「『神戸女学院の100冊』書評コンテスト」表彰式を行いました
受賞した学生と斉藤学長(右)、立石副学長・教務部長(左)
本学では、自分の専門分野にとどまらず、さらに関心を広げて学ぶための基本となる図書を「神戸女学院の100冊」として推薦しています。
そして、その中から1冊を選んで書評を書く「『神戸女学院の100冊』書評コンテスト」を、本学学生を対象に行っています。
1月8日(金)の新年礼拝後、その表彰式が行われました。今回、2名の学生を表彰しました(表彰式には1名欠席)。
【立石 浩一 副学長・教務部長による講評】
---------------------------------------------
「神戸女学院の100冊」は、神戸女学院大学の全教員が専門分野の学びの基礎となる書籍を選び、編み上げたものです。3学部5学科の、人文科学、社会科学、自然科学から芸術にわたる19分野の95冊、そして、院長推薦の5冊の計100冊は、本学でリベラルアーツを学ぶ大学生の道標となり、新たな世界への扉を開いてくれる珠玉の書ばかりです。
2019年度より、高校生部門を廃止、大学生の応募のみと致しました。これは、本来の「100冊」の目的が、本学においてリベラルアーツを学ぶうえでの手がかり、道標となるということでありましたので、原点に立ち返ろう、ということであります。
今年度、2020年度は、全学より4名の応募がありました。4名とも大変熱のこもった書評を書いていただきましたが、各分野の先生方に慎重にご審査いただき、結果、本日表彰される2名の学生さんが、佳作に選出されました。
哲学・倫理学・美学分野で佳作に選出されました山田さんのご書評からは、高校時代の倫理の授業では得られなかった、哲学に関する新しい知見、発見に対する喜びがあふれており、大学という新たな学びの舞台における学修を伝えたいという思いが強く伝わってきました。そして、日本語・日本文学分野で同じく佳作に選出されました爾さんのご書評からは、言葉の背景にある当たり前と思われがちな文化的認識が、いかに大事であるかを強く訴える姿勢が伝わり、当たり前に話している言葉についての新たな視点を伝えようという意識が強く読み取れました。今回受賞されなかったお2人のご書評も非常に力作でありましたが、伝えるべきポイントが佳作のお2人の方がより明示的に書かれていたと感じました。どのご書評も、批評的側面がより明確に示されれば、より良いものになったかと思います。
今回受賞された皆さんのみならず、他の学生さんにとりましても、読書体験は文章力、考察力、問題解決能力も向上させてくれる、重要なツールだと考えます。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大の中、通常の大学生活というものが大変難しい中ではありますが、であるからこそ、「100冊」のみならず、広く、読書体験を持っていただけることを期待します。最後になりましたが、受賞された皆さんに、改めておめでとうの言葉を贈りたいと思います。
--------------------------------------------