英米文学文化分野

大学での英米文学・文化の学びは、物事や人間、社会についての認識を深め、実社会で役立つ実践力の強化に繋がります。推薦図書を読むだけでも、文学作品にはビジネス、経済、政治や社会、ジェンダー論、環境問題、宗教、芸術、ファッション、ガーデニング、食文化など、複数のトピックが盛り込まれていることに気づかれるはずです。多様な作品に批判的に応答していく文学演習は、皆さんが、的確な言葉で自らの意見を外に向かって伝える際に助けとなる教養と論理的思考力を深めてくれます。文字の力を大切にする人の共感力は深まり、社会の繋がりの本質がわかり、人生も一層、意味深く、楽しくなります。

言語コミュニケーション分野

リベラルアーツ教育というのは、ある科目や規範やグループの縛りを越えての教育で、この教育を受けると自由に考える力が身に付くと考えられています。言語コミュニケーション分野でリベラルアーツを専攻すると、 他分野での(例えば音楽やバイオサイエンス)通訳や翻訳、言語と音楽や心理学との関係など、学科を越えて勉強をする機会が与えらます。考えられる研究内容としては、「音律と言語リズムの関係性」、「音楽や舞踏のパフォーマンスと言語パフォーマンスとの関係」「ジェンダーと言語」「法律で使われている言語」「通訳でのトレーニングの教育面での応用」「心理カウンセラーの使うことば」「学習障害と言語発達」など、とても広範囲に渡って様々な斬新な研究が可能となります。

グローバル・スタディーズ分野

本コースは、主に国際関係、女性学・移民学、メディア学、国際ビジネスを研究テーマにしています。授業の全てを英語で行います。英語運用能力を高めるだけでなく、国際対話能力および国際理解力を養い、英語「を」覚えるよりも、英語「で」専門知識を得ることを目的にしています。講義の他、海外フィールドワーク(実地調査)、プロジェクト、ディスカッション等を通じて、英語で自分の意見を表現し、自分の考えを発展させて、議論を深めるプログラムになっています。

宗教学分野

宗教学は、キリスト教およびその他の宗教を、聖書学、神学、倫理学、宗教史、哲学などの視点から理解する学問です。聖書学はキリスト教の正典である旧約聖書と新約聖書を研究する学問であり、キリスト教の基本的思想を学ぶためには必須であるといえます。また西洋の文化や思想を正しく理解するためには、神学をはじめとするキリスト教思想の知識が不可欠です。さらに宗教的視点から生命倫理、死生観、死者儀礼などを学ぶこともできます。

欧米の文化と歴史分野

欧米(ヨーロッパとアメリカ)の文化と歴史というとても広い領域をカバーしています。他大学ならば複数の学科や専攻にまたがるような分野をあえてひとつの専攻科目群とすることに本学ならではの特徴があります。近代以降の歴史は欧米を中心に展開してきました。したがって、欧米について学ぶことは日本やアジアへの理解を深めることにもなります。欧米以外の文化との比較を通して地球的視座でものごとを考えるきっかけも得られる専攻科目群です。

哲学・倫理学・美学分野

「哲学・倫理学・美学」は、真理を追究する哲学、善とは何かを問う倫理学、美について思考する美学からなる専攻科目群です。この三つの分野がひとつのまとまりをなしている背景には、「真・善・美」の統一という古代から続く理念があります。真なるもの、善きもの、美しきものは、古代ギリシャの哲学では人間の理想とする存在と見なされ、後のキリスト教世界では完全なる神の内実と考えられていました。真理とは何か、正しきこと・善きこととは何か、美とは何かという根本的な問いを大事にする学問分野です。

社会福祉・子ども分野

「社会福祉」や「子ども」は、私たちの生活に密接に結びついたテーマです。それゆえ、私たちは、自分たちの経験から「社会福祉」や「子ども」を理解してしまいがちになります。しかし、本専攻では、「学」としての客観性を伴った「社会福祉学」や「教育学」「子ども学」を学び、子ども、障害者、高齢者、低所得者、女性などを取り巻く社会の現状や課題について、教育学や社会福祉学の視点で分析する力を身につけることを目指します。

社会学・メディア分野

絶え間なく変化する現代社会とメディアの仕組みと諸問題について社会学とメディア論の視点から探究します。具体的には、相互行為(コミュニケーション)や人間関係や文化に関する社会学的知識を学び、家族、学校、職場、地域などにおける多様な諸問題について考察します。また、インタビューやアンケート等の調査方法を学びつつ、学校外の社会の現場において知識と方法を応用するためにフィールドワーク(現場学習・野外調査)を試みます。

日本語・日本文学分野

日本語と日本文学を学ぶことは、日本と私たち自身を知ることにつながっています。作文を書いたり、ことばの意味を覚えたり、受動的に本を読んだりすることではありません。さまざまな表現が持つ意味を論理的に考える力や慣習、価値観が継続してきた背景を探る力を育むことは、私たちが、読み、書き、聞き、話してきたことばを分析することに結びつきます。この過程で、日本という場所で、人は何をどのように感じ考え、ことばにしてきたのかを、私たち自身が理解することができるはずです。

日本・アジアの文化と歴史分野

現在、日本とアジア諸国の関係は緊張関係を持って常に動いています。なぜこのように、様々な問題や軋轢が生じるのでしょうか。それは、歴史をひもといてみるとだんだんとわかってきます。現在の世界は過去の積み重ねから成り立っています。つまり、過去の日本・アジアの文化や歴史を知ることができれば、現在の社会で起こっている出来事の意味、要因を知ることにつながるのです。
またそれを知ることで、今後の日本とアジアの未来を構想する手がかりとなるはずです。

経済学・法学・国際関係論分野

この専攻科目群では、いま世界各地で起こっている出来事を、経済学・法学・国際関係論の知識や視角から、的確に把握することを目指しています。私たちが生きる現代社会では、経済格差や法的権利の侵害、国家間の対立などの問題が、国内外で深刻化しています。ますます複雑化する諸問題について、表面的な理解ではなく深い洞察を得るには、3つの学問分野をバランスよく学ぶことが重要になります。

ピアノ分野

音楽に身近なものとして生涯楽しむために、ピアノの習得はすべての基本として役立ちます。技術面でなく芸術性を高め、ピアノを使って様々な楽器の音色を表現し、基礎能力を高めることを目的とします。

声楽分野

まず、呼吸法、発声法の訓練を行い、喉と体を上質の楽器に仕上げ、適切な声の使い方、表現法など、「歌う」ためのテクニックを学びます。そのうえで、日本・外国歌曲やオペラアリアのレパートリーを増やしてゆきます。

器楽分野

ギター、チューバ、サキソフォンを除く管弦打楽器を扱っています。レベルによってはオーケストラへの参加も可能ですが、フルートなどは人数の制約があります。あと、室内楽への参加の可能性もあり、こちらはピアノなどを含むジャンルもあり、楽しいアンサンブルが待っています。非常勤講師も含め、一流プレーヤーの至近距離での音色に接するまたとない機会です。みなさんの参加をお待ちしています。

作曲分野

ここで作曲とは、五線楽譜に音楽を記す、いわゆるオーソドックスな音楽創作を指す事とします(ほかに即興演奏やコンピュータ音楽、民俗音楽などいろんなジャンルがありますね)。「建築は凍れる音楽」とはゲーテの言葉ですが、いわば音楽の設計図である楽譜の背後には作曲技法、さらに素材である楽音に関わる、また音を発する奏者の技巧についてのさまざまな知識が必要です。

心理学分野

心理・行動科学科では、心理学(行動科学)、臨床心理学を中心に、人間の心理についてさまざまな研究をしています。初めて触れる心理学は、少人数ゼミ形式の「心理学入門ゼミ」で始まり、行動科学や臨床心理学のさまざまな講義、実習、演習が続きます。心理・行動科学科で得た知識は社会や人間を理解するために役に立ち、どのような分野にも応用がききます。また、精神保健福祉士や大学院進学で臨床心理士の資格取得も可能です。

バイオサイエンス分野

この分野では健康に生活するとはどういうことかを科学的側面から追求します。環境、生態学や生物、化学の基礎知識を最初に学びます。その後、人体の構造と機能や生化学、食品科学を学び、病気による細胞や体の変化および食生活が人の健康に及ぼす影響を理解します。この分野を修了することで、科学的知識に基づいて合理的に健康情報を取捨選択し、健康な生活を送るための指針が得られます。

環境・生態科学分野

人類の生存基盤である地球環境の成り立ちを理解します。また、人が誕生してから20万年経過した今、人間は自然から多くの知識を学び快適に暮らすことができるようになりました。その反面、公害問題や生物多様性の減少などさまざまな環境問題が生じ、地球環境が悪化しています。それらについて、環境科学や生態学、社会科学の視点から講義、実験および実習を体験し、身のまわりの環境や生態系を保全するための科学的知識や理論を習得します。

ジェンダー分野

この分野は、今まで客観的あるいは論理的とみなされてきた文化や社会の構造が、実は、性差別意識や男性中心の視点にとらわれたものであったことを明らかにし、女性の視点から問い直すという研究です。政治、社会、文化など様々な文脈におけるジェンダー(社会的文化的性差)の働きについて考察し、多様な生き方の可能性を探ります。1970年代の女性解放運動の進展によって欧米の大学に講座が設置されるようになった新しい学問分野です。

特別分野 ー 神戸女学院を知り、語り、生きる

21世紀に入る頃から、わが国でも多くの大学が自校史に力を入れるようになりました。神戸女学院では、すでに1980年代には「大学論」という名称の講義で、自校史が講じられていました。単なる母校の歩みに関わる知識の習得を目的としたのではなく、それを応用して、自らの言葉で神戸女学院建学の祈り、悲しみと気概を語り、「神戸女学院」という生き方を自身の一部とするようにとの願いが込められていました。ここに掲げる書物の紹介にも同様の思いがあります。これらと共に、図書館にある『山本通時代の神戸女学院』や『神戸女学院百年史』(神戸女学院 「総論」1976、「各論」1981)にも目を通し、新たな自分自身の構築に努めてください。