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2015年度コンサート記録

2015年12月12日
子どものためのクリスマス・コンサート〜音楽をイメージするってなあに?〜

  12月12日(土)、講堂において「子どものためのクリスマス・コンサート〜音楽をイメージするってなあに?〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第43回)を開催しました(11時と15時半の2回公演、来場者数は第1部540名、第2部213名の合計763名)。

  出演は大浦春菜(ピアノ)と西脇恭子(ピアノ)のピアノ・デュオを中心に、菊本恭子(ヴァイオリン)、土井茉莉(ヴィオラ)、黒田育世(チェロ)、蔭山晶子(クラリネット)、今中ゆり(お話)の7名で、卒業生と非常勤講師の皆さんです。

  このコンサートは、音楽から広がる豊かなイメージの世界を子どもたちに味わってほしいという願いでプログラムが構成されました。  オープニングはアンダーソン作曲の〈そりすべり〉。季節にぴったりの曲を、全員のアンサンブル(吉田梨絵編曲)で楽しく賑やかに演奏して開幕を飾りました。

  まずは楽器の紹介です。今日のコンサートに登場する楽器のそれぞれについて、音が出る仕組みや魅力について短く話をした後、ヴァイオリンはモンティの〈チャールダーシュ〉より、ヴィオラはシューベルトの〈アルペジオーネ・ソナタ〉イ短調、D.621の第1楽章より、チェロはショスタコーヴィチの〈チェロ・ソナタ〉作品40の第2楽章より、クラリネットはポーランド民謡の〈クラリネット・ポルカ〉を演奏して、実際の響きを聴いてもらいました。 次に、モーツァルトの〈キラキラ星変奏曲〉(吉田梨絵編曲)をヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、クラリネットとピアノで表情豊かに演奏して、同じメロディでもキラキラ輝いたりしょんぼりしたり、いろんな感じになることを分りやすく示しました。

  続いて、フランス民謡の〈キラキラ星〉を会場の子どもたちと一緒に歌いましたが、その際、数人の子どもたちを舞台に上げて、トライアングルや鈴で演奏に参加してもらいました。

  いよいよ今日のメインの曲、動物たちがたくさん出てくるサン=サーンスの《動物の謝肉祭》です。今回はナレーション入りの2台ピアノ版での演奏で、〈序奏とライオンの行進〉から〈終曲〉のフィナーレまで、ピアニスト2人の熱演が繰り広げられました。〈森の奥に住むカッコウ〉ではクラリネットも演奏に加わりました。

  最後に、クリスマスがイエス・キリストの誕生日であることをお話してから、演奏者全員によるクリスマス・メドレー(吉田梨絵編曲)で、〈赤鼻のトナカイ〉と〈ジングル・ベル〉を会場の子どもたちと一緒に歌いました。  終演後は子どもたちの楽器体験コーナーです。ステージ上のスタインウェイのコンサート・グランド・ピアノを始めとして、ヴァイオリン、チェロ、フルート、パーカッション(ウィンド・チャイムとトーン・チャイム)の体験に、子どもたちが列をなして挑戦しました。

  これも毎回恒例の会場アンケートを見ると、第1部のお客様からは「〈そりすべり〉やクリスマスの歌が楽しかった」「《動物の謝肉祭》が楽しいようで、何の動物かクイズをしながら聴いていた」、第2部のお客様からは「わかりやすい曲ばかりで、小さな子が音楽や楽器を身近に感じることができて楽しめる内容だった」「曲のアレンジなどすごくおしゃれですばらしかった」「選曲もよかった。演出・解説も工夫されていた」といった意見が多数寄せられました。一方で、「曲が少し長過ぎる」「子ども向けにしてはむずかしい」といった批判もあり、バランスを取っていくことのむずかしさを改めて感じました。

  なお、コンサートの開催に当たっては、受付から舞台裏や照明までの裏方の仕事を、アウトリーチ・センターのスタッフの指導の元、20数名の学生が担っていますが、今回参加したメンバーの中には、子どもの頃、このコンサート・シリーズに通っていた、お母様と一緒に七夕やクリスマスに来ていたという学生もいて、とうとうそういう時代になったかと感無量でした。今後も息長くこのコンサートを続けていくことができればと思います。

(津上智実・記)


2015年9月27日
音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ

  9月27日(日)13時から17時まで、第6回「音で遊ぼう!子どものための音楽作りワークショップ」を本学音楽館ホールで開催しました(参加は学生15名、学外者1名、子ども21名)。

  これは英国ギルドホール音楽院で培われて来たクリエイティブ・ミュージックの優れたプログラムに学ぶ形で2007年にスタートしたもので、今回が6回目です。

同校リーダーシップ修士課程を修了後、世界各地で活躍する音楽家2名(アメリカ人のチェロ奏者ナターシャ・ジエラジンスキとイギリス人のフルート奏者デッタ・ダンフォード)を日本に招聘し(本学卒業生で同課程修了の東瑛子もリーダーとして参加)、9月24日から4日間、学生対象の「音楽作りワークショップ特別研修」を行い、その仕上げとして最終日に近隣の子どもたちの参加を得て実施しました。この研修は「3大学(本学音楽学部、東京音楽大学、昭和音楽大学)連携」に発するプロジェクトの一環で、誰もが持っているクリエイティブな力を音楽によって引き出し、共に音楽を生み出していくために必要な視点と方法を学んで実践力を身につけることを目的としています。

当日は中秋の名月だったので、わらべ歌の〈うさぎ〉を素材の一つとして、弦・管・打を中心とする3グループに分かれて、学生と子どもたちがアイディアを出し合って自分たちのフレーズやリズムを作り上げていきました。それらを組み合わせて「月と太陽の1日」という作品とし、夕方、保護者の前で15分弱の作品発表を行ないました。最後のうさぎ踊りでは、保護者の皆さんも巻き込んで大きな踊りの輪ができました。

その後、子どもと保護者と学生のディスカッション、続いて学生とリーダーの反省会を行ない、多くの学びを得ることができました。受講生からは「参加者で意見を出し合い1つの作品を作り上げるのが楽しかった。他人の考えを聞くことで、1人1人様々な視点で物事を考えていることに改めて気づかされ、また各人の意見が合わさり、新しいものを作り上げていく空間がおもしろかった」といった声が寄せられました。

大学院文学研究科通訳コースの院生が逐次通訳でサポートし てくれたことを記して感謝します。

(津上智実・記)


2015年7月4日
子どものための七夕コンサート『音楽のお弁当箱』〜輝く世界へ☆レッツゴー!〜

 「子どものための七夕コンサート『音楽のお弁当箱』〜輝く世界へ★レッツゴー!〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第42回)を7月4日(土)本学講堂で開催しました(第1部 11時開演、第2部15時開演、来場者数・第1部386名/第2部191名、計577名)。

 出演は今年のアウトリーチ履修者を中心に、声楽(神田幹子)、 ピアノ(尾形佳那恵、丹野桃子、藤井友理、和田悠加)、ヴァイオリン(尾崎文子)、オーボエ(樋口成香)、フルート(岡亜梨沙、喜多望有、田中佑奈、藤森友香)、ハープ(赤木愛枝)、打楽器(山田りさ、第1部/山下すみれ、第2部/山本瑞葉)の15名が力を合わせました。

 開幕はイエッセル作曲〈おもちゃの兵隊の行進〉(松尾璃奈編曲)で、曲中に楽器と奏者の紹介を交えました。  挨拶の後、マリンバを紹介して、カバレフスキーの組曲《道化師》より第2曲〈ギャロップ〉をマリンバ2重奏で演奏しました。司会の「どこかで聞いたことありませんか?」という問いかけに、会場から「運動会!」と元気な声が上がりました。  次にヴァイオリンが登場し、4本の弦は羊の腸、弓は馬の尻尾と紹介して、エルガー作曲〈愛のあいさつ〉を演奏しました。

 続いて、ピアノには230本もの弦が張ってあると説明して、ドビュッシーの〈亜麻色の髪のおとめ〉をピアノ独奏しました。「とびきり魅力的で皆の視線を釘づけにして歌う人があちらから歩いてきましたよ」と紹介して、プッチーニ作曲《ラ・ボエーム》よりムゼッタのアリア〈私が街を歩くと〉を歌いました。喉には声帯があり、それを震わせて歌っていることを説明し、「皆さんも喉に手を当てながら声を出してみてください」と言うと、子どもも大人も喉に手を当てて声を出して確かめていました。  ここで会場後方からスティックを叩きながら奏者が登場し、ゲラジメッツ作曲〈アスベンチュラス〉を演奏。スティックや各種のマレット、ワイヤーブラシなどでスネアドラムの枠、胴、皮を叩き、一つの楽器から多彩な音色が出ることを知ってもらいました。

 次にオーボエが登場し、葦を削ったリードを震わせて音を出すこと、音色が人の声に一番近いとされることを話し、チャイコフスキー《白鳥の湖》より〈情景〉をハープ伴奏で演奏しました。ここでハープはペダルで音の高さを変えていることを説明しました。続いてフルートが登場し、エア・リードで鳴ること、今は金属だが昔は木製だったので木管楽器に分類されることを説明し、チャイコフスキーの《眠りの森の美女》より〈ワルツ〉を演奏しました。

 ここでガラッと雰囲気を変えて〈お弁当箱のうた〉で身体を使ったリズム遊びを始めると、子どもたちも声を合わせて体を動かしてくれました。続いて〈お弁当の気持ち〉という履修生で考えたリズム遊びをしました。「トマト」「ピーマン」「から揚げ」「卵焼き」の四つがそれぞれのリズムやタイミングで掛け合うリズム遊びで、最後は子どもも大人もみんなで1つになり、大きなアンサンブルができました。第2部ではシールを貼ったプログラムを準備し、当たった子どもたちを舞台に上げて、出演者と一緒に会場のみんなに合図を送ってもらいました。

 次にフルート四本のアンサンブルでモーツァルトの《魔笛》序曲を演奏し、主旋律のやり取りに耳を澄ましてもらいました。「日本にもこんなに素敵な曲を書く人がいるのですよ」と紹介して武満徹〈小さな空〉を独唱。 「連弾」の説明をしてからラヴィニャックの〈ギャロップ・マーチ〉をピアニスト4人の8手連弾で演奏しました。曲の途中で手が空くと、トランプをしたり、鏡を見てうっとりしたり、楽しいパフォーマンスでした。  講堂のあちこちから登場する演出でモンティ作曲〈チャルダッシュ〉をピアノ、ヴァイオリン、オーボエ、フルート、マリンバ(吉田梨絵編曲)で演奏し、最後は奏者全員が舞台上でアンサンブルをしました。

 全員で下総皖一作曲〈たなばたさま〉を歌った後、各楽器を復習して終演しました。  今年のアウトリーチ履修者は管弦打が揃っており、「多様なアンサンブルや音色を聞けるものにしたい」という気持ちから、味付けや取り合わせで選り取り見取りにできる「音楽のお弁当箱」という副題を付けました。  終演後にはヴァイオリン、フルート、マリンバの楽器体験と、「しゃかしゃか・シェイカー」の楽器工作とを行い、それぞれ行列ができるほどの人気でした。

(山田りさ・記)


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