カリキュラムの構成

基礎教養を土台として、さらにその先に専門知識を身につけるための各学科の学びがあります。また、複数の専門知識を身につけたいという志向を持つ学生には、「マイナープログラム」が用意されています。ここでは、学科の枠を超えて他学科の専門的な学びを、その学科の学生と同じ条件で学ぶことができます。マイナープログラムを修めた学生には、その証として「修了証」が授与されます。
また、より実践的な学びとして「特色プログラム」が用意されており、社会とのつながりの中から学びを追求することもできます。

必修 メジャー

各学科の専門科目。各学部学科それぞれの、専門的知識と技能を深く学んでいきます。

国際学部
文学部
音楽学部
心理学部
人間科学部

選択 マイナープログラム

メジャー(主専攻)とは別に、マイナー(副専攻)として1分野を選択。 オープン科目よりも深い知識や技能を突きつめることができます。
他学科での専門的な学びを通じて、オープン科目よりもさらに深い知識を身につけ、より多角的な視点と柔軟な思考力を養います。

提供分野

19の分野の中から興味・関心のある1分野を選択し履修することができます。

  • 英文学分野

    シェイクスピア劇やキリスト教文学、18世紀から今日に至る英語圏の小説や詩を精読するとともに、文化的背景を学び、多角的な社会観察力と論理的思考力を鍛えます。

  • 言語コミュニケーション分野

    英語を軸として、多言語との対照的研究や単一言語の深化した研究を客観的に見ることにより、英語または言語一般そのものを理解し、それを考える能力を身につけます。

  • グローバル・スタディーズ分野

    全ての講義、およびクラス内での討論やグループワークを英語で実施。グローバルビジネス、社会とメディアの理論・知識を深め、現代の世界の状況を広く理解します。

  • 宗教学分野

    キリスト教およびその他の宗教を、聖書学、神学、倫理学、宗教史、哲学などの視点で理解。日本と欧米における宗教に関する、正確な知識と思考方法を修得します。

  • 欧米の文化と
    歴史分野

    ヨーロッパとアメリカ(特に合衆国)の文化と歴史を、文学研究、文化論、歴史学の視座を軸に考察することで、国際社会への理解力と思考力、文化的発信力を養います。

  • 哲学・倫理・美学分野

    哲学を基本とした「真・善・美」に関わる思考や作品を吟味し、議論を深め、それについて書く機会を持つことで、物事を根底から考える習慣を身につけます。

  • 社会福祉・
    子ども分野

    子ども、障害者、高齢者、低所得者、女性などを取り巻く社会の現状や課題について、教育学や社会福祉学の視点で理解。解決のための社会的支援のあり方も考えます。

  • 社会学・
    メディア分野

    現代の多様な社会問題とメディアのしくみについて、社会学とメディア論の視点から探求。諸問題を解明するための、社会学的知識と調査方法を修得します。

  • 日本語・日本文学

    日本語学・日本文学について、基礎的な知識から今日的な研究課題まで広く理解し、分析的な視点を獲得するとともに、「ことば」の世界への関心を培います。

  • 日本・アジアの文化と歴史分野

    私たちの住んでいる日本・アジアの文化や歴史について、歴史学・文化史学などの観点から理解し社会を考える手がかりとするほか、歴史学の理論や最新成果も学びます。

  • 経済学・法学・国際関係論分野

    日本および国際社会が直面する現代的課題を、経済学・法学・国際関係論の視点から探求。国内外の経済・法律・政治の構造や変動を理解するための専門知識を修得します。

  • ピアノ分野

    ピアノの個人レッスンや音楽専門教育科目を通じて、音楽における高い芸術性と豊かな表現力を学び、基本的かつ柔軟性がある演奏テクニックを身につけます。

  • 声楽分野

    声楽専攻の学生と同等の授業を受けることにより、個人の才能を伸ばし、豊かな表現力を学ぶとともに芸術的な達成感を得ることができます。

  • 器楽分野

    管弦打楽器の個人レッスンや音楽専門教育科目を通じて、音楽における高い芸術性と豊かな表現力を学び、基本的かつ柔軟性がある演奏テクニックを身につけます。

  • 作曲分野

    音楽分野における創造活動である作曲を、それぞれの個性・意欲に合わせて実践。自分自身の楽案を用いて、1曲以上の音楽作品を楽譜に記して完成させます。

  • 心理・
    行動科学分野

    心理学の基礎と応用を偏りなく学んで、人の心や現象を多面的により深く理解し、論理的思考力、対人関係スキルなど、心の健康に資する心理学的知識や理論を修得します。

  • バイオサイエンス分野

    食品の機能や安全性、生活習慣病など、生命科学の諸問題を、細胞や遺伝子レベルで理解。安全で健康な生活を維持・増進するための科学的知識・理論を修得します。

  • 環境・
    生態科学分野

    人類の生存基盤である地球環境の成り立ちと課題について、環境科学や生態学、社会科学の視点で理解。環境や生態系を保全するための科学的知識・理論を修得します。

  • 女性学分野

    ジェンダー(社会的文化的性差)について、さまざまな学問領域を通して学ぶことで、女性学あるいはジェンダーの視点からの考察・分析の意義を理解します。

選択 特色プログラム

実社会で活躍できる力を養う、実践的でユニークなプログラム。
学外からの講師も招き、専門的な知識やスキル、そして経験を磨きます。

キャリアデザインプログラム

卒業後のキャリアや女性としての生き方を見据え、実践的な力を身につけます。マスコミ業界へのキャリアを意識した「メディア・コミュニケーションコース」、芸術分野でのキャリアに生かすための「アート・マネジメントコース」、 ビジネスに限らずあらゆるシーンで役立つ「ホスピタリティ・マネジメントコース」 の3コースから選択できます。

地域創りリーダー養成プログラム

行政や企業、NPO 法人などから講師を招き、地域の課題や取り組みを理解します。その後グループに分かれて地域を活性化する活動を企画・実行します。地域社会のリーダーに必要な資質を磨きます。

通訳・翻訳プログラム

異言語間コミュニケーションの専門家であるプロ通訳者・翻訳者を育てる訓練法を使って、日本語も英語も自在に使いこなして、家庭でも地域社会や職場でも、文化的背景や考え方の違いを越えて情報や思いをしっかり伝えるコミュニケーション力に磨きをかけます。

本学が掲げる「ディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)」では、「置かれた場で時代の潮流に流されることなく利害を超えて自らの役割を果たす、他者と深く共感する人格を養成」を謳っています。社会で自らの役割を果たすためには専門的な学びだけではなく、幅広い教養を身につけることも大切です。そのために「オープン科目」「コア科目」の科目群、そして「クローバーゼミ」を設置し、それらを必修の学びに位置付けています

必修 メジャー

専門以外の学びで視野を広げる科目群です(各学科提供科目と全学オープン科目からなる)。各学科提供科目では、メジャーとして履修する学生と同じように、各学科の科目を履修することができます。全学オープン科目では、さらに学部に捉われずに広い教養を得ることを目的とした科目を設けています。

各学科提供オープン科目

メジャーとして受講する各学科の学生と同じように、学科科目を受講することができます。

英語学科
  • British Studies(イギリス文化論)
  • Theater Studies(演劇論)
グローバル・スタディーズ学科
  • Sustainability Studies(持続可能なグローバル社会論)
  • Cultural Studies(グローバル文化研究)
総合文化学科
  • 日本語学研究
  • メディア論
  • 西洋美術史 他
音楽学科
  • 音声学
  • 合唱
  • 教会音楽  他
心理学科
  • 心理学入門
  • 認知心理学
  • パーソナリティ心理学 他
環境・バイオサイエンス学科
  • 環境学入門
  • 地球生物圏の科学
  • 人体の構造と機能 他
全学オープン科目

学科の枠を超え、学祭的な科目や、実地体験型の科目を履修することができます。

学際的科目
  • 女性学
  • 初期神戸女学院
  • 知への好奇心
  • 人権論
  • ビジネス
実地体験型科目

キャンパス内・地域・海外の3種類に分かれた各種プロジェクト科目、
インターンシップ科目が用意されています。

  • 女性学
  • 初期神戸女学院
  • 西洋美術史 他

必修 コア科目

社会で必要な素養を身につけるための科目群です。
キリスト教学、英語・第二外国語、 IT、体育学、クローバーゼミ(詳細は下記)を含む5つの必修科目群からなります。

キリスト教学

神戸女学院の精神的根幹であるキリスト教精神について学びます。
新約・旧約の聖書を読み、キリスト教の歴史や文化についての知識と教養を身につけます。

  • キリスト教概説
  • キリスト教学(旧約学)
  • キリスト教学(新約学)
  • キリスト教学(キリスト教史)
  • キリスト教学(キリスト教思想)
英語・第二外国語

「専門知識」+「英語力」を備えるために、全学科で高度な英語教育を受けることができます。また、第二外国語科目が選択必修科目として用意されています。

英語
Communication in English 英語の基本表現を学び、自分の意見を述べる力を身につける
Communication in EnglishⅡ※1 自然な発音でディスカッションする力を身につける
Reading and Writing English ※1 オリジナルテキストを用いて文法と読解力の基礎を学ぶ
English in Practice Ⅰ・Ⅱ ※1 ※2 所属学科の専門領域に関する知識・語彙力を高める
English for International Communication Ⅰ・Ⅱ※1 ※2 TOEIC®のスコアアップをめざす
English Workshop 自身の関心領域を英語で学び・表現できる力を鍛える
  • ※1:国際学部は※1の科目の代わりに学科メジャー科目を履修
  • ※2:音楽学科はⅠのみの履修
第二外国語
選択必修 ドイツ語
フランス語
イタリア語
中国語
朝鮮語
選択 ラテン語
ギリシャ語
スペイン語
IT

昨今の情報化社会において最低限必要な知識を身につけ、基礎となる技能の習得はもちろん、応用力も養います。

  • IT基礎演習
  • IT応用演習
体育学

「健康スポーツ科学」では、生涯を通じて健康な身体・健康な心をもって生活できることをめざして、多様なジャンルの体育実技と理論を学びます。「生涯スポーツコース」では、テニス、ゴルフ、ストレッチ・ヨガなどの実技や講義科目から、好きな科目を選択できます。

  • 健康スポーツ科学
  • 生涯スポーツコース(過去の開講科目例)
    テニスⅠ/ゴルフ/ジャズダンス/フリースタイルダンス/
    太極拳/ヒップホップダンスⅠ/ストレッチ・ヨガ/ピラティス/
    球技/アダプテッド・スポーツ科学(講義)/
    健やかさ再考(講義)/スポーツと社会(講義)

必修 クローバーゼミ

ひとつのトピックに対して、人文科学/社会科学/自然科学(※)の異なる3分野から考察することで、多角的な視点で物事を捉える力を養います。

※人文科学:哲学、言語、文芸、歴史など人や文化に関する学問
社会科学:政治、法律、経済、社会学、心理学など社会現象を対象とした学問
自然科学:科学的手段で自然界におけるさまざまな現象を解

ゼミの流れ:「鯨」がテーマの場合
  • 議論する

    動物倫理に関する論文を読み、興味を惹かれた部分についてチーム内で各自の意見を交換します。

  • 発想する

    「宗教と捕鯨の関わりは?」
    「鯨は恋愛するか?」など自由に疑問を出し合い、調べたいことをさらに広げます。

  • 調べる

    疑問を解決するための参考文献を図書館やインターネットなどで実際にリサーチ。より理解を深めていきます。

  • 発表する

    チーム内の見解をボードなどにわかりやすくまとめ、クラス全員にプレゼンテーションを行います。

領域横断ゼミで「開かれた心」を養う。

学部・学科を越えてさまざまな学生が同じ教室に集い、ひとつのテーマに対して幅広い視点で考察するクローバーゼミ。その目的は「開かれた心」を身につけることです。つまり、自分の考えだけで完結してしまうのではなく、さまざまな文化や立場によって考えが異なることを学び、やわらかな心を育むのです。

例えば「鯨」がテーマの場合、人文科学分野では鯨に関わる文学、思想や歴史、社会科学分野では捕鯨文化や各国の人々同士の関わり、自然科学分野では生息数や遺伝情報などの科学的データに向き合います。

高校までの勉強とは違って絶対的な「正解」を見いだすのが難しい実社会において、他者の見解をどう捉えるかはとても大切です。だからこそクローバーゼミでは、どの見解が正しいかではなく、新しい見解を発見することの楽しさを経験することを重視しています。積極的に意見を交わし、互いに学び合う姿勢は、在学中だけでなく、卒業後の豊かな人生にもつながることでしょう。

データサイエンスプログラム

演習を交えて実践的に、データの読み解きや分析、わかりやすく発信する力を養い、情報セキュリティなどに関する知識を身につけます。

全学科共通の英語教育

グローバル社会で活躍するための英語運用能力と国際感覚を身につけた人材の育成を目指し、本学では全学科共通の英語教育を行っています。全学科共通のカリキュラムにより基礎力を強化するとともに、自身の専門分野に特化した内容の英語も学ぶことで、英語で専門科目を学ぶための基礎も身につけます。

アカデミック・アドバイザー制度

教員と一緒に組み立てる学び

各教員がアカデミック・アドバイザーとして学生一人一人を受け持ち、各学生の学修計画や方法についてアドバイスします。各学生は「学修計画書」を作成し(音楽学科は「レパートリーシート」)、それをもとに教員と個別面談を行います。