英文学科

多様な意見に触れられる少人数教育

- 女性としての生き方を深く考えることができた -

外資系企業勤務 石坂さん

おばあさんも神戸女学院大学の卒業生だという石坂さん。合格したときは、家族みんなが喜んでくれたそうです。現在は仕事で全国を飛び回る忙しい毎日を送っていますが、入学前に考えていた将来像とはまったく違うのだとか。どのような学生生活を経て今があるのか、お話してもらいました。

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1年間の留学で行動力がついた

大学生活でいちばん思い出深いのは、3年生のときにオーストラリアに留学したこと。自由に学びたかったので、大学の留学プログラムは利用せず、1年間休学してアルバイトをしながら語学学校に通いました。
学校やアルバイト先で多くの人とコミュニケーションをとるうちにわかってきたのは、英語力がすべてではないということです。人間関係の本質はどの土地でも変わらないと発見したことは、私にとって大きな自信につながりました。
また、1年という時間の制限があるなかで学んでいたので、行動力が増したと思います。それを実感したのが、留学期間も終盤になってアメリカへの再留学を決めたとき。「帰国する前にもう一度別の環境を体験しておきたい」と思い立ち、すぐに手続きをしました。留学前の私だったらもっと悩んだはずですが、思い切って飛び込んでみたことにより、新しい可能性を開くことができたと思います。

同世代の戦争経験者に出会った衝撃

語学学校にはさまざまなバックグラウンドや価値観をもつ学生が集まっていて、とても刺激的でした。とくに衝撃を受けたのは、戦争から帰還したばかりという友達との出会い。急に怒りっぽくなることがあるので理由を聞くと、戦争体験でショックを受け、PTSDという精神疾患を抱えていると教えてくれたんです。私と同じ年齢で従軍していたという事実に、とても驚かされました。
世界にはさまざまな環境で生きる人がいるということをもっと知りたいと思い、帰国後は現代の国際情勢を扱うグローバル・スタディーズコースのゼミへ。育った環境や信仰する宗教によってPTSDの症状が変わるのではないかという仮説を立て、実際の症状と世界情勢を絡めた研究で卒業論文を執筆しました。難しいテーマでしたが、自分の経験から生まれた論文なのでとてもやりがいがありました。

「講義」というより「ディスカッション」という感覚

ゼミに限らず、神戸女学院大学の講義は少人数クラスが中心なので、よく発言を求められます。4年生になると「講義を受ける」というよりも「ディスカッションをする」という感覚に近づいていました。自分の発言に対して誰かが意見を出したり、先生が解説を加えてくださったりするので、最初の考えからどんどん学びが発展していくんです。少人数制でなければ、みんなの意見を聞くのは難しかったと思います。
ディスカッションのテーマには、女子大ということもあって女性の生き方や社会との関わり方などがよく取り上げられていました。とくに印象に残っているのは、海外出身の女性の先生が受け持たれていたジェンダー論の講義。グローバルに活躍する人生の先輩として、これから社会に出る私たちにさまざまなアドバイスをしてくださいました。「卒業後は仕事で活躍したい」という友達も多く、4年間を通して自分の将来について深く考える機会が多かったと思います。

私はまだ、人生の可能性を知らない

大学生活や留学の経験から「もっと広い世界を見たい」と考えるようになり、外資系企業に就職しました。仕事中心の毎日で、新しい知識の習得に追われています。大学に入学したばかりの頃はあまりキャリアアップに興味がなかったのですが、今は私自身の持つ可能性に挑戦をし、未来を切り開いていきたいと思っています。
それと同時に、いずれは結婚して子どもを産み育てたいという希望もあるんです。最近は働くお母さんを応援する社会になってきていますし、私が勤めている会社も制度が整っているので、子育てをしながらバリバリ活躍している上司もいます。
制度があるとはいっても、仕事とプライベートを両立させるのは簡単なことではありません。でも、人生は一度きり。どちらかを諦めざるを得ない未来にするよりも、自分の可能性を狭めないように精一杯努力していくつもりです。

Profile

英文学科
石坂さん 外資系企業勤務

神戸龍谷高等学校卒業。2017年3月、文学部英文学科卒業。現在は医療機器を扱う外資系企業に勤務している。大学での講義や留学を通して自分の軸をはっきりさせたことが、就職活動に役立ったとのこと。