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2020年度コンサート記録

2021年10月16日
子どものためのオルガン・コンサート 〜オルガンの音色に隠れた動物たちを見つけてみよう!〜

  「子どものためのオルガン・コンサート?オルガンの音色に隠れた動物を見つけてみよう!?」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第59回)を10月16日(土)に本学講堂で開催しました(第1部11時開演、第2部14時開演、各60分、来場者数・第1部子ども53名、大人60名/第二部子ども七75名、大人80名、計268名)。
出演はオルガニストの大木麻理先生(ミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニスト、本学音楽学部非常勤講師)と音楽学部オルガン専攻生2名(三回生の森友歌、一回生の村田沙耶)の3名です。このコンサートでは、今年が没後100年のサン=サーンスの組曲《動物の謝肉祭》を大オルガン1台だけを使って全曲演奏しました。パイプ・オルガンの仕組みや音色について分かりやすく説明するために、プロジェクターにかわいらしい動物のシルエットやイラスト(制作・森)を映し、子どもたちの声を聴きながら進めました。

コンサートでは、舞台進行役の学生2名が今回演奏する2階の大オルガンを紹介してから、動物さん探しに出掛けます。演奏前にはプロジェクターにシルエットを映し、曲中に出てくる鳴き声を部分的に聴いてもらって、「この動物さんは誰だろう?」と子どもたちに問いかけ、様々な意見に耳を傾けながら1曲目の〈序奏と獅子王の行進曲〉(大木先生ソロ)に入ります。演奏後、カラーのスライドに切り替えて正解(動物の王様ライオン)を発表しました。続けて、〈雌鳥と雄鶏〉を鳴き声を想像しながら聴いてもらい、〈騾馬〉〈亀〉の演奏後にパイプ・オルガンの仕組みと音の出し方について、大木先生に教えて頂きました。お客様からは、「なかなかオルガンについて詳しく知る機会がないので貴重でとてもよい」「分かりやすく勉強になった」などの声を頂きました。

次に、解説を活かしてオルガンの一番低い音を使った曲〈象〉を聴いてもらいました。曲の感じ方について2択の挙手制(重い感じ・軽い感じ)で意見を聞き、各人が考えながら聴いてくれていたと実感することができました。続いて〈カンガルー〉を演奏し、〈象〉との対比を感じてもらいました。 次は、何と〈水族館〉が登場して、大きく映し出された色鮮やかなイラストに客席の興味も惹きつけられていたようでした。会場アンケートでは「聴いたことがある曲で親しみやすい」「音色が意外でおもしろい!」「魚が泳いでいるように聞こえた」と、この曲への反響が多く見られました。

プログラム中盤では学生2名(森・村田)の連弾で5曲(編曲・村田)披露しました。連弾は視覚的にも楽しめること、また音の分厚さと種類について実際に音を鳴らして説明しました。まず、〈耳の長い登場人物〉〈森の奧のかっこう〉〈大きな鳥籠〉の3曲を演奏し、演奏前や曲間に次に登場する動物のヒントを出して、イメージしやすいように工夫して進行しました。ここで作曲家サン=サーンスについての説明を挟みつつ、残りの連弾2曲へと進みます。1曲目の〈ピアニスト〉はとても大きな音で始まるため、その音に耳を押さえている子どもが何人もいたそうで、オルガンの迫力が伝わった瞬間だとうれしく思いました。2曲目の〈化石〉では、曲のどこかに〈きらきら星〉のメロディーが出てくるので、それを探しながら聴いてもらいました。今回編曲を担当するに当たって、オルガンならではの問題点として、音色(ストップ)を曲中で変更するタイミングや、どの鍵盤でどちらが演奏するか、という点に苦慮しました。本来、2階大オルガンを演奏している様子(連弾では腕が4本ある状態など)を舞台上のスクリーンで映して、それを見ながら演奏を楽しんで頂くはずでしたが、当日の機材トラブルにより実現できなかったのは残念です。会場アンケートでも「演奏者の姿が見たかった」との意見を多数頂き、次回はぜひ実現をと思います。

続いて、《動物の謝肉祭》の中でも一番よく知られている〈白鳥〉(大木先生ソロ)を演奏しました。主旋律を手ではなく、パイプ・オルガンならではの足鍵盤でお届けしました。最後に、今まで登場した動物さんたちがみんな集まった色とりどりのイラストと共に、〈終曲〉を演奏して華やかに締めくくりました。

終演後には、簡単に作れるパイプキットをプレゼントしました。初めてのアウトリーチでしたが、たくさんの方に支えられて実現できたことをうれしく思います。改めて演奏することの楽しさや喜び、それを一緒に共有できる音楽のすばらしさを強く感じるコンサートとなりました。

(村田沙耶・記)


2021年12月11日
子どものためのクリスマス・コンサート 〜世界から音楽の贈りもの〜

  「子どものためのクリスマス・コンサート〜世界から音楽の贈りもの〜」(子どものためのコンサート・シリーズ第60回)を、12月11日(土)に本学講堂で開催しました(第1部11時開演、第2部15時半開演、各60分、来場者数・第1部288名/第2部257名、計545名)。
出演は谷田奈央(アウトリーチ履修5期生/声楽)、東瑛子(同6期生/ヴァイオリン・打楽器)、松尾璃奈(編曲・ピアノ・オルガン)、安達梨紗(同14期生/打楽器)、玉置華(同19期生・大学院音楽研究科1年生/ヴィオラ)、中村未奈(本学4年生/ピアノ・打楽器)の6名です。現役の学生とさまざまな年度の「音楽によるアウトリーチ」既習生が縦割りで集まりました。

コロナ禍を忍んでいる子どもたちに、多様な楽器編成や演出上の工夫を凝らした内容で「非日常な時空間」を味わってもらうことを大きなねらいとして、楽器の特徴や世界のクリスマスについての「学び」を盛り込みながら、音楽を使って子どもたちと同伴の大人に「楽しい」「リラックスできる」時間を届けることを意識しました。 会場の明かりが落ちると、後方から鈴の音が鳴り始めます。鈴を持った奏者が舞台に登ると同時に幕が開き、アンダーソン作曲〈そりすべり〉(編曲/松尾璃奈、以下、*と略記)が始まります。子どもたちのワクワクする顔を見て、自然と笑みがこぼれる出演者たち。マザーグースの〈クリスマスの12日間〉の旋律に乗せて「さあ始まるよ、クリスマス・コンサート 何が出てくるのでしょう」と楽器を紹介していきます。最後はオルガンも入って、講堂中に音が響きわたります。第3曲のアンダーソン作曲〈シンコペーテッド・クロック〉(*)では目覚まし時計も楽器として登場しました。

ここからは贈り物を探しに世界に飛び立ちます。まずはもちろん日本から。《唱歌メドレー》として〈北風小僧の寒太郎〜雪〜冬景色〉をメドレーで歌います(*)。次はロシアへひとっ飛び…の前に〈あたま・かた・ひざ・ぽん〉を使って、みんなで身体を温めます。そりに乗ったらまずシートベルトを付けて、〈そりすべり〉のメロディーに乗って動きながらロシアに向かいます。たどり着いたロシアで聴こえてくるのは、チャイコフスキー作曲バレエ音楽《くるみ割り人形》より〈トレパーク〉(*)。次に向かったオーストリアでは、教会でミサが行われていました。パイプ・オルガンと歌でモーツァルト作曲〈アヴェ・ヴェルム・コルプス〉が響きます。お隣のチェコへ行くと雰囲気が一転して、ピアノ連弾によるドヴォルザーク作曲〈スラブ舞曲〉より第8番。狂乱のダンスでクリスマスをお祝いしています。

南半球のオーストラリアに行くと、海の音が聞こえてきます。前からオーシャンドラム、後ろからジャンベが登場して、アクティビティで真夏を表現しました。次のアフリカはシュミット作曲〈ガーナイア〉。リズムを基調とした太鼓とマリンバの音が流れます。プエルトリコでは有名なクリスマスソング、フェリシアーノ作曲〈フェリス・ナウィダ〉でフェスティバル。

ドイツに行くと、聖なるクリスマスを見守るツリーがありました。ヴィオラがゆったりと〈もみの木〉を弾きます。講堂の天井にある照明になぞらえて、「クリスマスツリーの天辺に輝く星は、イエス・キリストの誕生を知らせた大切な星」というお話をした後、世界からの贈り物を探して辿り着いたのは、ベツレヘムにある星と、そしてこの音楽でしたと告げました。その上で、私たちが毎年のクリスマス礼拝で大切にしてきた1曲、デイビス作曲/中村健訳詞《世界中で一番すてきなお誕生日》を歌いました(*)。

例年であればここからは「みんなで一緒に歌いましょう」のコーナーですが、今年は「聴かせるクリスマスソング」として、出演者全員で〈あわてんぼうのサンタクロース〜赤鼻のトナカイ〉(*)、マーティン作曲/中村健訳詞・編曲〈あなたの心に小さなメリークリスマスを〉、ピアポント作曲〈ジングル・ベル〉を演奏して、コンサートを締めくくりました。

新型コロナ感染拡大防止対策の制限がある中、集中して聴いてもらえるよう1曲の長さは最長3分とし、曲数は15曲に上りました。終演後はお土産として「打楽器事典・楽器工作セット」を配布しました。 会場アンケートでは「出演者みんなが笑顔で演奏していて、心温まるコンサートだった」「子どもも手足・身体を使って参加でき、大人も世界の音楽について勉強になって楽しめた」「毎年当選(来場)したい」などと好評を頂きました。

今回は、それぞれ学年が違う縦割りのメンバーが集まりましたが、これは従来なかったことです。流動的にメンバーが変わっても活動しやすいように、「アウトリーチ・プロジェクト あっぷっぷ」という名前を付けています。今後はアウトリーチの既習生が学年の枠を超えて活動していける土壌を作りたいと思います。

(安達梨紗・記)


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