音楽学科

大学から本格的に学び始めた声楽

- 先生の目が行き届いた環境で自分と向き合えた -

荒木さん

音楽学部の声楽専攻を卒業した荒木さん。現在は大学院に進学し、声楽を学び続けています。神戸女学院大学の院を選んだのは、「ここで学べば安心」という気持ちがあったからなのだそう。その安心感はどういったところから芽生えたのか、お話ししてもらいました。

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ピアノから声楽への思い切った転向

幼いときからずっとピアノを習っていて、高校もピアノ科でした。声楽は副科で学んでいたのですが、実技試験で私の歌を聴いた先生が「声楽に向いている」といってくださったんです。それがきっかけで、声楽の道に進むことを決心しました。思い切った転向ではありますが、私にとって大切なのは楽器よりも音楽そのもの。表現するツールがピアノから声楽に変わるだけだと思ったので、新しい道に踏み出すことができました。
私に声楽を進めてくださった先生は、今指導していただいている松本薫平先生のお父様。薫平先生は世界的に活躍されているテノール歌手なので、もちろん私も歌を聞いたことがあり、「この先生がいらっしゃるなら」と思って神戸女学院大学への入学を決めました。
また、入学当初は知らなかったのですが、神戸女学院大学では他専攻の講義も受けることができるんです。そのため、「セカンドメジャー」というスタイルでピアノも学び続けることにしました。学生にやる気さえあれば、それに応えてくれる大学だと思います。

入学式でのソロに抜擢されたことがいちばんの思い出

歌の練習は毎日2〜3時間。オペラの練習はまた別に行うので、空いている時間があれば練習室にこもっています。
私の場合、本格的に声楽を始めたのは大学生になってからなので、入学当初は周りに遅れをとらないように必死でした。自分のやりたい進みたい方向性が見えてきたのは、3年生くらいになってから。がむしゃらに練習するばかりではなく、興味のある分野の勉強に取り組むようになりました。
そうした努力の甲斐あってか、3年生後期の実技試験では高い評価をいただき、4月の入学式でソロを歌わせていただくことに。地道に練習を重ねてきたことが認められたようで、とてもうれしかったのを覚えています。4年間の学生生活を通していちばんの思い出になりました。

落ち着いて音楽と自分に向き合うことができた

神戸女学院大学の声楽専攻を選んでよかったと思ういちばんの理由は、少人数制だということ。マンツーマンでレッスンしてくださる先生はもちろん、ほかの先生方とも距離が近く、いいところも悪いところもすべて見られています。目が行き届いていて、すごく親身になって指導してくださいました。
また、ソロで演奏できるチャンスが多いのも魅力です。4年生のソロリサイタルと卒業演奏会では全員がひとりで演奏するのですが、それ以外の行事でも選ばれればソロで舞台に立つことができます。他大学で音楽を学んでいる友達に聞くと、大きな学校ではなかなかチャンスが巡ってこないということでした。人数が少ないとそれだけ可能性が大きくなるので、目標が見えやすくなると思います。
そうはいっても、みんなが競争心に駆られているというわけではありませんでした。誰かと競い合うのではなく、落ち着いて自分と向き合うことのできる環境です。

私はまだ、ゴールを知らない

声楽は、毎日歌い続けることが大切。今日の練習次第で明日の自分が変わり、さらに目指す場所も変わってきます。積み重ねの先には、ピアノから声楽へと方向転換をしたときのように、大きな変化が待っているかもしれません。
卒業後の目標はオペラの舞台に立つことですが、それはゴールではなくスタートになると考えています。ただ、一言でオペラといっても条件や環境はさまざま。どのような舞台に立てるのか、その先に何を見つけられるのかは自分次第です。
「音楽にはゴールがない」とよく言われるように、私も簡単にはゴールを決めたくないと思っています。どんな自分になれるのか、暗中模索をしながらゴールを探し続けたいです。

Profile

音楽学科
荒木さん

神戸山手女子高等学校卒業。2017年3月、音楽学部音楽学科卒業。在学中は、音楽学部の選抜学生によるオータムコンサートや新人演奏会に出演した。2017年には、第14回ベガ新人演奏会において優秀演奏賞を受賞した。大学院生となった今は、音楽の聖地であるイタリアのオペラを中心に学びながら、ドイツやフランスの歌曲も幅広く歌っているとのこと。