英文学科

感動するサービスを提供するために

- 国内外での学びが今につながる -

株式会社帝国ホテル勤務 佐藤さん

英文学科でグローバル・スタディーズを中心に学び、現在は株式会社帝国ホテルで活躍されている佐藤さん。大学時代に海外へ飛び出し、多くの異文化を体験した経験が今につながっているそうです。
英語での学びに打ち込んだ4年間や現在のお仕事を選んだ理由について、お話してもらいました。

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人格ができあがるにつれて英語にも色がついた

小学生の頃から英語でのコミュニケーションに興味があり、中学・高校時代も精力的に勉強していました。とくに高校ではスピーキング力が鍛えられましたが、大学では英語を使って経済や世界情勢などを学ぶなかで、さらにレベルアップできたように感じます。授業は少人数制で発言を求められることが多かったため、自分の考えをしっかり話せるようになり、ほかの学生の意見を聞くことで視野も広がりました。そうして人間としても成長するなかで、使う英語にも自分の色がついていったと思います。
なかでもとくに学んでよかったと思うのは、ジェンダー論です。今でこそ女性が社会に進出するようになってきていますが、日本には古くから「女性は家にいるべき」という価値観があります。授業ではそうした価値観を覆し、「女性だからこそ輝けることがある」ということを教えられました。大学で過ごした4年間で、自分の人格が成長したと思います。

アメリカ留学中に体験した異文化との出会い

在学中の一番の思い出は、アメリカのチャタム大学に7ヶ月間留学したこと。入学当初からの目標だったこともあり、大学の代表として派遣留学生に選ばれたときはとてもうれしかったです。現地では寮生活だったのですが、アメリカ人はもちろんアジアやヨーロッパなど、世界各国からの留学生が集まっていたので、文化の違いに衝撃を受けるのは日常茶飯事。共有スペースの使い方で揉めることもあり、自分の意見を伝える必要性を肌で感じました。休日には、アメリカ人のルームメイトの家に招かれたことも。映画で見たようなクリスマスやサンクスギビングを体験させてもらいました。
帰国後も異文化交流への関心が冷めやらず、内閣府主催の国際交流事業に参加。日本の学生代表として、東南アジアの国際社会の問題について討論したり、互いの文化を学び合ったりしました。

英語力を生かして海外の方の力になる仕事に

留学中にはいろいろな場面で周りの人に助けられたので、卒業後は自分も海外の方の力になることで恩返しをしたいと思うようになりました。就職先としてホテルを選んだのは、近隣にお住まいの方や企業、海外からの旅行者の方まで、幅広い方々に何かをして差し上げることができるから。とくに帝国ホテルは諸外国の要人を受け入れるために開業したという歴史があり、「海外の方の力になりたい」という気持ちにぴったりと重なりました。
現在は営業担当として、法人や国家機関のお客様に対してサービスや施設をご紹介・ご提案する仕事をしています。また学生時代に培った英語力を見込まれ、2019年にはG20大阪サミット首脳会議、2021年には東京2020 夏季オリンピックのホテル運営事務局に参加。責任重大でプレッシャーはありましたが、「あなたにお願いしてよかった」と言っていただけることが励みになりました。

私はまだ、感動を生み出す方法を知らない。

仕事をするうえでいつも考えているのは、「感動を生み出すにはどうすればいいか」ということ。ひとりひとりのお客様のお気持ちを察し、一歩先・二歩先まで考えて行動することを心がけています。
また人の心を動かす提案をするためには、自分の言葉で伝えなければなりません。たとえば法人のお客様のお祝いの席であれば、過去に出版された書籍を読んで企業哲学を知り、ブランドロゴと色をテーブルコーディネートに取り入れてご提案したことも。自分の足で現地へ行き、目で見て、感じながら情報収集することを大切にしています。
仕事を突き詰めることにゴールはなく、正解もないので難しいのですが、それこそがおもしろさ。お客様の慶事にも弔事にも寄り添い、「あなたに頼んでよかった」と言っていただけるようなサービスをこれからも追求し続けます。

Profile

英文学科
佐藤さん 株式会社帝国ホテル勤務

2010年3月、神戸市立葺合高等学校卒業。同年4月、神戸女学院大学 文学部 英文学科に入学、2014年3月卒業。学生時代は留学だけでなく、バックパッカーとしても各地を旅行していた。株式会社帝国ホテル入社後は宿泊部で5年間オペレーター・コンシェルジュを経験し、営業部に異動。宴会の事前打ち合わせや、当日の進行を円滑にするための各部署との調整役など、幅広い仕事を担っている。