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2012年度アウトリーチ活動記録

2013年3月14日
特定非営利活動法人 もみの木

雲雀丘学園3月14日(木)14時半から、特定非営利活動法人 もみの木(兵庫県神戸市鹿の子台北町1丁目20番7号)にて「スプリングコンサート」(45分)を行いました。対象は筋ジストロフィー患者の蔭山武史さんとご家族、蔭山さんのヘルパー2名の計5名。実習は濱悠理子(フルート、4回生)、山川美和(フルート、3回生)、古川莉紗(ピアノ、3回生)、湯浅亜佑美(チェロ、4回生)の4名で行いました。

今回の実習の目的は、これから訪れる春のような暖かさや優しさ、喜びに満ちた躍動感を感じる曲を取り入れ、心温まるような音楽を届けることで、それをめざして構成しました。事前にリクエスト曲を伺って、ご希望の曲も3曲織り込みました。

自然な感じでコンサートを始めたかったので、まず華やかなフルートとピアノの演奏でヨハン・シュトラウス作曲〈春の声〉。続いてヨハン・ゼバスチャン・バッハの《無伴奏チェロ組曲》より〈第1番プレリュード〉では、深い音色と変化するメロディーをチェロで独奏。中田章作曲〈早春賦によるポエム〉をフルートとピアノで演奏。

雰囲気を変えてフランツ・リスト〈愛の夢〉のロマンチックで甘美なメロディーをピアノで独奏。ヘンデルの〈ラルゴ〉では、愛しい人との愛の追憶をチェロとピアノで演奏しました。コンヴァース作曲、七瀬あゆ子編曲〈星の世界〉では、讃美歌(いつくしみ深き)としてなじみのある曲を伸びやかな響きのフルート二重奏で演奏。

続いて、フルート2本にチェロを加えた三重奏で、ヨーゼフ・ハイドンの《ロンドン・トリオ》より第1楽章。そしてドビュッシーのピアノ独奏曲〈月の光〉をフルート2本とピアノの三重奏(宮本明恭編曲)で演奏しました。

最後に、東日本大震災復興ソングとして作られた〈花は咲く〉(菅野よう子作曲、村上由紀編曲)を出演者全員(フルート2本とチェロとピアノ)の四重奏で演奏しました。

今回のようなホームコンサートではお客様とのコミュニケーションが取りやすく、蔭山さんにコンサートを喜んで頂けたことを直に感じることができて、幸せで楽しい時間を過ごすことができました。

(湯浅亜佑美・記)

2013年3月7日
国立病院機構刀根山病院

雲雀丘学園3月7日(木)14時から、国立病院機構刀根山病院(大阪府豊中市刀根山5丁目1―1)で「早春コンサート〜音のブーケ」(60分)を行いました。(声楽・松田彩起子、ピアノ・熊谷瑞季、祐成麻奈未、チェロ・湯浅亜佑美、トロンボーン&ミュージッククリエィション・吉田梨絵、トロンボーン・鶴房采花、藤井美波)。

私たち2012年度生にとっては最後のアウトリーチ実習で、1年間の集大成の場となりました。さまざまな楽器の音色を「音のブーケ」としてプレゼントしたいと考えて、全体のプログラムを構成しました。

まず滝廉太郎〈花〉を出演者全員で合唱し、続いてマスカーニの〈アヴェ・マリア〉と山田耕筰〈この道〉を独唱。次にトロンボーン三重奏でデヴィット・ウーバーの組曲《マンハッタン・ヴィネッツ》より〈イーストリバーに映る影〉〈パークアベニューのプードル〉〈ヴィレッジの祝祭〉〈セントラルパークでの戯れ〉の4曲です。トロンボーン3本の華やかな演奏に盛大な拍手を頂きました。

次はお客様の参加コーナーで、〈365歩マーチ〉に合わせてゆっくりと身体を動かし、〈幸せなら手を叩こう〉で手拍子や足踏みに加えて、笑うことで発声もしました。続いての春メドレー〈春が来た、春の小川、朧月夜〉では患者の皆様と歌で会場が1つになりました。

再び演奏に戻り、バッハ《無伴奏チェロ組曲》より〈第1番プレリュード〉、プッチーニのオペラ《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ〉をトロンボーン二重奏で演奏しました。

このようにトロンボーンの多様な可能性を知ってもらった上で、音の出し方、楽器の歴史、使用される音楽ジャンル等を詳しく説明しました。

最後に、美空ひばりの〈川の流れのように〉と文部省唱歌〈故郷〉を出演者全員のアンサンブル(吉田梨絵編曲)で演奏し、患者の皆様にも一緒に歌って頂いて、どこか懐かしい雰囲気になりました。ちなみにこの〈故郷〉は、私たちの学年の楽器編成に合わせて履修生の吉田梨絵が編曲し、最初の実習であった「子どものための七夕コンサート」から演奏してきた思い入れのある曲です。

終演後のアンコールに、もう一度聞きたい曲、歌いたい曲を会場のお客様に尋ねたところ、〈アヴェ・マリア〉〈川の流れのように〉〈ふるさと〉の3曲がリクエストされました。アンコールでは出演者も少しずつ表現を変え、会場の一体感をよりよく味わうことができました。大学生活の最後に、素敵な音のブーケを贈ることができたのではないかと思います。

最後に、ターミナルケアという厳しい状況に音楽を届けるむずかしさと同時に、全力で演奏する楽しさを改めて感じた実習でした。

(松田彩起子・記)

2013年3月3日
兵庫県立明石西高等学校

雲雀丘学園3月3日(水)兵庫県立明石西高等学校(明石市二見町西二見1642-1)音楽室(音楽教諭・石津寛乃先生)で、1年生3クラスを対象とする「トロンボーン・コンサート」(各50分)を行いました。(トロンボーン・藤井美波、鶴房采花、吉田梨絵、ピアノ・松尾璃奈)。

今回は、トロンボーンという楽器の可能性とおもしろさを知り、体験することによって、トロンボーンに興味を持ってもらうことを目的としました。高校生対象のアウトリーチは初めてで、戸惑いもありましたが、小学校の時よりも話の内容を高めながら、親しみやすく話すように心がけました。

1曲目はトリオで、ムソルグスキーの組曲《展覧会の絵》より〈プロムナード〉(編曲・藤井美波)。まずは金管楽器の華やかな音色を披露しました。2曲目はソロで、プッチーニのオペラ《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ〉(編曲・山口景子)。「歌う楽器」トロンボーンの魅力を伝えます。3曲目はデュオで、スコット・ジョプリンの〈ジ・エンターティナー〉。この曲は出演者全員で知恵を出し合って編曲し、グリッサンドやフラッター等の特殊奏法や、ストレート・ミュート、ワウワウ・ミュート、マウスピースを使った音色の変化等、様々な仕掛けを盛り込みました。口笛を使って、生徒たちの笑いを誘う部分もありました。

このようにトロンボーンの多様な可能性を知ってもらった上で、音の出し方、楽器の歴史、使用される音楽ジャンル等を詳しく説明しました。

続いて、ピー・ボーン(プラスチック製トロンボーン)での楽器体験です。積極的な生徒もいれば、控えめな生徒もいましたが、音が出た時は皆楽しそうでした。

最後にトリオで、デヴィッド・ウーバーの組曲《マンハッタン・ヴィネッツ》より、〈イーストリバーに映る影〉〈パークアベニューのプードル〉〈チャイナタウンでのパレード〉〈ヴィレッジの祝祭〉〈セントラルパークでの戯れ〉の5曲を、ニューヨークの地図や写真を使って、それぞれの情景を説明しながら演奏しました。

3クラスでの実施で、回を重ねる毎に緊張もほぐれ、生徒たちとうまく接することができたので、楽しんでもらえたのではないかと思います。

(吉田梨絵・記)

2012年12月18日
雲雀丘学園小学校

雲雀丘学園12月18日(火)、雲雀丘学園小学校(宝塚市雲雀丘4‐2‐1)の音楽室において、4年生の4クラスを対象としたアウトリーチ実習(各40分)を行いました(トロンボーン・藤井美波、鶴房采花、吉田梨絵、ホルン・初田朋美、トランペット・米澤典子、祐成麻奈未、ピアノ・大谷梨恵)。

今回は「金管楽器を知ろう!」というテーマで、普段あまり馴染みのない金管楽器について深く知ってもらうことを目的として行いました。

まずトロンボーン三本と歌とピアノによる宮川彬良〈ゆうがたクインテット〉(編曲・吉田梨絵)で幕開け。続いて、今回のメイン楽器であるトロンボーンのトリオによるデイヴィッド・ウーバー《マンハッタン・ヴィネッツ》。アメリカのニューヨークはマンハッタン島の様々な情景を描いた七曲の組曲の中から、第一曲〈イースト・リバーに映る影〉、第五曲〈ヴィレッジの祝祭〉、第七曲〈セントラルパークでの戯れ〉を演奏しました。模造紙にマンハッタン島の地図を描き、各地区の写真を貼ったものを用意して、視覚的にも分かりやすい説明をめざしました。

次に、トロンボーン・デュオによるプッチーニのオペラ《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ〉(編曲・山口景子)。生徒たちは目の前の2本のトロンボーンが奏でる美しいメロディーに聴き入っていました。

ここで、ホルンとトランペットも登場。これら金管楽器の特徴や歴史、各楽器の違いなどを説明しました。マウスピースの大きさの違いを見比べたり、ホースを使って管の長さを比べたり、三種(トロンボーンとホルン、トランペット)の違いを実感してもらえるよう工夫しました。

最後は全ての楽器による《クリスマス・メドレー》(編曲・上明子)。〈ひいらぎかざろう〉〈ジングル・ベル〉〈神の御子は〉〈サンタが町にやってくる〉を次々と演奏すると、リズムにのって体を動かしたり、歌を口ずさんだり、生徒たちも楽しんで聴いてくれました。

プラスチック製のトロンボーン「ピーボーン」を紹介して、赤、黄、緑の三色のピーボーンで《マンハッタン・ヴィネッツ》の第二曲〈パーク・アベニューのプードルたち〉を演奏した後は、楽器体験のコーナー。生徒たちはトランペット、ホルン、トロンボーン(ピーボーン)のいずれかを選んで体験しました。楽器に触れるのはうれしかったようで、笑顔で帰って行く様子が印象的でした。

4クラスそれぞれで反応が違いましたが、音楽の山本雅子先生、岡村圭一郎先生と各組の担任の先生、見学者にもサポートして頂いて、回を重ねる毎に臨機応変な対応ができてよかったと思います。

(祐成麻奈未・記)

2012年11月15日
神戸市立医療センター中央市民病院

神戸市立医療センター11月15日(木)15時から、神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区港島南町2の1の1)講堂で「ハートフル・コンサート」を行いました。入院患者に加えて、院内放送を聴いて来場された方も多く、幅広い年齢層のお客様を迎えました。出演は熊谷瑞季(ピアノ)、松田彩起子(声楽)、藤井美波(トロンボーン)、鶴房彩花(トロンボーン)、濱優里子(フルート)の5名です。

このコンサートでは、各曲が「心」というキーワードに触れるよう工夫しました。季節感の感じられる中田義直の〈小さい秋見つけた〉や渡辺茂の〈たき火〉では、演奏に合わせてメロディーを口ずさむ方も多く、山田耕筰の〈この道〉を演奏した際には、聴いて涙を流す方もありました。

ジャズの揺れるリズムが小気味良いガーシュイン作曲〈アイ・ガット・リズム〉をトロンボーン独奏とピアノ伴奏で、プッチーニのオペラ《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ〉をトロンボーン二重奏で演奏。フルート・ソロによる安田芙充央の〈天上のフルート〜遠くの空へ〉では、ゆったりと音楽に身を預けて心安らぐ空間を演出できたと思います。アンコールも頂き、会場の皆さんで岡野貞一の〈故郷〉を合唱しました。

病院でのアウトリーチは初めてのメンバーが多かったのですが、対象者の大半が大人という環境で、その場にいる方々と一体になって音楽を楽しむことができたことを何よりうれしく感じました。

当病院のコンサートでは、これまで会場の客席を縦向きに配置していたものを、今回初めて横向きの楕円状にして配置するという試みをしました。演奏者とお客様の距離が近くなって、よい結果を生みましたが、会場リハーサルで演奏よりも椅子並べに時間を要してしまったのが一つの反省点です。音響や出演者の動線だけでなく、椅子の並べ方についても事前に綿密な打ち合わせを行うことを、今後の教訓としたいと思います。

(鶴房采花、熊谷瑞季・記)

2012年11月13日
西宮市立春風幼稚園

西宮市立春風幼稚園11月13日(火)10時から、西宮市立春風幼稚園(西宮市今津野田町2‐6)のホールで、園児を対象とする「春風幼稚園コンサート」(40分)の実習を行いました(トロンボーン・鶴房采花、ピアノ・大谷梨恵、ピアノ/トランペット・祐成麻奈未、声楽・米澤典子)。

普段聞く機会の少ないクラシック音楽に楽しみながら触れてもらうこと、金管楽器を知ってもらうことを目標にプログラムを組みました。

コンサートの幕開けは、後方から華やかに登場して、出演者全員による宮川彬良作曲〈ゆうがたクインテット〉です。続いてドイツ民謡〈山の音楽家〉では自己紹介を兼ねて各々が楽器を披露。金管楽器の迫力に目を大きく見開く子や、ピアノの演奏と共にリズムを取り出す子ども、演奏者の名札を見てうれしそうに名前を呼ぶ子など、温かな雰囲気でスタートしました。

次はヴェルディのオペラ《仮面舞踏会》からアリア〈空の星をご覧なさい〉。楽器紹介を兼ねてリチャード・ロジャース〈エーデル・ワイス〉をトランペットで、ガーシュウィン〈アイ・ガット・リズム〉をトロンボーンで演奏。トランペットについては、管の長さ(約150センチ)の紐と園児の身長を比較し、トロンボーンは何の動物に似ているかな、と質問して〈ぞうさん〉を聞きました。

ピアノ連弾によるブラームス〈ハンガリー舞曲第5番〉で音の強弱と緩急の変化を感じてもらった後、〈おおきなたいこ〉を子どもたちと一緒に歌と手拍子で表現。〈さんぽ〉の合唱ではトロンボーンも加わり、間近で見る楽器に子どもたちも興味を持った様子でした。

〈ロンドンデリーの歌〉をピアノ伴奏のトロンボーン独奏で演奏し、最後に吉田梨絵編曲による〈春風幼稚園園歌〉を会場の全員で演奏しました。アンコールはピアノ連弾によるシュトラウス〈ラデツキー行進曲〉で出演者がフォルテとピアノを指示し、園児もそれに合わせて手拍子で参加しました。原稿を持たずに話すことで、園児との距離も近づき、自然な進行を運ぶ力もつきました。見学の三年生と四年生が立ち位置の確認や運営を手伝ってくれたのも、よい結果に繋がりました。

(米澤典子・記)

2012年10月27日
野木病院

野木病院10月27日(土)13時45分より、野木病院(兵庫県明石市魚住町長坂寺字ッエ池1003‐1)にて1時間の「オータム・コンサート」を行いました。対象は野木病院のデイケアサービスを利用している60〜80歳代の約20人と職員約10人の計約30人。実習は初田朋美(声楽)、米澤典子(声楽)、祐成麻奈未(ピアノ)、大谷梨恵(ピアノ)の4人で行いました。

今回の実習のねらいは、普段聴く機会の少ないクラシック音楽に触れてもらうこと、全員参加型のアクティビティを行うこと、そして秋を感じさせる曲を入れることでした。曲間のお話しは自分自身の言葉で話したかったので、練習時からあえて台本は作りませんでした。

当日は聴衆の反応を見ながら、曲の解説を詳しくするかしないか、話すスピードをどうするか等、臨機応変に考えながら対応しました。電子ピアノを持参して、譜面台で演奏者の顔が隠れないように向きを水平にし、視覚的にも楽しんでもらえるよう工夫しました。

最初の印象が大切だと考え、拍手で迎えられた後、挨拶をせずに、モーツァルトのオペラ《フィガロの結婚》より〈序曲〉を声楽2重唱とピアノ連弾で演奏しました。その後、〈カーロ・ミオ・ベン〉、〈恋とはどんなものかしら〉、〈ハンガリー舞曲第五番〉(ピアノ連弾)、〈きらきら星変奏曲〉など、短い曲と長い曲を組み合わせて演奏しました。

歌曲を一緒に口ずさんでくれたり、ピアノ連弾で「ヘイ!」と合いの手を入れてくれたり、聴衆の自然な反応が私たちの緊張を解いてくれました。

全員参加型のアクティビティでは、人数が少なかったので、1人に1つずつ楽器(トライアングル、カスタネット、鳴子、タンバリンや太鼓)を配りました。初めは楽器を持ったことがないからと断る方もいましたが、職員の方々のお手伝いもあり、最終的には皆が楽器を持って演奏して下さいました。曲目は秋を感じさせる〈虫のこえ〉と〈村祭〉。楽器別に4グループを作り、4種の「虫のこえ」を表現した後、「村祭」で皆さんと私たちの全員で大合奏しました。最後にお客様1人1人と握手をして、パワーをもらいました。

(大谷梨恵・記)

2012年10月12日
大阪市立総合医療センター

大阪市立総合医療センター10月12日(金)14時半から大阪市立総合医療センター(大阪市都島区都島本通2‐13‐22)さくらホールで「オータム・コンサート」(40分)に出演しました(声楽・初田朋美、ピアノ・中島未来、フルート・濱悠理子、チェロ・湯浅亜佑美、トロンボーン・藤井美波、トロンボーン&ミュージック・クリエイション・吉田梨絵)。

患者さんの励みになるようなコンサートにしたいという思いで企画と練習を進めました。患者さんとの距離を近くするため、司会も暗記、演奏も暗譜をしました。選曲については、いろいろな楽器のそれぞれの魅力を感じてもらえるように考えました。

まずは山田耕筰〈からたちの花〉をメゾソプラノ独唱で演奏しました。曲に関心を持ってもらえるよう、山田耕筰がこの曲に込めた思いもお話ししました。続いてバッハ《無伴奏チェロ組曲》より〈第1番プレリュード〉では、チェロの豊かな響きや多声部の絡みに注目してもらいました。アイルランド民謡〈ロンドンデリーの歌〉はトロンボーン2重奏の甘いハーモニーを、ショパン〈幻想即興曲〉ではグランドピアノでの情熱的な演奏を聴いて頂きました。

アクティビティでは、スペイン民謡〈幸せなら手をたたこう〉を、手や足を動かしながら一緒に歌ってもらいました。患者さんは予想以上に大きな声を出して下さって、このアクティビティの後、会場の雰囲気がより暖かくなったように感じました。

後半の1曲目、安田芙充央〈天井のフルート〜遠くの空へ〉ではフルートの音色をしっとりと聴かせました。続いてロッシーニ〈ラ・ダンツァ〉をメゾソプラノ独唱で、ジョプリン〈ジ・エンターテイナー〉をトロンボーン2重奏で演奏し、アップテンポで軽快な音楽を楽しんでもらいました。最後の2曲は、出演者の吉田梨絵が編曲した山田耕筰〈赤とんぼ〉と岡野貞一〈ふるさと〉をメンバー全員で演奏しました。

涙を流しながら演奏を聴いて下さる方があったり、「生き生きとした姿に夢をもらいました」というお手紙を頂いたりして、私たちは音楽で社会や人に貢献することができるのかもしれないと、自信を得ることができました。

(藤井美波・記)

2012年10月3日
国立療養所兵庫中央病院

兵庫中央病院10月3日(水)14時半から、国立療養所兵庫中央病院(三田市大原13-4)の「オータム・コンサート」(45分、3階デイルーム)に出演しました(声楽・初田朋美、松田彩起子、トロンボーン・藤井美波、トロンボーン&ミュージック・クリエイション・吉田梨絵、ピアノ・中島未来)。

病院生活の中で私たちの演奏が少しでも患者の皆様の心の支えとなるよう、1人1人が心を込めて演奏すること、2重奏やアンサンブルを取り入れて音楽の楽しさや美しさを伝えることで、素敵な時間を過ごして頂けるようにと考えて、プログラムを構成しました。

まず、歌とピアノで山田耕筰〈からたちの花〉、中田喜直〈わたしと、ことりと、すずと〉と〈こだまでしょうか〉を独唱。次にトロンボーン2重奏で〈ロンドンデリーの歌〉、再び独唱でロッシーニ〈ラ・ダンツァ〉、出演者全員で〈幸せなら手をたたこう〉を演奏しました。〈幸せなら手をたたこう〉では、患者の皆様にも一緒に体を動かして頂いたところ、たくさんの笑顔を見ることができました。

続いて、ヘンデル〈私を泣かせてください〉、ビゼーのオペラ《カルメン》より〈ハバネラ〉を独唱。次に、トロンボーン2重奏で〈ジ・エンターテイナー〉を演奏すると、ベッドに横になっていた方も、起き上って足などを動かしながら聴いて下さったので、その反応に驚きました。

最後に、吉田梨絵編曲による全員アンサンブルで〈赤とんぼ〉と〈故郷〉を演奏。〈故郷〉は会場の皆様にも一緒に歌って頂きました。多くの方が一緒に歌って下さって、中には涙を流しながら聴いて下さる方もありました。たくさんの拍手とアンコールまで頂いて、〈ふるさと〉をもう一度演奏しました。

このコンサートは、私たちにとって初めてのアウトリーチ実習だったので、不安と緊張もありましたが、気持ちを込めて演奏する大切さと、プログラム構成の組み方など、学ぶことの多い貴重な経験となりました。この経験を今後のアウトリーチに生かしていきたいと思います。兵庫中央病院のみなさま、本当にありがとうございました。

(初田朋美・記)

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