コラム

2026.01.07 同性婚訴訟の行方(文学部 教授 米田真澄)

 憲法24条1項は「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と定めています。長らく「結婚は異性間」とみなされてきました。しかし、2000年以降、同性婚を認める国が増えています。2001年のオランダを皮切りにヨーロッパを中心に同性婚の法制化が進んでいきます。アジアでは台湾が2019年に同性婚を認め、ネパール、タイが続いています。

 日本ではどうでしょう。今では300以上の自治体が「パートナーシップ制度」を導入しています。しかし、この「パートナーシップ制度」は法律上の婚姻が認められない中で同性カップルが医療、住居、相続などで不利益を受けないようにするために導入された制度です。当事者にしてみればなぜ「パートナーシップ制度」のみ適用なのか、憲法14条1項は「法の下の平等」を認めているのにと思います。

 今、同性婚を認めないのは憲法違反であるとする集団訴訟が進行中です。訴訟は、2019年に5つの地裁(札幌、名古屋、大阪、東京、福岡)で起こされました。2021年には別の同性カップルたちが東京地裁に訴えています(東京第2次訴訟)。地裁では大阪地裁のみが合憲。他は「違憲」または「違憲状態」と判断しました。

 続く高裁では、2019年の訴訟についてはどの裁判所も同性婚を認めないのは「違憲」だとしましたが、東京第2次訴訟では合憲判決が下されました(2025年11月28日判決)。これで、集団訴訟の高裁判決は出揃いました。2026年中には最高裁の判断が下されますので、注意して見守ってください。

執筆者(執筆時点):
文学部 総合文化学科 教授 米田真澄
女性学インスティチュート(新名称:ジェンダーインスティチュート)
9代ディレクター(2010.4.1~2014.3.31)

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