心理・行動科学科

誰もが活躍できる社会をつくるために

- 大学で学んだ心理学を活かして -

株式会社パソナ勤務 澤田さん

人材派遣の仕事を通して、多くの人のキャリア形成を支えている澤田さん。
大学で学んだ心理学の知識や学内での活動が、現在のお仕事にどのようにつながっているのか聞かせてもらいました。

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自分の短所が卒業論文のテーマに

昔から人が好きで、気持ちの動きや行動の理由などについて知りたいと考えていました。そこで、心理学系の学部・学科がある大学のオープンキャンパスに参加してみることに。10校ほど巡ったことで、一言で「心理学」といってもさまざまな分野があり、大学によって学ぶ内容が異なるということがわかりました。
教育心理学など、ひとつの分野に特化している大学もありましたが、神戸女学院大学の心理・行動科学科では、臨床心理学と行動科学という2つの領域にまたがって幅広く学ぶことができます。そのうえで興味のあることを見つけられるので、まだ専門的な知識のない当時の私にはぴったりでした。
入学後、とくにおもしろいと思ったのは社会心理学です。人の行動について統計的に検証する分野で、卒業論文では課題を先送りにしてしまう心理の解明に取り組みました。もともとは自分の短所をなおしたいという思いから始まった研究でしたが、自分自身の弱い部分を見つめ直す機会にもなり、成長につながったと思います。

友達に刺激を受け、語学留学や資格取得に挑戦

入学当初はやってみたいことがあっても、なかなか自分からは手を挙げられない性格でした。でも、大学で出会った友達はチャレンジ精神に溢れた人ばかり。その姿に刺激を受け、自分でも積極的に行動するようになりました。
とくに思い出深いのは、オーストラリアへ語学留学をしたこと。初めての海外だったので不安も大きかったのですが、国際交流センターの方が何度も相談に乗ってくださり、事前研修でもしっかりと準備することができたので、安心して出発できました。心配なことがあっても、手厚いサポートで挑戦を後押ししてくれるのが神戸女学院大学の特長だと思います。
また、学科での学びを通して精神保健福祉士の資格も取得。実習と試験があり、卒業論文の執筆と両立させるのが大変でしたが、先生方が親身になって応援してくださいました。先生と学生との距離が近い少人数教育の大学だからこそ、最後まであきらめずに合格できたのだと思っています。

学生スタッフとしての活動が就職活動のヒントに

大学時代にはオープンキャンパスの学生スタッフとしても活動していて、よく高校生の相談にのっていました。就職先として人材派遣会社を選んだのは、高校生の大学選びのお手伝いをしたように、誰かのキャリア形成を支えられるかもしれないと思ったからです。
今の仕事では主に登録している派遣スタッフと企業とのマッチングを行っているのですが、派遣先が決まれば終わりというわけではありません。長期的なサポートをしていくなかで、派遣スタッフとの面談を重ねながら、一緒にキャリアを考えられるのがやりがいです。
毎日たくさんの人と話すので、ときには説得や交渉が必要になることも。その場合は、大学で学んだ心理学の知識を応用し、話し方を工夫したりしています。

私はまだ、誰もが生き生きと活躍できる社会を知らない

多くの人のキャリア形成に携わっていて強く感じるのは、「自分が望むような働き方をしている人ばかりではない」ということです。たとえば女性の活躍が叫ばれていますが、子育てをしながら仕事をするのはとても大変。また、身体や精神に障害のある人が働ける場所も限られています。
しかし、今はあまり働けていない人でも、環境さえ整えば、大きな力を発揮できるようになる可能性はあるはずです。これからの社会に必要なのは、そうした環境をつくるための仕組みや事業。私ひとりができることには限界がありますが、誰もが生き生きと過ごせるように、少しでもサポートできたらと考えています。
そのためにきっと役立てられるのが、大学で学んだ社会心理学や精神保健福祉士の仕事。自分が持っている力を社会貢献に生かすことが、今後仕事を続けていくうえでの私の目標です。

Profile

心理・行動科学科
澤田さん 株式会社パソナ勤務

大阪教育大学附属高等学校平野校舎卒業。2016年3月、人間科学部 心理・行動科学科を卒業し、株式会社パソナに入社。現在は関西圏で、企業と求職者とのマッチングや新規顧客の獲得といった業務に従事している。仕事に限らず、さまざまな人とコミュニケーションをとる上で、心理学の学びが役立つことを実感しているそう。