音楽によるアウトリーチ 神戸女学院大学音楽学部
取組について メッセージ 活動紹介 お客様の声 今後の予定 よくあるご質問 お問合せ サイトマップ 関連リンク
Home > 活動紹介 > 過去の記録 > アウトリーチ関連講演会およびワークショップ 2006年度

アウトリーチ関連講演会およびワークショップ 2006年度

アウトリーチ関連講演会およびワークショップ

「音楽によるアウトリーチ」では、地域での音楽活動をより豊かに展開するために、多面的な学びをめざして関連の講演会やワークショップを行っています。国の内外で活躍している演奏家や、各分野の専門家を招いての講演会およびワークショップについて報告します。

講演会シリーズ

〜第4回 仲道郁代氏「音楽を感じるということ、伝えるということ」〜

12月8日(金)、「神戸女学院大学音楽学部アウトリーチ教育アドヴァイザー」にお迎えしたピアニストの仲道郁代氏の講演会を行いました。昨年度に引き続き2回目の講演会となった今回のテーマは、「ピアノで遊ぶ」というものでした。

そのテーマの通り、ただじっと座ってお話を聞く講演会ではなく、参加者も五感を存分に使い、体も動かす事の出来るとても楽しいものでした。田中カレン作曲の《光のこどもたち》を使いながら、香り、風景、気温、天気などを具体的に想像し、音楽から受けることの出来る感覚とはどういったものかを、楽しく、しかしとても深く掘り下げて、イマジネーションを膨らませてくださいました。

また、講演会の後にディスカッションも行いました。そこでは、将来音楽を使って仕事をしていく為の方法や、調性のお話、仲道さんご自身がベートーヴェン全曲演奏会を通して感じていらっしゃる事など、たくさんの事をお話しくださいました。参加者からは「普段、曲のタイトルや標題、テーマにとらわれがちですが、講演会中に周りの人を見回すと、曲そのもののイメージで動いている人も居て勉強になりました」「音楽家というのは、自分のイメージしていることを人に押し付けるのではなく、自分の演奏を通じてたくさんの人にイメージ作りのきっかけを与える存在だと思いました」「『誰も完成したと思って演奏している人はいない。どんどん弾いたらいいのよ』と言われる力強い一言にハッとしました」といった声が寄せられました。

ワークショップ

〜第4回 エドワード・ビーラウス先生「アウトリーチ基礎教育」〜

2006年の7月、ニューヨークのジュリアード音楽院からエドワード・ビーラウス先生を本学にお招きして、アウトリーチの基礎教育のワークショップを二週間にわたって実施しました(7月3〜14日)。

ビーラウス先生はジュリアード音楽院の作曲科主任教授で、作曲の分野でもご活躍ですが、同時に音楽教育においても優れた卒業生を多数送り出して大きな成果を上げておられます。1980年代に同音楽院で「Insights into Learning: An Introduction to Music Pedagogy」という授業を立ち上げた創設メンバーのお1人で、今もこの科目を担当しています。昨年秋、ニューヨーク視察の際にこの授業を実際に教室で拝見したのがきっかけとなって今回の来日が実現しました。

まず7月1日(土)、アウトリーチ履修生が出演する「子どものための七夕コンサート」を見て学生の様子を把握して頂きました。7月3日(月)には講堂で「現代アメリカ音楽の潮流〜エリオット・カーター、スティーヴ・ライヒ、ジョージ・クラム〜」と題する講演をして頂いて、その際、自作の《Lucid Dreams》なども紹介されて格好の講師紹介となりました。


7月3日から2週間にわたって毎日90分のワークショップを10回行いましたが、その基本方針は「まずは経験すること、知識を与えるのはその後で」というもの。まずは素材と付き合って創作的な遊びをする中で、芸術家が行う創造行為を追体験し、その上で芸術作品に接することで、自らその意味や意義が分かるようになるという考え方です。それを抽象絵画やコンテンポラリーダンス(協力:音楽学部舞踊専攻)といった音楽以外のジャンルで試した上で、音楽そのものの世界でどう考えるかというステップに入っていきました。

実際の授業プランにおいては、明確な目的を立てて、それで全体を貫くことを強く求められました。あれもこれもと盛り沢山なコンサートにするのではなく、1つの概念をきっちりと教えることに重点を置くという形です。その目的を達成するための切り口を見つけ、またそれにふさわしいアクティヴィティを考案するところまでを、ストラヴィンスキーの《兵士の物語》を例に2グループに分かれて実践しました。

学生たちは絵を描いたり体を動かしたり、また普段それほど馴染みのない現代音楽について考えたりといった活動に、始めはやや戸惑いながらも積極的に取り組んで、最終的には非常によい学びとなった様子です。それは最終日のディスカッションに端的に現れていました。今後も来日の機会がありましたら、ビーラウス先生にはぜひ再度ワークショップをして頂きたいと思います。

なお、今回の講演会ならびにワークショップについては、大学院英文学専攻通訳・翻訳コースの皆様から全面的なバックアップを頂きました。入念な準備に裏打ちされた見事な同時通訳で、学生とビーラウス先生との意思疎通を円滑に行って頂きましたことに感謝申し上げます。