環境・バイオサイエンス学科

挑戦の歩みが、今の私につながっている

- 変化に富む都市で踏み出した新たな一歩 -

東京都庁勤務 佐原さん

神戸女学院大学では、忙しくも充実した大学生活を送っていた佐原さん。卒業後は大手金融機関での経験を経て、東京都庁に入都しました。挑戦心あふれる佐原さんが、地元の関西を離れて都庁の職員となった理由や、過去の経験が今どのように生きているのか、当時を振り返りながらお話しいただきました。

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文理を越えた学びが、社会で対応できる力に

理系専攻ですが文系分野にも力を入れて学びたかった私は、神戸女学院の強みであるリベラルアーツに魅力を感じていました。キャンパスを訪問し、教職員の方々からお話を伺ったうえで、「どの学科でも留学制度などの英語教育を受けられるので、この大学なら自分のしたいことができる」と進学を決めました。
実際に大学2年生になる春には、オーストラリアでの5週間にわたる語学研修に参加。帰国後は「通訳・翻訳プログラム」を履修し、英語力の向上に努めました。
学ぶ範囲が広くなったからといって、専門が薄れるわけではありません。少人数クラスは人との距離間が近く、不明点をすぐに教員に質問することができます。また、教員や学生とも頻繁に意見交換を行える環境のため、さらに知識を深めることにつながりました。
常に自分の意見を考える姿勢や発言力も身に付き、職場では日頃から「改善できること」や「効率化を図れることはないか」を考え、上司と意見交換を行っています。

自分なりのリーダー像を探した思い出

大学時代は神戸女学院と他大学、2つの部活動に参加していました。
神戸女学院では、お料理研究部に所属。神戸市主催の産学官連携で、神戸市の土産品を開発するプロジェクトに部員として参加しました。農家の方やホテルのシェフと意見交換をしながら作った商品は、お披露目会で多くの方にご試食いただき、賞をいただくことができました。私たちのアイデアが形になったときは、とてもうれしく思い、主催の神戸市職員の方と関わったことで、公務員は企業や農家・学生など、さまざまな人をつなげることができる立場なのだと気づきました。
また、他大学ではオーケストラの部活動に所属。中学生から吹奏楽部で続けてきたオーボエを、オーケストラで演奏するという新しい挑戦の4年間でした。定期演奏会では舞台運営の統括責任者を担い、演奏以外でもほどよい緊張感を保てました。演奏後にお客様からいただいた拍手や、やり遂げた達成感は何物にも代え難い経験です。現在も社会人オーケストラに所属し、プライベートで楽しく活動しています。

大学時代の学びと経験が仕事に生きる

産学官連携をきっかけに公務員に興味をもったものの、まずは民間企業を経験してみようと、卒業後は金融機関に営業職として勤めました。しかし学生時代からさまざまなことに取り組んできたためか、次第に「もっと広く影響力のある仕事をしたい」と思うようになり、公務員への転職を決意。東京都を選んだのは、日本を先導するような政策を行う機関の一員として、多くのことに挑戦してみたいと思ったからです。
入都して2年間は環境局の給与担当を務めました。前職で聞き慣れた言葉も多く、給与関係のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に力を尽くすなど、民間での知識や経験を生かすことができました。
3年目以降は環境局総務部と、政策企画局の職員キャスターを兼務。総務部は環境局を取りまとめる立場のため、自然環境やエネルギー、気候変動の問題、資源循環など、各部署の分野について知識が必要でしたが、環境・バイオサイエンス学科で学んだことに関連する内容も多く、大学時代の知識が今生きています。

私はまだ、興味が尽きることを知らない。

東京の魅力は、人と情報量が多く、変化に富んでいることです。文化を大切にする動きはもちろん必要ですが、生き残るためには時代の変化に対応することも重要。東京はその変化に貪欲な都市だと思います。その中枢で働く中で驚いたことは、公務員の「影響力の大きさ」と「仕事のフィールドの広さ」です。例えばYouTube「東京動画」内で、政策企画局の職員キャスターとして都政について分かりやすく解説したり、さらにその仕事がつながって、環境局職員としてテレビ東京の番組で環境施策などを紹介したりと、なかなかできない仕事も経験してきました。それでも私はまだ、東京の環境分野の一端に触れただけに過ぎません。
今後、東京は「世界のTOKYO」として気候変動問題の課題解決に挑戦しながら、国際金融都市として海外と競っていくことになります。その一職員として都に貢献できるよう、世界に羽ばたけるよう、環境分野だけではなく金融知識の習得や英語力のさらなる向上に努めていこうと思います。

Profile

環境・バイオサイエンス学科
佐原さん 東京都庁勤務

2014年3月、京都聖母学院高等学校を卒業。2018年3月、神戸女学院大学 人間科学部 環境・バイオサイエンス学科を卒業。学生時代から語学研修や特色プログラムへの参加、2つの部活動に参加する中で責任ある役職に就くなど、多くのことに挑戦してきたそう。現在は東京都庁に勤務。環境局と政策企画局を兼務しています(2023年取材当時)。