神戸女学院は1875年に創立されました。以来、「キリスト教主義」「国際理解」「リベラルアーツ&サイエンス教育(以下、リベラルアーツ教育)」を軸とする少人数制の女性教育において、高い評価をいただいています。

Ⅰ.目指す姿

大学像
豊かな人間性と国際感覚を育む、日本を代表するキリスト教主義リベラルアーツ女性大学。

学生像
21世紀にふさわしい教養と知性、高い語学力、そして「愛神愛隣」の精神を身につけ、どのような立場に置かれても十分に能力を発揮し、状況に立ち向かうことができる学生。

Ⅱ.取り組みの概要

  1. 「これからの道標」の深化、その評価と検証

    • 次期中期目標・計画の設計
  2. リベラルアーツ教育の充実と応用

    • 専門教育科目の深化
    • カリキュラムの円滑な運用と効果の検証
    • 各分野の有機的連携、大学院レベルにつながる指導の推進
    • 教職課程を通して、現場から求められる教員の育成、カリキュラムの充実
    • キャリア意識の醸成
  3. 学修環境、学修支援環境の充実

    • カリキュラムの理念と目標を全学レベルで共有し、学生の自主的な学びを促進
    • プロジェクト科目を推進し、サービスラーニング(社会貢献を通じた学び)に積極的に取り組む
    • キャンパス内におけるバリアフリー化の推進
  4. グローバル時代への対応

    • 「豊かな国際感覚」「高い語学力」の育成の検証、さらなる英語教育の強化、学生の海外語学研修制度の充実
    • 神戸女学院大学の国際化ビジョンにのっとった国際化の推進
    • 海外提携校の拡充と見直しを進め、留学生の受け入れ体制を充実
  5. SDGsを見据えた社会貢献・地域連携の強化

  6. キャリア・サポート体制の充実

    • 社会情勢に即した支援、指導体制の強化
  7. IR(Institutional Research)機能の推進・強化

  8. 広報体制の強化

    • 本学の取り組みの迅速かつ効果的な学内外への発信
    • ホームページの充実と活性化
  9. 学院創立150周年に向けた取り組み

    • 重要文化財を有するキャンパスの、Student Firstを軸にしたグランドデザインの策定とその具体化
  10. 本学への帰属意識の向上

    • 揺るがない建学の精神のもと、学生、教職員、同窓生が誇りと自信を持ち、本学に関わっていく意識を醸成。

神戸女学院大学では今後も議論を深め、順次具体化し、公表していきます。

Ⅲ.2020年度の重点項目

本年度の重点項目として、

  • 学修環境の充実
  • 広報
  • 国際化の推進
  • 社会連携の強化
  • リベラルアーツ教育の推進

が定められました。

2020年度の取り組み

2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、予定されていた多くの計画を変更・延期せざるを得ませんでした。一方で困難な状況においても授業を安定して継続することを中心に学生の学びを維持するために、各種取り組みを行いました。主なものを以下に挙げています。

新型コロナウイルス感染症に対する取り組み

授業関連

授業の遠隔化実施

前期は全授業を原則遠隔化としました。その整備のため授業期間を5月7日(木)から8月7日(金)とし、遠隔化に対応するため、「Moodle」「Zoom」等のツールを利用する教員のためにマニュアルの整備を行いました。後期は、引き続き遠隔授業を基本としつつ、授業の特性に応じて申請制での対面授業を実施しました。

遠隔授業に関する特設ページの開設

前期授業の遠隔化に伴い、本学公式サイト内に「遠隔授業関連情報」特設ページを開設し、学生と教員に対して情報の集約と提供を行いました。

遠隔授業サポート体制の整備

ICTに詳しい職員を学内から集め、「遠隔授業サポート室」を設けました。授業を実施する教員のICT面でのサポートを行うとともに、学生対応にもあたりました。

ノートパソコンとモバイルWi-Fiの貸与

遠隔授業の受講にあたり、ノートパソコンやカメラ、通信環境を準備できないために遠隔授業を受講することができない学生を対象に、ノートパソコンとモバイルWi-Fiの貸与を行いました。

学生支援

「緊急支援給付金」の給付

授業の遠隔化に伴い、ネット環境の確保や学修の場を整える等に備えることを目的に、学生・大学院生全員(2,524名)に「緊急支援給付金」として一律50,000円を給付しました。
(総額1億2,620万円)

緊急支援奨学金(給付型)の給付

家庭の収入が減少し、生活が困窮している学生に対する緊急支援として、奨学金を給付しました。「神戸女学院大学 緊急支援奨学金」は一人当たり30万円を第一次募集では7月に45名、第二次募集では12月に38名に給付しました。(総額2,490万円)
また、同窓会である公益社団法人めぐみ会による「神戸女学院めぐみ会 緊急支援奨学金」は第一次募集では7月に一人当たり36万円を25名に、第二次募集では12月に30万円を5名に給付しました。(総額1,050万円)

下宿生対象の学びの支援

遠隔授業に伴う下宿生・寮生の学資の負担を少しでも軽減するために、神戸女学院大学教職員組合からの寄付300万円により、12月にQUOカード7,000円分を406名に支給しました。(総額284.2万円)

学費納付期限の延長

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う混乱に鑑み、5月10日を期日としていた前期学費納付期限を8月31日に、10月15日を期日としていた後期学費納付期限を12月15日にそれぞれ延長しました。

その他

学生寮の閉鎖

前期のオンライン授業の決定に伴い、学生寮を閉鎖することを決定。後期は対面授業に出席する必要がある学生のみ寮の利用を認めました。前期後期ともに、寮費の徴収は行わないことにしました。

新入生の会の開催

4月に予定していた2020年度の入学式を中止した代わりに、9月に「新入生の会」を開催しました。学部生572人、大学院生7人、合計579人の新入生が参加しました。

図書館資料の郵送での貸し出し

図書館の利用を制限していた期間内、2020年度に卒業論文・学位論文を提出する学部生・大学院生を対象に、図書館の資料(図書・楽譜等)を郵送で貸し出しを行い、5月20日~6月2日、7月15日~7月21日の期間で計205名の学生が利用しました。加えて、文献複写郵送サービスも実施し、3回の期間内で合わせて30名の学生が利用しました。

図書館内図書の消毒機購入

感染拡大防止のために、予約制での利用を行うとともに、定期的に消毒時間を設けることで後期は開館し、延べ2,137人の学生が利用しました。

キャリアセンター

就活中の4年生および就活を控えた3年生を対象に、就職や進路に関する個別面談および模擬面接等をWEBツールで行い、約2,900人の学生が利用しました。また、就活に関する各種対策講座については、動画を学生が閲覧できるようにして対応しました。加えて2月に遠隔にて実施した「企業研究セミナー」には1~3年生延べ6,273名が参加しました。

カウンセリングルーム(学生相談室)

電話での個別相談の実施、および本学公式サイト上で「カウンセリングルームだより」を閲覧できるようにし、不安を抱える学生を遠隔でサポートしました。