研究・教育

沖縄県やんばる地域で発見されたニホンジカの由来を解明 ―遺伝解析で明らかとなる国内外来種の移動経路―

生命環境学部の高木俊人専任講師らの研究チームは、沖縄県やんばる地域で2024年10月に目撃されたニホンジカが宮城県の金華山島から半世紀以上前に持ち出された系統であること明らかにし、このたび論文として発表されました。


沖縄島北部のやんばる地域は、ヤンバルクイナなどの貴重な野生生物が生息しており、2021年にはユネスコ世界自然遺産に登録されています。この地域で、2024年10月21日、オスのシカ類が目撃されました。沖縄島には本来、在来のシカは生息していないため、やんばる地域でのシカの確認は初めてのことで、大きな話題となりました。このため、「人為的に持ち込まれた可能性が高い」との懸念が早くから指摘されていました。そこで、神戸女学院大学、森林総合研究所、南西環境研究所、福島大学、山形大学の共同研究グループは目撃地点付近で採取したシカ類の糞便サンプルからDNAを抽出し、性別と個体の由来を調べました。その結果、やんばるの森で採取された糞は、オスのニホンジカのものであり、宮城県・金華山島のニホンジカ集団と非常に近い遺伝的特徴を持っていたことから、人為的に移動された個体であることが明らかとなりました。今後は個体の逸出に迅速に対応できるだけでなく、逸出自体を防ぐことができる制度など行政の取り組みを整備することが必要です。

 

本研究の成果が、2026年3月6日に、日本哺乳類学会が発行する国際学術誌『Mammal Study』にてオンライン掲載されましたので、ご報告いたします。 

【プレスリリース記事】
沖縄県やんばる地域で発見されたニホンジカの由来を解明 ―遺伝解析で明らかとなる国内外来種の移動経路―
【論文】https://doi.org/10.3106/ms2025-0044

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