在学生向け

【重要】生成系AI(人工知能)の利用についての考え方

学生の皆さんへ

生成系AI(人工知能)の利用についての考え方

2023523日 神戸女学院大学
 

 ChatGPTなど生成系AI(人工知能)の利用について、現段階での神戸女学院大学の考え方をお知らせします。

 まず、「論文・レポートにおいて盗用・剽窃に類する行為がなされたと担当教員が判断した場合は、当該科目の当期成績を0点とする。」という修学規則の規定は、ChatGPTなど生成系AIを利用した場合にも当然適用されます(注)。安易な利用によってこのようなことにならないよう、くれぐれも注意して下さい。

 さて、AIの進歩はとどまるところを知らず、もはやそれを拒否したり否定したりして社会生活を営むことは困難となっています。日本では政府や自治体が、すでにその活用に向けた検討を始めています。私たちに求められているのは、それを適切に利用する能力(リテラシー)を身につけることです。
 このことを前提に、以下ではChatGPTを事例として本学の考え方を説明していきます。

 利用者の質問に対して簡潔かつ自然な文章で回答してくれるChatGPTは、昨今利用者が急増しています。単なる情報検索にとどまらず、文章の添削、校正、要約からアイデアの提案まで幅広く対応してくれるChatGPTは、Webの利用のあり方そのものを、ひいては人間社会のあり方を今後大きく変えていく可能性を秘めています。

 しかしChatGPTには、個人情報の漏洩、著作権の侵害、不正な情報収集の恐れなどの可能性があることが指摘されており、その利用に慎重な意見もあります。また、情報が不正確で、安易な利用が誤った情報の拡散につながることも、問題視されているところです。

 私たちはこうした問題点が指摘されていることを理解し、特に誤った情報を利用した場合や、意図せず入力した情報によって個人情報などを流出させたりした場合の責任は自分が負わなければならないことを、まずしっかり認識しておく必要があります。

 さらに、大学での学びにおいては、これにとどまらない問題があります。

 大学での学びにおいては、ねつ造・改ざん・盗用に代表される不正行為は厳に戒められるところで、神戸女学院大学でも、レポートや論文の作成に当たって、これらの不正行為がないように厳しく指導してきています。
 これは、自分で文献・資料を読んだり、実験・観察を行ったりした結果を、自分の頭で考え、オリジナルな成果としてアウトプット(レポートや論文を作成)することを、大学における学びの基本と考えているからにほかなりません。こうして得られた能力は、卒業後にどのような職業に就くとしても、応用可能な基礎的人間力として役立つものです。

 ChatGPTの利用が、大学で本来身につけるべきそうした能力の育成を妨げることがあってはなりません。ChatGPTの回答を何の検証もなくそのまま信じたり、文章をChatGPTに代筆させたりする行為は、残念ながら私たちを怠惰にし、知性を劣化させていきます。私たちは何よりも、地道な学びを通して、ChatGPTを適切に利用できるだけの充分な知識、教養、リテラシーをまず身につけることが大切です。

 ChatGPTの利用を一概に禁ずるものではありませんが、その利用に当たっては、上記のことを充分に認識し、みずからの成長につながる学びに役立てていただきたいと強く願うものです。

 以上、ChatGPTを事例に本学の考え方を説明してきましたが、その他の生成系AIの利用についても、基本的な考え方は変わりません。

 ChatGPTを含む生成系AIは日々進化しており、その評価も変化しつつあります。今後、状況に応じて本学の考え方を変更する場合は、その都度お知らせします。

(注)「Universal Passport」→「教務課」→「引用と盗用、剽窃について」を参照のこと。

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