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2019年度コンサート記録

2019年7月6日
子どものための七夕コンサート 星空の音色〜天の川の旅〜

  「子どものための七夕コンサート 星空の音色〜天の川の旅〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第53回)を7月6日(土)、本学講堂にて開催しました(第1部11時開演、第2部15時開演、来場者数・第1部483名、第2部163名、計646名)。 出演は「音楽によるアウトリーチ」履修生を中心に、声楽・安川陽菜、山下優子、ピアノ/オルガン・小川瑞葵、竹ヶ鼻智絵、ピアノ/チェレスタ・井本斐、フルート・磯貝瑛里、クラリネット・反田沙耶、コントラバス・岩ア朱夏、ヴァイオリン・藤井立空の九名が力を合わせました。

 今回は、七夕の世界に迷い込んだ妖精のパックというキャラクターを軸に、プロジェクターや効果音も使ったストーリー仕立てのコンサートにしました。 挨拶の後、メンデルスゾーン作曲《真夏の夜の夢》より〈序曲〉をピアノ連弾で演奏し、その後パックがパントマイムをしながら登場すると、ナレーターがパックを紹介して物語が始まります。パックが楽しそうに飛び跳ねるのに誘われて、ムソルグスキー作曲の組曲《展覧会の絵》より第5曲〈殻をつけた雛鳥のバレエ〉を演奏しました(ピアノ独奏)。 次に、花の妖精たちが七夕のお祝いに登場して、ドリーブ作曲のオペラ《ラクメ》より〈花の二重唱〉を歌いました(ソプラノ二重唱、ピアノ)。歌の2人は花冠をつけて、この曲の劇中の雰囲気についても短く紹介しました。 歌が終わるとパックが再び登場し、魔法で花を飾ろうとしますが、間違って雨を降らせてしまいます。その様子をプロジェクターや効果音を使って演出した後、レスピーギ作曲〈霧〉で重くどんよりとした雰囲気を表現しました(ソプラノ独唱、ピアノ)。さらに、クライスラー作曲〈愛の悲しみ〉をコントラバスとピアノで演奏し、織姫と彦星の揺れ動く気持ちを表現しました。コントラバスが舞台に出てくると、その大きさに驚いた子どもたちから声が上がりました。

次に、雨が上がって星空が見えてくる様子をプロジェクターで映し出しました。ここで〈きらきら星〉を会場の皆様と一緒に歌って、曲の後半では各種の楽器も演奏に加わりました。 再びパックが登場し、星に扮した演奏者たちに尋ねる形での楽器紹介コーナーです。各楽器の特徴を分かりやすく説明した後、ワン・フレーズを演奏してもらいました。その後、パックも合奏に加わってモーツァルト作曲〈きらきら星変奏曲〉を演奏し(ピアノ、チェレスタ、フルート、クラリネット、コントラバス、ヴァイオリン)、変奏曲についてもお話しました。 次は、チェレスタとピアノの紹介です。チェレスタの時には、鍵盤が客席から見えるよう、楽器を舞台スタッフに回してもらいました。ピアノは、雰囲気が全く異なる曲のワン・フレーズを弾き比べて、表現力の幅広さを感じてもらいました。この二つの鍵盤楽器の特徴と違いを知ってもらった上で、チャイコフスキー作曲の組曲《くるみ割り人形》より〈金平糖の精の踊り〉を演奏しました(ピアノ、チェレスタ)。 続いて、ホルスト作曲の組曲《惑星》より〈木星〉をアンサンブル(ピアノ連弾、フルート、クラリネット、コントラバス、トーンチャイム)で披露し、その後、パックと演奏者との会話で物語を進めました。

ここで、織姫がプロジェクターで登場しました。お父さんである天の神様が結婚を許してくれず、悲しむ織姫を音楽の力で元気づけようと客席に呼び掛けて、会場の皆さんとアクティビティを行いました。内容は、「ベガ」と「アルタイル」という2種のリズムのアンサンブルです。まずは織姫の星とされる琴座の「ベガ」と彦星の星である鷲座の「アルタイル」を紹介し、続いて、それらを読み込んだオリジナルのリズムを手で叩いて、会場の皆さんにも参加してもらいました。何度か繰り返すうちに、会場全体のリズムが揃っていきました。それぞれを練習した後、会場を2つに分けて両方のリズムを組み合わせて楽しみました。最後に、前もってプログラムに星のシールが貼ってあった子どもたちを舞台に呼び上げて、トーンチャイムを鳴らしてもらいました。思いがけない展開に、子どもたちは最初、戸惑っていた様子でしたが、次第に慣れていったようでした。

子どもたちのアクティビティに励まされて勇気を得た織姫がお父さんに結婚の許しを求める歌として、プッチーニ作曲オペラ《ジャンニ・スキッキ》より〈わたしのお父さん〉を歌いました(ソプラノ独唱、ピアノ)。 こうして、ついに2人の結婚が決まり、演奏者全員でメンデルスゾーン作曲の劇付随音楽《真夏の夜の夢》より〈結婚行進曲〉を演奏して(オルガン、フルート、クラリネット、コントラバス、ヴァイオリン、声楽)、物語は幕を閉じました。 最後に、会場の皆様と中川ひろたか作曲〈にじ〉と下総皖一作曲〈たなばたさま〉を歌ってコンサートを締めくくりました。

今回のコンサートでは、星空のように多彩な音色を楽しんでもらいたいという思いから、副題を「星空の音色〜天の川の旅〜」とし、器楽専攻のメンバーが多いため、それぞれの楽器の音色を生かしつつ、物語も楽しんでもらえるよう工夫しました。 終演後にはオルガン、ウィンドチャイム/トーンチャイム、フルート、コントラバス、ヴァイオリンの楽器体験コーナーを設け、たくさんの子どもたちに参加してもらうことができました。  また、今回「子どものためのコンサート」シリーズ来場者数3万人突破を記念して、子どもたちにオリジナルのうちわをプレゼントしました。

(藤井立空・記)


2019年12月7日
子どものためのクリスマス・コンサート 〜届け!音楽の魔法〜

  「子どものためのクリスマス・コンサート〜届け!音楽の魔法〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第54回)を12月7日(土)に本学講堂で開催しました(第1部11時開演、第2部15時半開演、各60分、来場者数・第1部464名/第2部215名、計679名)。

出演は本学卒業生で「音楽によるアウトリーチ」17期生を中心とした「アンサンブルそらいろ」の草野舞(声楽)、山下優子(声楽)、宮下優花(ヴァイオリン)、向井千沙都(ピアノ)、齊藤明日香(ピアノ)の5名です。 今回のコンサートでは、音楽を聴く楽しさや喜びを感じてほしい、聴いたことのない曲にも触れてほしいと願って、様々な作曲家の作品をプログラムに組みました。知らない曲でも楽しんで聴いてもらえるように、消えてしまったプレゼントを音楽と魔法の箱を使って取り戻していくという物語にのせて、小道具やプロジェクターなど視覚的な効果も活用しました。

開幕にはデュカス作曲の交響詩〈魔法使いの弟子〉を2台4手ピアノで演奏しました。弟子が魔法使いの不在時に魔法を使って制御できなくなってしまうという原作のストーリーに則って、このコンサートでは、サンタクロースの手伝いでプレゼントを用意していた魔法使いのお手伝いが、間違ってプレゼントをすべて消してしまいます。「今年はプレゼントがみんなに届かないかもしれない…」と思われたその時、舞台上に魔法の箱が現れます。出演者は各々願いを込めて音楽を演奏し、魔法の箱からプレゼントを取り戻していきます。

2曲目はドビュッシー作曲《小組曲》より〈メヌエット〉(ガストン・ショワネル編曲)をヴァイオリンで独奏しました。プレゼントとして現れたのはかわいい靴です。魔法の箱から靴を取り出すと、客席からは「わあ〜」という喜びの声が聞かれました。続いて湯山昭作曲《お菓子の世界》より〈バウムクーヘン〉をピアノ独奏して、おいしいお菓子を取り戻します。お菓子の幻想的な世界に、子どもたちも静かに聞き入っている様子でした。4曲目はモーツァルト作曲のオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》より二重唱〈私が欲しいのは〉です。曲中で魔法の箱からくまとうさぎのぬいぐるみを取り出す演出によって、客席の興味も引き付けられていたようでした。

その後、越部信義作曲の〈おもちゃのチャチャチャ〉を会場の皆さんと一緒に歌いました。「チャチャチャ」の部分では手を叩きながら元気よく歌ってくれました。会場の空気も温まってきたところで、ドヴォルザーク作曲のオペラ《ルサルカ》よりアリア〈月に寄せる歌〉の幻想的な世界をお聴き頂き、魔法の箱からはおとぎ話の絵本が現れました。続いて、モーツァルト作曲〈きらきら星変奏曲〉をピアノ独奏しました。主題の部分ではピアノに合わせて童謡〈きらきら星〉を歌う子どもの姿も見られました。オッフェンバック作曲のオペラ《ホフマン物語》よりアリア〈オランピアの歌〉では、演奏者による芝居も交えながら、ゼンマイ仕掛けの人形オランピアが歌うコロラトゥーラのアリアをお届けしました。会場アンケートでも、「人形の歌っている様子がおもしろかった!」など、この曲への反響が多く見られました。

消えてしまったプレゼントをすべて無事に取り戻せたところで、会場の皆さんと一緒にクリスマスツリーを飾り付けるアクティビティを行ないました。〈ひいらぎかざろう〉のメロディにのせて「オーナメント・ボール」「雪」「リボン」の3つのメロディを歌い、演奏を重ねるごとに、プロジェクターで映し出したツリーに飾り付けが加わっていきます。メロディを歌いながら簡単な振りも行なうものでしたが、説明をする前からお手本を見てまねをしてくれる人もあり、無事に飾り付けを完成させることができました。 その後、ブラームス作曲〈子守歌〉をヴァイオリンで独奏し、讃美歌〈まきびとひつじを〜もろびとこぞりて〉(松尾璃奈編曲)を歌とヴァイオリン、オルガン、打楽器のアンサンブルでお届けしました。

最後に、会場の皆さんと一緒に《クリスマス・メドレー》として〈ジングル・ベル〜きよしこの夜〜赤鼻のトナカイ〉を歌いました。あまり有名でない楽曲も積極的に取り入れたプログラムでしたが、会場アンケートで「プレゼントを取り戻していくのがおもしろくて楽しく聴けた」といった感想が寄せられてとてもうれしく思いました。

(向井千沙都・記)


2020年2月8日
子どものためのオルガン・コンサート 〜わたしもぼくもオルガン博士!〜

  2月8日(土)、本学講堂にて「子どものためのオルガン・コンサート〜わたしもぼくもオルガン博士!〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第55回)を開催しました(14時開演、60分公演、来場者数・子ども124名、大人157名、計281名)。

 出演は、オルガニストの大木麻理先生(ミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニスト、本学音楽学部非常勤講師)と音楽学部オルガン専攻生4名(4年生の米澤唯、3年生の山田佳世子、竹嶋南帆、1年生の森友歌)の計5名で、演奏とお話を通して、パイプ・オルガンというあまりなじみのない楽器をより身近に感じてもらうことを目的にプログラムを組みました。パイプ・オルガンの仕組みや歴史を分かりやすく説明するために、舞台進行役の女の子(米澤)と男の子(竹嶋)が会場の子どもたちとともに「オルガン博士」をめざすというストーリーに沿って、オルガンを演奏する姿やイラストをスクリーンに映しながらコンサートを進めました。曲目にはバッハの《トッカータとフーガ》ニ短調より〈トッカータ〉や、ロジャース〈ドレミの歌〉など誰でも一度は耳にしたことのある曲を取り入れつつ、3台(講堂2階の大オルガン、舞台脇の中オルガン、舞台上手に設置したポジティフ・オルガン)の楽器それぞれの特徴を活かしたオルガンならではの演奏も披露しました。

 コンサートでは、まず舞台進行役の2人が今回演奏する3台のオルガンを紹介してから、2階の大オルガン(山田)でJ.S.バッハ《トッカータとフーガ》ニ短調BWV565より〈トッカータ〉を演奏しました。次にイラストとオルガンの模型を用いて、どのように音を出しているのか、楽器の仕組みを解説しました。仕組みが分かったところで、大オルガン(大木)によるソロでバッハ〈小フーガ〉ト短調BWV578と〈主よ人の望みの喜びよ〉BWV147を演奏し、ひとつの楽器で様々な音色が出せる魅力を感じてもらいました。  大オルガンの足鍵盤による連弾(大木、竹嶋)でロジャース〈ドレミの歌〉を演奏し、足だけで演奏するというオルガンならではの奏法をスクリーンに映し出したところ、お客様の印象に強く残ったようです。その後も、J.S.バッハについて、また国や時代によるスタイルの違いについて、などの説明を挟みながら、中オルガン(大木)とポジティフ・オルガン(森)のデュオでバッハ《ブランデンブルク協奏曲》第3番BWV1048より第1楽章、ポジティフ・オルガン(大木)と水笛がかわいらしく響くパッヘルベル作曲のフーガ ハ長調〈ナイチンゲール〉、大オルガン(米澤)によるボエルマン《ゴシック組曲》作品25より〈ノートルダムの祈り〉が続きます。

そうして多くの音色を体感してもらった後、音色を作り出すパイプに焦点を当て、「大オルガンには、何本のパイプが収められているでしょう?」というクイズを3択問題で出しました(正しくは2536本)。楽器に収められているパイプの数の多さに、子どもたちだけでなく大人の方も驚いた様子でした。そのパイプを活かした華やかな大オルガン(大木)のソロでギルマン作曲《〈見よ勇者は帰る〉による幻想曲》を演奏し、最後に、大オルガンの伴奏で《となりのトトロ》より〈さんぽ〉を会場の皆さんと元気よく歌って幕を閉じました。

 終演後は、舞台上でポジティフ・オルガンとオルガン模型の、舞台下で中オルガンの楽器体験を行いました。ふいごを動かしたり、鍵盤を押して音を鳴らしてみたり、近くでパイプの形を見比べたりと、大人も子どもも共に楽しめる時間となりました。また同時進行で、別室にて厚紙とストローを使ったパイプの工作体験も行いました。紙パイプ完成後は、自分で作ったパイプを吹いて音が出ることを確かめてもらいました。  お客様からは、「3つのオルガンで様々な音色が聴けて楽しかった」「パイプ・オルガンの仕組みを知ることができてよかった」などの声を頂きました。出演者の中で意見を出し合い、リハーサルを通してスタッフからもアドバイスをもらい、また準備段階からたくさんの協力があってこそ、子どもたちにパイプ・オルガンについて分かりやすく紹介し、興味を持ってもらうという目的を達成することができたのだと実感しています。

(森 友歌・記)


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