環境・バイオサイエンス学科

理想の先に、新しい世界が広がっている

- 職種にとらわれないはたらき方 -

株式会社インテリム勤務 田村さん

田村さんが勤めている株式会社インテリムは、製薬会社や研究機関からの依頼を受け、病院と連携して医薬品などの治験を行う機関です。田村さんが担当しているのは再生医療に関わる製品。難病をはじめとした有効な治療法が確立されていない医療ニーズに応えるべく、多岐にわたる業務に活躍しています。再生医療分野では業界をリードするインテリム内でも、トップランナーとして期待されているのだそう。
そんな田村さんは、どのような大学生活を送っていたのでしょうか?充実していたという4年間を振り返ってもらいました。

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仮説・実験・検証の流れがおもしろい

中学生の頃から数学が好きで、高校でも理化学科でした。進学先を考えるようになったきっかけは、抗がん剤の効果について大学の薬学部と共同研究を行なったこと。仮説を立てて実験し、検証するという一連の流れが普段の授業とまったく違い、「研究っておもしろい」と思うようになりました。
神戸女学院大学の環境・バイオサイエンス学科にはさまざまな分野の研究室があり、そのなかから自分に合うものを探すことができます。授業を受けるなかで、自分の身体に直接関係のある食品分野に興味を持つようになりました。
卒業論文では、タンパク質を消化することによって生成されるペプチドを研究。ペプチドのなかには抗酸化作用をもつものがあるのですが、どのようなアミノ酸配列であればその作用がもっとも高まるのかを検証しました。ペアを組んだ同級生と着実にデータを集め、仮説通りのデータが得られたときには大きな達成感があったことを覚えています。

仕事でも役立つ、通訳・翻訳プログラムでの学び

入学前から「神戸女学院大学は英語教育が充実している」と聞いていたので、積極的に受講するようにしていました。
通訳として第一線で活躍されている先生方に指導していただける「通訳・翻訳プログラム」も受講。英文学科の学生が多く、最初は知り合いもいなかったので緊張感はありましたが、それがむしろ集中して学ぶことにつながったと思います。プレゼンテーション動画の同時通訳など、最初は難易度が高いと感じることもありましたが、繰り返し挑戦するなかで少しずつコツを掴むことができました。単に読み書きだけでなく、「話者の意図を伝える」ということを実践的に学べたと思います。
今の会社では、海外の部門と英語でやりとりすることが少なくありません。メールを送るときには通訳・翻訳ブログラムで学んだことを思い出し、言いたいことを端的に伝えられるように心がけています。

専門科目にとらわれず、幅広い分野を受講

神戸女学院大学では教育の柱のひとつとして「リベラルアーツ教育」を掲げていることもあり、通訳・翻訳プログラムをはじめ幅広い分野の授業を受けることができました。
とくに印象に残っているのは宗教学の授業。気候や風土によって文化が異なり、その土地ならではの考え方や宗教が根付いていると知りました。その土地ならではの風習や通過儀礼があり、そこに生きる人々の価値観の形成に関わっているという知見を得たことは、異文化や他者を尊重する姿勢につながったと思います。
またどの授業も少人数で先生との距離が近かったので、より深く学ぶことができました。課題に対して、丁寧なフィードバックをいただいたことも。返却されたレポートに「あなたがこのクラスにいてくれたことを誇りに思います」というコメントが添えられていたときには、いつも気にかけてくださっていたことが伝わってきてとても感動しました。

私はまだ、理想の先に広がる世界を知らない

私は理系の研究に理想を抱いて大学に入学しましたが、4年間を通して英語、生物、植物、自然、宗教など、多彩な分野の授業を受けることができました。そのなかで実感したのは、ひとつのことだけに絞るのではなく、いろいろなことに挑戦するほうが自分の性格に合っているということ。理想の姿にとらわれるのではなく、一歩踏み出したところに広い世界が広がっていると知れたことは、大学生活の大きな収穫でした。
現在の会社には「臨床開発モニター」という専門職として入社しましたが、営業やコンサルティングなどの仕事にも携わることができます。これからも職種の垣根を越え、さまざまな分野に挑戦するのが目標。理想の先に、新しい世界が広がっていくことを楽しみたいです。

Profile

環境・バイオサイエンス学科
田村さん 株式会社インテリム勤務

2015年、兵庫県立神戸高等学校を卒業。2019年に神戸女学院大学人間科学部環境・バイオサイエンス学科を卒業し、臨床開発モニターとして株式会社インテリムに入社。当初はがん領域以外の疾患を扱う臨床開発部に所属していたが、社内独自の「再生医療スペシャリスト」認定を受け、新設された再生医療開発部へ。主に眼科領域と整形外科領域の再生医療等製品に関わる臨床試験を担当している。