アート・マネジメント

卒業生の活躍

プログラムを通じて得た気づきや指針を生かし、キャリアデザインの軌跡を描くことができています

文学部 総合文化学科 2010年卒業
 古田 奈緒美さん

写真:文学部 総合文化学科 2010年卒業 古田 奈緒美さん

「現場ではまずゴミを拾いなさい」という橋本治さんのアドバイスを指針に

受講してとても驚いたのは、アートという分野で多彩なキャリアをお持ちで、ご活躍されている方々に、講師やゲストスピーカーとして来ていただけたことです。どの先生も理詰めではなく、ご自身の体験やワークショップを通じて、「アート・マネジメントに仕事として携わるとはどういうことか」「働くとはどういうことか」について教えてくださいました。

なかでも印象に残っているのは、国立劇場の矢内賢二先生に、インターンとして女流義太夫の鶴澤寛也さんの舞台裏にてプロデューサーの仕事をお手伝いさせていただいた日のこと。ちょうど同日に橋本治さんの薩摩琵琶の会があり、その打ち上げにも参加させていただけることになり、貴重なお話を伺うことができました。

特に、「アート・マネジメントに携わる仕事をする際のアドバイスをいただけますか」という私たちの問いに、「現場ではまずゴミを拾いなさい。ゴミを拾えるのはすべて見えている人だけだから」と橋本さんが答えてくれたことは、今でもよく覚えています。ゴミすら見えていないのならすべては見えていない。この心得は、今、わたしが仕事に取り組む際の大切な指針となっています。

仕事に向き合う姿勢、心構えを学ぶ機会に

キャリアデザインプログラムは、何かの資格を取るわけでも、会社において即戦力となるスキルを身に付けるわけでもありません。しかし、本プログラムを通じて様々な先生の仕事に対する向き合い方に触れたことで、「大人がどのように働いているのか」「自分が働くこととはどのようなことか」といった、仕事に対する姿勢や心構えを学んだ気がします。

実際、社会人として働くようになってからは、与えられた仕事だけでなく、「今自分はどのような役割を果たすことを期待されているか」を常に自問自答し、ひたむきに取り組んできました。そして次第に、任される仕事も増え、ひとつ、またひとつとキャリアを積み重ねていくことができたように感じます。このキャリアデザインの軌跡を描く力、それを培ってくれたものが本プログラムであったと今になって思うようになりました。

ピンときたら、ぜひ迷わずに受講を!

現在、私は神戸三宮の旧居留地にある法律事務所でパラリーガル(弁護士秘書)として働いています。アート・マネジメントコースの同期には、私のような企業で働く人もいれば、日本学術振興会の特別研究員として日本美術史を研究している人や、デザイン事務所でデザイナーをしている人もおり、進路は様々です。しかし、将来どのような進路に進むことになっても、本プログラムを通じて自分だけの、大切な"気づき"を得ることができると思います。何に気付くのかは人それぞれですが、間違いなく新たな発見があります。

ピンとくるものがあれば、ぜひ迷わず受講してみてください!

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