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2022年度コンサート記録

2022年7月2日
子どものための七夕コンサート 〜つなげよう みんなの願いを集めて〜

  7月2日(土)、本学講堂にて「子どものための七夕コンサート〜つなげよう みんなの願いを集めて〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第61回)を開催しました(第1部11時開演、第2部14時開演、各60分、来場者数・第1部363名/第2部282名、計645名)

出演は「音楽によるアウトリーチ」履修生の安永さくら(声楽)、稲葉彩萌(クラリネット)、田上優希(トロンボーン/打楽器)、鈴木ありあ(ヴァイオリン/ヴィオラ)、山田梨紗子(ヴァイオリン)、中村玲那(ピアノ/声楽)・高橋優佳(ピアノ)の7名でした。

今回は、七夕のストーリー仕立てで、登場人物の喜怒哀楽を音楽で表現するコンサートにしました。??では、お客様と共に織姫と彦星の様子を見守りながら、曲紹介を織り交ぜ、楽曲についても知っていただける形にしました。 挨拶と自己紹介を終え、モーツァルト作曲〈きらきら星変奏曲〉と共に幕が開き、会場を七夕の夜の世界へと導きました。第2曲、久石譲作曲《魔女の宅急便》より〈仕事始め〉では、真面目で働き者の織姫と彦星の様子を表現しました。
続いてP. チャイコフスキー作曲《眠れる森の美女》より〈ワルツ〉とP. プッチーニ作曲のオペラ《ラ・ボエーム》より〈私の名前はミミ〉では、織姫と彦星が出会い、一目惚れをする様子を表現しました。〈私の名前はミミ〉は、普段聴く機会が少ないオペラをこの機会に聴いてほしいと思い選曲しました。お客様の反応もよく選曲してよかったと思います。
第五曲、S. ジョプリン作曲〈メープル・リーフ・ラグ〉は、2人が遊ぶばかりで仕事をしなくなり、神様に注意されても仕事をしない様子を表現するため、遊んでいる部分は、速いテンポで演奏し、注意されても仕事をしない部分は、遅いテンポで表現しました。
第6曲、S. プロコフィエフ作曲の組曲《ロミオとジュリエット》10の小品より〈モンタギュー家とキャプレット家〉では、神様が怒ってしまう様子を表現しました。怒った神様によって、天の川を挟んで引き離されてしまった2人の悲しみを、G. フォーレ作曲〈シチリアーノ〉で表現しました。照明も舞台中心のみにして、悲しんでいる様子を演出でも表現しました。

そんな様子の2人に私たちができる事はなんだろう?とMCがお客様に問いかけ、みんなで織姫と彦星を応援しようと提案します。子ども達には来場時に配布した手作りの星のブレスレットを着けてもらい、演者はここまで演奏してきた楽器で応援することになりました。
楽器についても知ってもらうため、ここで楽器紹介もしました。楽器紹介では、弦楽器、管楽器、ピアノという括りで紹介しました。私たちは、ヴィオラについてマイナーな楽器だと考えていましたが、実際子どもたちはヴァイオリンとヴィオラの違いや、その他の楽器の事もよく知っていました。また、トロンボーンのグリッサンドを披露した際には会場全体から「おおっ」とどよめきが起こり、とてもよい反応でした。
楽器紹介を終え、いよいよアクティビティに入ります。アクティビティでは、R. シャーマン作曲のミュージカル《メリー・ポピンズ》より〈スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス〉に合わせて身振り手振りや、手拍子でのリズム打ちを行いました。
このアクティビティは、お客様と演者が共にコンサートを作り上げることをねらいとし、年齢層や反応に合わせた掛け声や進行を行いました。第1部、第2部ともに世代を問わず楽しんでいだたくことができたのではないかと思います。

応援のお陰で元気になった2人を表現するため、前半に演奏した〈仕事始め〉をもう一度、今度は楽器を増やして演奏しました。その後、年に一度だけ会うことを許された織姫と彦星が再会したところで壮大な愛の歌、E. ジョン作曲の映画《ライオン・キング》より〈愛を感じて〉を演奏しました。2人のように、皆様の願いも叶いますように、と願いを込めて、下総皖一作曲〈たなばたさま〉と、いずみたく作曲〈見上げてごらん夜の星を〉を演奏しました。そして最後にもう一度、〈スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス〉でアクティビティを行い閉幕しました。

今回のコンサートは、子どもたちはもちろん、ご来場くださる全てのお客様に、音楽はあらゆる感情に寄り添うものであると体感してもらうため、例年の「子どものためのコンサート・シリーズ」とは違い、クラシック音楽に加えて、ジブリやディズニー、昭和歌謡など、ジャンルを問わず幅広い楽曲を盛り込みました。コロナ渦という事もあり、アクティビティで一緒に歌うことや、楽器体験などを行うことはできませんでしたが、チラシの一部デザインを出演者(稲葉彩萌)が作成したり、手作りのブレスレットを配布したりと、私たちならではのコンサートを作り上げることができたと思います。ご来場くださったお客様をはじめ、支えてくださった全ての方々に感謝申し上げます。

(高橋優佳・記)


2022年12月10日
子どものためのクリスマス・コンサート〜あわてんぼうのクリスマス〜

   「子どものためのクリスマス・コンサート〜あわてんぼうのクリスマス〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第62回)を12月10日(土)に本学講堂で開催しました。(第1部11時開演、第2部15時半開演、各60分、来場者数・第1部457名/第2部494名、計951名)。

出演は別所香穂(声楽)、反田沙耶(アウトリーチ履修18期生/クラリネット)、竹ヶ鼻智絵(ピアノ)のアンサンブルグループ「Pianeta(ピアニータ)」に、ゲストとして勝間田萌(同18期生/ピアノ)を加えた4名です。

 オリジナルで物語を考え、その登場人物の感情や行動に合わせて選曲しました。飽きずに分かりやすく音楽を感じてもらうことを1番の狙いとし、音楽を聴くだけでなく目や身体を使って楽しむことや、声楽・クラリネット・ピアノをより知ってもらうことなども意識しました。会場内には、創造したキャラクター(制作:別所)をプロジェクターで投影し、舞台上ではお話の中で出来上がるクリスマスツリーを、実際に作りながら進めました。
会場が暗くなり音楽の始まりとともに幕開けです。讃美歌〈もろびとこぞりて〉をピアノ連弾で華やかに演奏すると、コンサートを楽しみにしてくれていた子どもたちの楽しげな声が聞こえてきました。
お話はクリスマスの前日、主人公は元気な女の子ルーシー。ツリーの飾りが何もできていないことに慌てたルーシーは、飾り探しの旅へ出かけます。旅が始まる前にクラリネット紹介として、シュライナー作曲「だんだん小さく」を演奏しました。楽器がだんだん分解され小さくなっていく姿に、会場ではどよめきと拍手が起こりました。
グノー作曲歌劇《ファウスト》より〈宝石の歌〉では、共に飾り探しを手伝うお友達、ジェシカのツリーに飾られた「たくさんの宝石」を歌で表現しました。アンゲラー作曲〈おもちゃの交響曲〉より第1楽章では、たくさんの楽器を登場させました。これから始まる飾り探しのわくわくを、ヴァイオリンや、ハンドベル、リコーダー、鈴などの打楽器を用いて、視覚的にも楽しめるよう、実際にお芝居を交えながら演奏しました。
ショパン作曲〈革命〉では、ルーシーとジェシカが旅の途中で出会ったお菓子屋さん(ララさん)の大切な鞄が飛ばされて泣いている様子を迫力のピアノソロで伝えました。

そんなララさんを助けるために、会場のお客さんも一緒にアクティビティにチャレンジしました。
ロジャース作曲の映画《サウンド・オブ・ミュージック》より〈ドレミのうた〉に合わせて身体を動かすと大盛り上がり!歌詞に出てくる「ドレミファソラシド」の音に合わせて足元から頭の上まで身体全体を使って音階をたどりました。テンポが上がるとより一層むずかしくなり、親子揃って懸命に取り組む姿に、会場全体が1つになる様子を感じることができました。

こうして元気を取り戻したララさんの喜びを、中川ひろたか作曲《にじ》で表しました。この曲の歌詞にある「きっと明日はいい天気」とリンクさせ、喜びを伝えました。
クライスラー作曲〈愛の悲しみ〉では、大事なお花が咲かず悲しんでいるお花屋さんのフラーさんの気持ちを表現しました。ネッケ作曲〈クシコス・ポスト〉では、飾りを手に入れるため急いで目的地まで向かっている様子をピアノ連弾で演奏しました。
ついに最後の飾り、お星さまを手に入れるためには「素敵な音楽が必要」とし、村松崇継作曲〈彼方の光〉を演奏しました。
無事にお星さまを手に入れたルーシーとジェシカは、素晴らしいクリスマスツリーを完成させました。プログラムの最後には、《クリスマス・メドレー》を演奏し、皆に素晴らしいクリスマスが訪れることを願い、幕を閉じました。

今回のコンサートでは、コロナ禍以来約3年ぶりに楽器体験が復活しました。たくさんの子ども達が一生懸命に楽器に夢中になる姿がとても印象的でした。
多少の制限はあったものの、従来の定員数まで引き上げた開催であったため、舞台からは多くの笑顔を見ることができました。

私たち「Pianeta」は活動を初めて2年目と僅かなグループです。これからたくさんの経験を積んでいく中で、今回のコンサートから多くの学びを得ました。今後の活動へもより一層力を入れて取り組んでまいりたいと思います。
これから開催される子どものためのコンサート・シリーズが長く続いていくこと、そして一刻も早く制限のない演奏会が開催されることを心より祈っております。

(反田沙耶・記)


2023年2月23日
子どものためのオルガン・コンサート 〜 わたしもぼくもオルガンマスター!! 〜

  「子どものためのオルガン・コンサート〜わたしもぼくもオルガンマスター〜」(「子どものためのコンサート・シリーズ」第63回)を2月23日(木・祝)に本学講堂で開催しました(14時開演 60分公演 来場者数・子ども191名、大人226名 計417名)。

昨年に引き続き、新型コロナ・ウイルス感染症対策として、アルコール消毒、来場者の検温と咳エチケットのお願いなどを行いました。また制限緩和に基づき、楽器体験を終演後に行いました。

出演は、オルガニストの大木麻理先生(本学音楽学部非常勤講師、ミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニスト)と、音楽学部オルガン専攻生2名(4年生の森友歌、2年生の村田沙耶)の計3名です。

今回のコンサートでは、パイプオルガンに隠された秘密を見つけるために解説やクイズを通して、オルガンマスターを目指しました。オルガンの定番曲から日本の歌のアレンジまで様々な曲を演奏し、舞台上のスクリーンに演奏姿を映しながら進めました。
開演冒頭は、誰もが聴いたことのある名曲である、バッハ作曲《トッカータとフーガ》ニ短調より〈トッカータ〉(村田ソロ大オルガン)で始まり、使用する2種類のオルガン(大オルガン・中オルガン)について説明しました。2曲目、同じくバッハ作曲の〈G線上のアリア〉(大木ソロ大オルガン)で会場は和やかなムードに包まれました。

ここでパイプオルガンの音はどのようにして出ているのか、『パイプオルガンの仕組み』という本を使い、謎を解き明かしていきます。本学内に展示されている小さなオルガンの模型が登場し、出演者が実際に音を鳴らしてみせると、客席も惹きつけられたようでした。
続いて、中オルガンを使用したバッハ作曲〈小フーガ ト短調〉(森ソロ)では、客席からすぐ見える場所での演奏に、お客様からの反応も良く「音の響きを近くで感じることができた」「様々な音色を聞くことができた」などの声をいただきました。
そのまま、〈ドレミの歌〉を森・村田の2人で、足だけを使い演奏しました。よく見えるように足の動きを横から撮影し、スクリーンに映し出す演出には、「とても良かった」とうれしい声をいただきました。
子どもたちの印象にも深く残ったようで、終演後も楽しそうに歌ってくれている子が多くいました。オルガンの演奏を聴くにあたって、足鍵盤だけを使っての演奏を間近で見られる機会は少ないので、これを機にオルガンへの興味を深めてもらえたらと思いました。

その後作曲家バッハについて、音楽の歴史において欠かせない存在であるということをお話した上で、バッハ作曲〈主よ人の望みの喜びよ〉(大木ソロ大オルガン)で客席を魅了しました。
続けて今までとは少し違った選曲で、日本の心の歌として歌い継がれる〈ふるさと〉をオルガンアレンジでお届けしました。会場アンケートでは「今までの人生の大事なシーンが思い出されるようだった」「涙が込み上げてきた」と、大人の方からの反響が多くみられました。

プログラム後半では、演奏に使用している大オルガンのパイプの本数は何本あるのか、3択のクイズ形式で客席に問いかけました。客席の答えはほどよく分散しており、正解の本数を発表すると驚いた表情の方がたくさんいました。
続いて、ヘンデル作曲〈オルガン協奏曲第6番〉より第1楽章(森ソロ大オルガン)はかわいらしい雰囲気で「音色に心が落ち着いた」「子どもたちも聞き入った様子で楽しめた」というお声をいただきました。 「オルガンらしい曲から普段聴くことのない曲までたくさん聴くことができてよかった」という声の反面、「もっと子どもに馴染みのある曲が多い方がよい」「他の楽器とのコラボも聴きたい」という意見もいただき、次回以降の改善に繋げられたらと思います。 

そして公演最後の曲へ。リンク作曲〈きらきら星〉による序奏、変奏とフーガ(大木ソロ大オルガン)では、〈きらきら星〉のテーマが10回変奏され、それぞれ全く違った音色や雰囲気で楽しむことができ、華やかにコンサートを締めくくりました。
終演後には、5班に分かれて楽器体験コーナーを設けました。コロナ禍で中止になっていた楽器体験の再開を楽しみに待ってくださっていた方がとても多く、親子で楽しんでいただけたと思います。

そして本公演では、「子どものためのスペシャル・コンサート」の中でも過去最高の来場者数を記録することができました。オルガンのよさや、演奏することの楽しさ、喜び、そしてそれを一緒に共有できる音楽のすばらしさをもっと広めていけたらと思います。      

(村田沙耶・記)


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