1部11時、第2部15時30分開演、来場計600名)。

出演は「アンサンブルたまてばこ」のメンバーの声楽・藤田理世、ピアノ・橋本美奈子、大澤侑子とヴァイオリンの井上佳那子(賛助出演)の4名。「アンサンブルたまてばこ」は、大学を卒業後、「音楽によるアウトリーチ」の履修生を中心に結成し、病院や高齢者施設・幼稚園・自治会・ホテルなどで演奏活動を行っているアンサンブル・グループです。

今回のコンサートでは、副題にある通り、音色やテンポなどから「音楽の表情」を体で感じとってもらうことを目的にプログラムを組みました。

開演を知らせるオルガン演奏(オルガン・追中宏美)の後、出演者4名が舞台下へ並んでトーン・チャイムで〈きよしこの夜〉を奏でて、いよいよ開幕です。まずはメンバーそれぞれの演奏です。曲目解説は挟まず、2台のピアノでチャイコフスキー《くるみ割り人形》より〈序曲〉、歌のソロでアルディーティ〈くちづけ〉、続いてヴァイオリンが客席後方からモンティ〈チャルダッシュ〉を演奏しながら登場しました。音楽を身近に感じてもらえるようお客様のすぐそばで演奏しました。

次にヴァイオリンの説明へと移ります。音の鳴らし方を始め、フラジオレットやピッチカートといった技法を実演つきで紹介します。分数ヴァイオリンを見せて、年齢や身長に合わせて使い分けること、1番小さなヴァイオリンでも一人前に音が鳴ることを対話形式で説明しました。ヴァイオリンと歌とピアノでラフマニノフ〈ヴォカリーズ〉を演奏した後、今度は「音楽の表現」の違いを体感しようと呼びかけて、会場参加のコーナーです。おなじみの〈ジングル・ベル〉を王様やネズミさんになったつもりで、堂々と歌ったり、大急ぎで歌ったりしました。続いてサン=サーンス《動物の謝肉祭》より〈象〉を2台ピアノ、〈白鳥〉をヴァイオリンで演奏し、チェレスタの楽器紹介をした上でチャイコフスキー《くるみ割り人形》より〈金平糖の踊り〉をピアノとチェレスタで演奏しました。

次に、ピアノという楽器はオーケストラと同じだけの広い音域を持っていると説明してからサン=サーンス〈死の舞踏〉を演奏し、2台ピアノの演奏の迫力を感じてもらいました。続いては、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートでおなじみのヨハン・シュトラウスU世〈ラデツキー行進曲〉です。緩急・強弱などのメリハリをつけて演奏し、会場の皆さんには手拍子で参加して頂きました。

演奏会も終盤に入り、クリスマスの意味を説明してから〈オー・ホーリー・ナイト〉と2台ピアノによる〈クリスマス・メドレー〉を演奏し、雰囲気を盛り上げます。最後に〈赤鼻のトナカイ〉と〈もろびとこぞりて〉を会場の皆さんと元気に歌って演奏会の幕を閉じました。

今回は出演者が4名で楽器の種類が少なかったため、演奏会の構成をどのようにするか随分悩みました。試行錯誤の末、辿り着いたプログラミングでしたが、お客様の会場アンケートからは、「音楽で何を描写するかという統一したテーマで選ばれていてよかった」「子どもから大人まで楽しめた」「1時間があっという間だった」といった声を頂いて、めざしたことが伝わった様子で嬉しく思っています。

コンサートの実現に当たっては、大勢の方のサポートがあったからこそとつくづく感じています。澤内崇先生には舞台上のスムーズな進行についてアドバイスを頂き、津上智実先生には演奏会全般に渡って学生時代さながら何度も助言を頂きました。アウトリーチ・センターのスタッフの皆さんには勤務時間以外にも迅速な対応を頂きました。前日のリハーサルから一緒に舞台を作り上げてくれた学生スタッフはもちろん、このコンサートに携わって下さったすべての方に出演者一同、感謝の気持ちでいっぱいです。

大学を卒業して早5年が過ぎようとしている今、このような機会に恵まれたことに感謝いたしますと共に、この貴重な経験を糧に「アンサンブルたまてばこ」として、これからもいろいろな方へ音楽を届けていきたいと思います。

(大澤侑子・記)


2013年11月23日
子どものためのオルガン・コンサート〜おはなしオルガン『ロバの王子』〜

12七夕 11月23日(土、祝)11時から本学講堂で「子どものためのオルガン・コンサート〜おはなしオルガン『ロバの王子』〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第37回)を開催しました(1時間、来場325名)。

出演は日本を代表するオルガニストの松居直美さん(聖徳大学音楽学部教授で、今年度から本学音楽学部非常勤講師として毎週東京から来校下さっています)。神戸女学院オルガニストの片桐聖子さんと西山聡子さんの助演を得て、講堂2階の大オルガン(3段鍵盤、35ストップ、パイプ2536本)でのソロはもちろん、舞台右脇の中オルガン(2段鍵盤、9ストップ、パイプ590本)や移動可能な小オルガン(ポジティフ・オルガン、1段鍵盤、3ストップ、パイプ147本)も舞台上手に登場して、大中小3台のオルガンを駆使した多彩なプログラムを展開しました。

「おはなしオルガン」は子どもたちに親しみやすいお話を、美しいイラストと名曲の数々で綴るコンサートで、今回はグリム童話の「ロバの王子」(あらすじ参照)をイラストレーターの大鹿智子さんの描いた幻想的な絵と共に進めました。舞台にスクリーンを下ろして、そこにイラストを映写し、3人のオルガニストがお話と演奏を分け合いながら進めます。演奏曲目については、あくまでバロック以降のオルガンの名曲で構成し、子ども向きに迎合することはしないという方針で松居直美さんに選曲して頂きました。その結果、次のようなプログラムとなりました。

まず大オルガン(西山、以下括弧内は敬称略)のヴィエルヌ作曲〈ウェストミンスターの鐘〉で開幕し、松居直美さんが舞台に登場してお話を語り始め、小オルガンでウィリアム・バード〈ロウランド〉より、続いて中オルガンでフローベルガー〈トッカータ・レヴァツィオーネ〉、魔法使いの呪いの場面では大オルガンでクレランボー《第2旋法の組曲》より〈グラン・ジュのカプリース〉を演奏しました。ロバの王子のさびしさを描くシーンでは、中オルガンでスヴェーリンク〈大公の舞踏会〉より、同〈いと高きところでは神にのみ栄光あれ〉より、J.S.バッハ《フーガ ト短調》BWVの3曲が奏でられました。

ロバの王子がさすらいの旅をする場面では、大オルガン(片桐)でフランク〈前奏曲とフーガ、変奏〉より前奏曲、中オルガン(松居)と小オルガン(西山)の二重奏でバッハ〈ソナタ ハ短調〉より第2楽章、同じく二重奏(片桐、西山) でバッハ〈主よ、人の望みの喜びよ〉を演奏しました。

ロバの王子が遠い国に着いてからは、大オルガン(松居)でクレランボー《第2旋法の組曲》より〈ナザールのレシ〉とクープラン《教区のためのミサ》より〈オフェトワール〉、ロバの王子の張り裂ける思いは小オルガン(松居)のスヴェーリンク〈パドウァーナ・ラクリメ(涙のパヴァーヌ)〉より、大オルガン(片桐)のバッハ〈主よ、我なんじを呼ぶ〉BWV639で表現されました。ロバの王子の呪いが解ける場面では、小オルガン(西山)のヘンデル《水上の音楽》第1組曲より〈エア〉、同第2組曲より〈ホルンパイプ〉を大オルガン(松居)と中オルガン(片桐)の二重奏で演奏し、最後の「めでたしめでたし」は大オルガン(松居)のバッハ〈ピエス・ドルグ〉BWV572で華やかに締め括りました。

終演後には、大オルガンの見学ツアーと中オルガンの楽器体験を実施し、子どもたちが行列して参加しました。

お客様アンケートでは、「お話と一緒で、楽しみながらオルガン曲に触れることができた」「絵本を読むだけでなく、すてきな音と共にお話を聴くのは子どもにも大人にも楽しい時間」「お話に合わせての選曲がすばらしく物語りのイメージがふくらんだ」といった声が寄せられました。また、「お世話してくださる学生さんたちも皆さん感じがよかった」という声もあり、学生たちが心を込めて対応していることが伝わっているのをうれしく思いました。

最後に、イラスト再使用にご協力下さったミューザ川崎シンフォニーホールに御礼申上げます。

(津上智実・記)


2013年11月16日
音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ

12七夕11月16日(土)9時30分から16時まで本学エミリー・ブラウン記念館地下のスタジオAで第4回「音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ」を開催しました。これは3大学(東京音楽大学、昭和音楽大学、本学音楽学部)連携による4日間の「音楽ワークショップ集中研修」(11月13〜16日)の最終日に、学生の学びの仕上げとして実施したものです。

指導には英国ロンドンのギルドホール音楽院でリーダシップ・コースのプログラム・リーダーを務めるシグルン・セヴァルスドッティル=グリフィス先生を招聘し、学生等36名と子ども18名の計五54人が参加しました。学生側の内訳は、本学学生29名(1年生4名、2年生10名、3年生9名、4年生4名)に加えて、東京音楽大学3名、昭和音楽大学1名、桐朋学園大学1名、上野学園大学短期大学部1名、洗足学園音楽大学1名、一般2名と、学外からも合わせて9名の参加がありました。

まずは全員で大きな輪を作ってアイス・ブレイクをした後、歌、管楽器、弦楽器、リズム楽器の4グループに分れて、それぞれの音楽作りに取り組みました。子どもの年齢が全体に低かったので(5歳児2名、6歳児2名、7歳児8名、8歳児1名、9歳児2名、10、11、12歳児各1名)、キーワードからイメージを引き出すのに苦労したグループもありました。事前に講師と学生たちで準備していた音楽が6拍子で大きな跳躍進行を含むものだったことも、苦労の一因となったようです。

お昼休みにはグループ毎にご飯を食べて散歩したり一緒に遊んだりしたことで、子どもたちもほぐれて、午後のハードな練習を乗り切ることができました。

最後に、1日かけて皆で作った音楽をお迎えの保護者の前で演奏して、温かな拍手をもらいました。学生と子どもたちで振り返りの話し合いをした後、神戸芸術工科大学の曽和具之先生作成のリアル・タイム・ヴィデオを映写しました。

学生からは「ふだんは書かれている音譜やコードを見て弾くことが多く、何もないところから皆で音楽を作っていくのはむずかしかったけれど、おもしろかった」、子どもからは「いろんなことを考えて工夫して、とても楽しかった。皆で合わせるところが特に楽しかった。また来たい」といった感想が寄せられました。

当日は、本学大学院通訳コースの中村昌宏先生と奥村キャサリン先生の指導の元、院生3名(藤島京子さん、住本真衣香さん、豊島知穂さん)が逐次通訳で子どもたちや学生と講師のグリフィス先生とを繋いでくれたことを記して感謝します。

(津上智実・記)

2013年7月6日
子どものための七夕コンサート 〜音で心をつなげよう〜

12七夕「子どものためのコンサート・シリーズ」第36回「子どものための七夕コンサート〜わたしらしっく くらしっく♪〜」を7月6日(土)、本学講堂で開催しました(第1部 11時開演、第2部 15時半開演、来場者数・第1部 450名/第2部215名、計665名)。

出演者は「音楽によるアウトリーチ(実習)」履修生と賛助出演者合わせて10名です(ピアノ・山本里紗、楠原結実、寺川優衣、声楽・山田絵梨香、フルート・廣P紀衣、山川美和、ハープ・田中茜、ホルン・増田明日香、ミュージッククリエィション・松尾璃奈、企画協力・益田多夏)。今回の七夕コンサートのテーマは「わたしらしっく くらしっく♪」。子どもたちに「私らしく、僕らしく」自由に発想してほしいという願いと、私たちが勉強しているクラシック音楽にもたくさん触れてほしいという思いを込めました。

開幕はアーレン作曲〈虹の彼方に〉。耳なじみのある曲をソプラノと4種の楽器で演奏し(松尾璃奈編曲)、暗譜したことで子どもたちとの距離をぐっと縮めることができました。

次は、モーツァルトの〈きらきら星変奏曲〉をフルート2本、ハープ、ホルン、ピアノで演奏(吉田梨絵編曲)。出演者各人の個性を活かした表情豊かな編曲でこの変奏曲を楽しんでもらいました。雰囲気を変えて、フルート、ホルン、ピアノの三重奏(市川佳代子編曲)でビゼーのオペラ《カルメン》より〈ハバネラ〉。曲を聴いてどんな色を想像したか、客席に降りて子どもたちにインタビューして、答えてくれた色の星を会場の壁に映写する工夫をしました。

次は、声楽曲を2曲。マスカーニ作曲〈アヴェ・マリア〉とモーツァルトのオペラ《後宮からの誘拐》より〈なんという幸せ、なんという喜び〉です。ゆったりとした1曲目はハープとフルートと、キビキビした2曲目はピアノと一緒に聴いてもらいました。演奏後、2曲の印象を子どもたちに尋ねると、曲想の違いや感じた色を教えてくれました。ここでも子どもたちのイメージした色の星を舞台上方の壁に映写しました。

続いてドビュッシーの〈喜びの島〉をピアノ独奏で聴いてもらいながら、思い浮かんだイメージを絵に描いてもらうアクティビティをしました。子どもたちの反応が心配でしたが、色鉛筆をすらすら動かす様子が見えて安心しました。できあがった絵を高く掲げて見せてもらったり、近くのお友達と見せ合いっこしたりした後、「1人1人感じ方が違っていて、それを大切にしてほしい」と伝えました。

ここからは、テーマにあるクラシック音楽にこだわり、私たちが試験やコンサートで弾く曲から、短くて集中できる曲を選んで演奏しました。まずプーランクの《フルート・ソナタ》より第3楽章。この曲の弾けるような躍動感に子どもたちが反応してくれている様子が印象的でした。続いてピアノ独奏でドビュッシーの《前奏曲集第2集》より〈花火〉。少し難しい曲でしたが、曲の終わりに現れるフランス国歌に注意を向けながら、真剣に聴いてくれました。

最後に、いずみたく作曲・松尾璃奈編曲の〈手のひらを太陽に〉、スペイン民謡〈幸せなら手をたたこう〉、下総v一作曲・戸田英里編曲の〈たなばたさま〉を全員で演奏し、会場の子どもたちも大きな声で歌ってくれました。そして拍手と笑顔の中、終演を迎えることができました。

終演後には、今日活躍した楽器(ハープ、フルート、ホルン、トーンチャイム、ウィンドチャイム)の体験コーナーを設け、たくさんの子どもたちが並んで挑戦してくれました。

今回は曲を聴いてどんな色やイメージを思い浮かべたのかをインタビューしたり、想像したものを絵に描いてもらったりするなど、初めての試みがあって、企画もむずかしかったのですが、できあがった子どもたちの絵のすばらしさを見て、演奏会の成功を実感することができました。

私たちが舞台で存分に演奏できたのは、お客様はもちろんのこと、支えて下さったアウトリーチ・センターのスタッフと学生スタッフの皆様、いろんな視点からアドバイスを下さったアウトリーチ要員の東瑛子さん、そして温かく私たちを見守り指導して下さった津上智実先生のおかげだと思います。本当にありがとうございました。


(増田明日香・記)

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