神戸女学院大学 学長 中野 敬一

未来を拓く豊かな学び

神戸女学院は、今から150年前の1875年、アメリカから来日した2人の女性キリスト教宣教師によって創立されました。彼女たちがめざしたのはキリスト教の教えに基づく教育です。「愛神愛隣」の標語を掲げ、隣人を愛し、隣人のために行動できる人を育みたいという願いによるものでした。

隣人を「愛する」とは隣人に「関わる」ということです。関わるためには相手が置かれている立場や状況を知ることが重要であり、豊富な知識や経験が求められます。神戸女学院大学のリベラルアーツ教育は視野を広げて異なる領域をつなげ、あなた自身の世界を広げていく学びです。その学びを通して自分がまだ気づいていない、自分の中にある可能性を見つけてください。あなた自身のため、そして隣人のために学ぶ喜びを知っていただきたいと思います。

創立時の宣教師たちは女性教育にも力を注ぎました。当時は女性が学ぶことへの明らかな差別や偏見があった時代でした。女性は背を丸めてうつむきがちに歩いていたそうです。宣教師の一人であるタルカットは「背筋をまっすぐにして歩きなさい」と教え、日本の女性たちに、自信を持って主体的に生きることの大切さを説かれました。私たちも女性のさらなる活躍を応援し、全ての人が尊重される社会の実現を求めつつ、学生一人ひとりをサポートしてまいります。

2025年、神戸女学院は創立150周年を迎えます。キリスト教主義、国際理解の精神、リベラルアーツ教育、女性教育、少人数教育という創立以来の教育方針を維持しつつ、さらなる発展をめざしてまいります。

2024年に開設した「国際学部」と「心理学部」に続いて、新たに「生命環境学部」が誕生します。広がる学びの世界にどうぞご期待ください。

私たちの学び舎に皆さんをお迎えできることを楽しみにしています。