研究・教育

音楽の新たな可能性を探るアウトリーチ~神戸女学院創立150周年記念めぐみ寄付講座「リベラルアーツへの招待」第5回が開講されました~

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神戸女学院創立150周年を記念し、全学部学科の学生を対象とした科目として、同窓生で組織する「神戸女学院めぐみ会」による寄付講座「リベラルアーツへの招待」の第5回が、610日(火)開講されました。
5回は、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎先生、ピアニストの西村由紀江先生、チェリストの柏木広樹先生を講師に迎え、講義を交えたアウトリーチ講座として開講されました。
講座の幕開けは、葉加瀬先生の代表曲「エトピリカ」。そして、本日のテーマ「クラシック音楽とは?」「新しいクラシック音楽とは?」について、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの作品が「賞味期限の長い音楽」であるという考え方を軸に、音楽の永続性について語られました。
続いて、講師陣がそれぞれ作曲した曲を披露。30年来の仲間であり、近年はピアノトリオとして音楽を深く研究してこられたお三方。葉加瀬先生の編曲依頼にまつわる秘話が柏木先生から語られるなど、貴重な創作の裏話も明かされました。
さらに今回は、作曲家アストル・ピアソラに焦点を当て、彼がアルゼンチンタンゴに革新をもたらした軌跡を紹介。代表曲3曲の演奏を交えながら、お三方の「ピアソラの言葉を理解する」ことにこだわって研究を重ねてきた背景が紹介され、「言葉が分からなければ音楽の研究はできない」という信念を学生たちに伝えられました。

 学生に向けては、「好きな作曲家を見つけること。そして、その人の言葉を得ること」が音楽を学ぶ上での鍵となると語った葉加瀬先生。そして、ご自身も長年の仲間と音楽を続けていることの喜びを語りつつ、「今こそ大切な仲間との関係を築いてほしい。一生ものになる」という力強いメッセージが届けられました。
学生たちは、音楽の持つ普遍的な力と、創作の過程に秘められた深い思索に触れ、大きな刺激を受けたようでした。演奏が終わっても学生たちの拍手が鳴りやむことがなく、講座は大盛況のうちに終了。重要文化財でもあるエミリー・ホワイト・スミス記念講堂に響き渡った時にやさしく、時に情熱的な旋律と、お三方の想いが伝わる、忘れがたい時間となりました。

この「リベラルアーツへの招待」は、本学出身者を含む、各界の第一線で活躍中の方々をお招きし、その経験、考え方、本学学生へのメッセージ等を聞くことで各自の学びや生き方を見つめ直すきっかけとするとともに、愛と奉仕の精神、豊かな感受性、想像力と企画力、主体的に学び続ける力などの、「本学で育む7つの力」を養うことを目的とし、全8回の日程で開講される予定です。


神戸女学院大学 入学センター・広報室

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