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2020年度アウトリーチ活動記録

2020年10月8日
西宮市立門戸幼稚園

10月8日(木)10時15分から、西宮市立門戸幼稚園(西宮市門戸東町3-25、園長・阿部久美先生)にて園児対象の「門戸幼稚園コンサート〜動物たちの音楽の運動会〜」(45分)を行いました。演奏はヴァイオリン・藤井輝誉、中原真依、ヴィオラ・玉置華、声楽・鳩山冴映、ピアノ・大村麻衣の5名です。 「動物たちの音楽の運動会」をテーマに、楽器によるアンサンブルの違いや弦楽器の奏法による聴こえ方の違いを感じてもらえるよう、プログラムを進めました。

始めにカール・タイケ作曲〈旧友〉をヴァイオリン2台、ヴィオラ、ピアノで演奏し、音楽の運動会の幕開けです。子どもたちは全身でリズムに乗ってくれました。 次にドイツ民謡〈山の音楽家〉で楽器のアピール大会を行いました。ヴァイオリンをリスとヒツジ、ヴィオラをクマ、歌を小鳥、ピアノをウサギが楽器紹介しました。すべての楽器を一度に紹介するにあたり、各楽器の持ち時間を短く簡潔にすることで退屈を防ぎました。続けてポーランド民謡〈クラリネット・ポルカ〉をヴァイオリンとヴィオラで演奏し、2つの楽器の駆け引きを綱引きのように表現しました。視覚的にも伝わるように、メロディを弾く時は一歩前に出て、伴奏に移ると一歩後ろに下がりました。

ここで雰囲気を変えて、声楽のソロでシューベルト作曲〈笑いと涙〉を歌い、小鳥がみんなの応援をしている様子を表しました。子どもたちはドイツ語にも興味を持ち、真剣な面持ちで聴いていました。小鳥さんの歌に元気をもらったところで、ヴァイオリン三重奏でパッヘルベル作曲〈カノン〉を演奏。メロディの追いかけっこが聴き所の曲に続き、オッフェンバック作曲(松尾璃奈編曲)《天国と地獄》でリレーの様子を音楽で表現しました。 次は、秋の曲を宝に見立てて宝探しです。《秋の童謡メドレー》(鳩山冴映編曲)の中にどんな秋の曲が入っているか、子どもたちは楽しそうに探していました。中でも普段、門戸幼稚園でよく歌っている〈どんぐりころころ〉が大人気で大きな声で反応があり盛り上がりました。
続いてアンダーソン作曲〈プリンク・プランク・プランク〉をヴァイオリン2台とヴィオラで演奏。この曲は全てピッツィカートで演奏するので、こそこそと作戦会議をする様子の表現です。突然音量が小さくなるところでは、子どもたちが特に耳を澄まして聴いていました。

作戦会議の雰囲気から一転、次は、ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノのみんなでダンス・バトルを表現しました。曲はモンティ作曲〈チャルダッシュ〉です。ピアノの情熱的な演奏から始まり、すべての楽器が個性豊かに歌い、ヴァイオリンが駆け抜けて終わります。最後はエルガー作曲〈愛の挨拶〉を演奏し、動物たちの挨拶で音楽の運動会を締めくくりました。 子どもたちは、体を揺らしたり、お友達と顔を見合わせて微笑んだりして楽しそうに聴き入ってくれました。その様子を間近で感じ、私たちも自然と笑顔になれました。子どもたちと別れる際、「ありがとう」「また来てね」とうれしい言葉をたくさんもらいました。

(中原真依・記)

2020年11月12日
西宮市立子育て総合センター付属あおぞら幼稚園

11月12日(木)10時から西宮市立子育て総合センター付属あおぞら幼稚園(西宮市津田町3-40、園長・河ア祥子先生)にて園児・乳幼児・保護者を対象とした「秋のコンサート」(40分)を行いました(ヴァイオリン・中原真依、野地紗由美、ヴィオラ・玉置華、ピアノ・大村麻衣・中村未奈)。
演奏者はそれぞれリス、ヒツジ、クマ、ウサギ、小鳥のお面をつけ、「動物たちによる音楽の運動会」をテーマに、緩急をつけたプログラムを考えました。

始めに動物たちからのご挨拶として、エルガー作曲〈愛の挨拶〉をヴァイオリン二台とヴィオラ、ピアノで演奏し、メロディの移り変わりに注目してもらいました。続いて、運動会の入場行進曲として、タイケ作曲〈旧友〉を同じ編成で演奏しました。
次に楽器紹介を兼ねて〈山の音楽家〉を演奏し、ヴァイオリン紹介ではヴィヴァルディ作曲《四季》より〈秋〉を、ヴィオラ紹介ではドヴォルザーク作曲〈ユーモレスク〉を、ピアノ紹介ではモーツァルト作曲〈トルコ行進曲〉を演奏。それぞれの楽器の音色と特徴を知った上で、再び〈山の音楽家〉を演奏して、アンサンブルを感じてもらいました。

ここから「運動会の競技」に入り、まずは「リスとクマの綱引き」と称し、ポーランド民謡〈クラリネット・ポルカ〉でヴァイオリンとヴィオラを比較しました。次にヴァイオリン3台とピアノで、パッヘルベル作曲〈カノン〉を演奏し、メロディの重なりを「動物たちの追いかけっこ」に見立てました。追いかけっこは延長戦へ。ヴァイオリン2台とヴィオラ、ピアノでオッフェンバック作曲《天国と地獄》より〈序曲〉を演奏し、音の長さや強弱の変化に注目してもらえるよう意識しました。

《秋の童謡メドレー》では「宝探し」と称し、いくつ曲が繋がっているかを探してもらいながら、〈紅葉〜虫の声〜小さい秋〜どんぐりころころ〜真っ赤な秋〜赤とんぼ〉を聴いてもらいました。子どもたちにとって馴染みのある曲とそうでない曲とで反応の違いがはっきりと分かりました。 動物たちの運動会は佳境に入り、ラストに向けた作戦会議として、アンダーソン作曲〈プリンク・プランク・プランク〉をヴァイオリン2台とヴィオラで演奏しました。この曲はすべて弦を指ではじく「ピツィカート」で演奏され、途中トライアングルの合いの手も加え、プログラム中のアクセントになったように感じます。最後の競技は「ダンス対決」で、モンティ作曲〈チャルダッシュ〉は曲調の明暗や、テンポの緩急、演奏法など曲中でさまざまな変化があり、盛り上がって終えることができました。

 コロナ禍によりアクティビティを行えなかったため、曲の長さやストーリー、曲中の変化を熟考しました。子どもたちは音楽に合わせて手を叩いて体を揺らし、私たちの問いかけにも大きな声で答えてくれる場面もあり、楽しんでいる様子が窺えました。今回のテーマに親しみを持ってもらえたと実感しています。

(玉置華・記)

2020年12月4日
雲雀丘学園小学校

 12月4日(金)雲雀丘学園小学校(宝塚市雲雀丘4-2-1、音楽教諭・岡村圭一郎先生、垣内賀瑛先生)で4年生4クラスを対象とした実習(各クラス45分)を行いました(ヴァイオリン・中原真依、藤井耀誉、ヴァイオリン/ヴィオラ・玉置華、声楽/ピアノ・鳩山冴映、ピアノ・佐々木里緒、井本斐)。 「弦楽器の魅力〜アンサンブルを聴いてみよう〜」と題し、弦楽器とアンサンブルの魅力を軸としてプログラムを構成しました。

演奏を聴くにあたって「音色」「演奏形態」「演奏技法」の3点に注目するよう、スライドを使って生徒たちに促しました。  始めにエルガー作曲〈愛の挨拶〉をヴァイオリン2台、ヴィオラ、ピアノで演奏しました。エルガーの愛や感謝が感じられる甘いメロディの「音色」、メロディの移り変わりや息を合わせて演奏するアンサンブルの様子を注目ポイントとしました。次にヴァイオリンとヴィオラの楽器紹介で2つの楽器の違いを解説した後、ポーランド民謡《クラリネット・ポルカ》をデュオで演奏し、実際の音色の違いを感じてもらいました。その後、弦楽器の音が鳴る仕組みを「人の声が声帯の振動によって出る仕組みと同じように弦が振動している」と解説し、声楽と弦楽器の響きが似ていることを伝えた上で、R.シュトラウス作曲〈万霊節〉をソプラノで独唱しました。

次にバルトーク作曲《ルーマニア民族舞曲》より第一・三・六曲をヴァイオリン独奏で演奏。この曲にはヴァイオリンの様々な演奏技法が盛り込まれており、倍音を響かせる「フラジオレット」や2つ以上の音を同時に弾く「重音」が用いられ、テンポの変化も相まって緩急がつき、生徒たちの興味を引く1曲となりました。続いて弦を指ではじく「ピツィカート」の魅力が詰まったアンダーソン作曲〈プリンク・プランク・プランク〉をヴァイオリン2台とヴィオラで息を合わせて演奏しました。次にショスタコーヴィチ作曲《2台のヴァイオリンとピアノのための5つの小品》より第一・五楽章で、第一楽章は2台のヴァイオリンの流れるようなメロディと豊かな響きが、第五楽章は軽快なリズムに乗ったピツィカートや重音の掛け合いがそれぞれ特徴で、楽章ごとの雰囲気の違いを感じてもらいました。 続いて弦楽器とピアノのアンサンブルでモンティ作曲〈チャルダッシュ〉を演奏しました。これまでに紹介した演奏技法の効果も発揮される曲として、プログラム終盤に位置付けました。

最後にマスカーニ作曲のオペラ《カヴァレリア・ルスティカーナ》より〈アヴェ・マリア〉を弦楽器とピアノ、声楽で演奏し、切なる祈りを込めた美しいメロディをお届けしました。 同じプログラムを1時間目から4時間目まで4回行い、クラスによって反応が違うことを体感し、生徒たちにより分かりやすく伝わるよう時間配分や言葉選びなどを毎回工夫しました。弦楽器の魅力とアンサンブルの楽しさが生徒たちに伝わっていればうれしいです。

(玉置華・記)

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